十勝岳 山頂にて
日本百名山
友歩会 特別例会
十 勝 岳 標高2077m
 
 大雪山旭岳に続いて十勝岳に挑戦した。昨日は旭岳から早く下山できたので十勝岳山麓を観光した。明日の天気も考えて十勝岳の望岳台へ行った。望岳台は標高1000mほどで観光客でにぎわっている。ガイドブックなどには望岳台から十勝岳避難小屋辺りまでリフトがあることになっているがなくなっていた。空は晴れていたが山頂付近が噴煙で隠れるので、しばらく留まってチャンスを待った。明日もこんなに見えるといいんだがと期待も大きい。つづいて吹上露天風呂に行った。この露天風呂はドラマ「北の国から」のロケに使われた温泉で、宮沢りえの入浴シーンだ。さらに車を走らせ十勝岳温泉へ行った。行止りの駐車場前の凌雲閣脇からの眺めがすばらしい。安政河口のある十勝岳の尾根が見える。火山特有の尾根と麓の紅葉が合わさってきれいだ。見えている尾根は上ホロカメットク山から大砲岩辺りの尾根であろうかすばらしい迫力だ。明日、あの峰に登れるのかと思うとわくわくしてくる。宿泊先の白銀温泉に戻った。

十勝岳 望岳台より

望岳台にて

十勝岳 安政火口 十勝温泉より

十勝岳 望岳台付近にて
 9月18日、今日は昨日眺めた十勝岳に挑戦だ。望岳台を8時出発。ガラガラ道を歩く。右手に富良野岳が美しく見える。しばらくしてテレビの北海道の自然番組でよく紹介されている鳴声が聞こえてきた。耳を澄ませて眺めているとナキウサギがいた。我々の声に気付いたのか飛跳ねるようにして隠れてしまった。ほんの一瞬の出来事だった。ずいぶん高く、遠くまで聞こえる鳴声は十勝岳の静寂に生きる小さな命を感じた。また、この辺りにはシラタマノキが群生していて、小さな白い玉は山の真珠のようだ。この実をつぶすとサロメチール臭がするそうだ。振返ると広大な牧場も目に飛び込んでくる。約1時間で雲ノ平分岐を通過し、十勝岳避難小屋に9時10分ごろ到着した。この辺りまで来ると紅葉が目立つ。富良野岳方向を見ると今登ってきた斜面の向こうが白く霜が降りたようになっている。推定だがハイマツが枯れて白くなったのではないかと思われる。真実は分からなかった。ここまでは広い平原を登ってくる感じだったが、ここから十勝岳への登りのようだ。小屋の上を少し左に巻いて尾根道を登るようになる。道はかなり急で、滑りやすいところが多々ある。帰りが少し心配だ。
 避難小屋から30分ぐらい登ると噴煙も匂いも近くきつくなってくる。またこの辺りから足元の石が黒い溶岩の欠片になってくる。今までの石と違うので火山に登っている感じが強くなる。急な登りを上り詰めると広々したところに出る。
 昭和噴火口で標高1720mだ。噴煙は出ていないが大きなスリバチ火口だ。右側にも火口がありその間を進む。その先、丘状になっていて右側は巨大な火口だ。グラウンド火口と呼ばれている。なだらかな道を進むとやがて本峰の十勝岳が立ちはだかっている。取り付きは1830mなので山頂まで見上げる高さ250mを頑張ることになる。とにかく尾根筋まで登ろう。火山礫や火山灰の滑りやすい急斜面を、慎重に登る。30分足らずで尾根に出ることができた。ここから下を見ると噴煙を上げている大きな火口(62U)が目に入る。目の前で地球が生きているのを感じる。ピークへの最後の登りを約20分で上りきる。十勝岳山頂に到着だ。
 標高は2077mで三角点はないが誰かが持ち上げたのだろうかモニュメントのような三角点が実にかわいい。ガスが出てきて近くしか見えなかったがそれでも360度の展望は雄大ですばらしい。北東には美瑛岳がうっすら見え鋸岳など火山形状が楽しい。南西方向には富良野岳がこれまたうっすらで、昨日見た上ホロの岩肌がきれいだ。さらに登ってきた北西側は、しきりに噴煙を上げる火口と、静まり返ったグラウンド火口の雄大さが比較できてすばらしい。展望を楽しみながら昼食にした。ここから眺めていると富良野岳から十勝岳、美瑛岳、美瑛富士、オプタテシケ山の縦走をしてみたくなった。縦走して各山の山容をじっくり眺めたいと思う。午後は往路コースを引き返した。昭和噴火口付近を雲ノ平と間違いして皆に説明したが、雲ノ平は美瑛岳の裾野の方だった。十勝岳を楽しみながら足元に気をつけて下山した。望岳台に15時過ぎ無事下山した。
 下山後、宿泊先の中富良野までの途中に「北西の丘」に立ち寄って、今日登った十勝岳連山を眺めた。さらに、ホテルに到着後はホテルから夕暮れのすばらしい十勝岳連山の展望がおまけでついてきて感激した。

望岳台を出発

富良野岳 望岳台より

振返ると広大な牧場が目に入る

シラタマノキ

十勝岳避難小屋

富良野岳 斜面はハイマツが枯れたのか?

避難小屋から30分で足元が溶岩に変わり雲煙が近づく

スリバチ火口付近にて

鋸岳 スリバチ火口から

十勝岳 スリバチ火口から

十勝岳 山頂

十勝岳 山頂の三角点モニュメント

グラウンド火口とスリバチ火口 山頂より

上ホロカメットク山・安政火口方面 山頂より

鋸岳・美瑛岳方面 山頂より

下山開始

前十勝・噴煙を上げる62U噴火口

十勝岳のピークから尾根に降りる

十勝岳尾根にて

ある風景

ある風景

火山灰地帯を下る

ある風景

美瑛岳とスリバチ火口

昭和噴火口から下る

望岳台まで延々と下りが続く

望岳台

望岳台に到着 無事全員下山

   オプタテシケ山    美瑛富士         美瑛岳                 十勝岳  
ホテルオリカより眺める十勝の山
第4日目 北の国からに続く

コース  
9/17:ロープウエイ旭岳駅=(13:40)=ホテルパークヒルズ(13:45/13:50)=<レンタカー>=
   望岳台(15:30/15:55)=吹上露天の湯(16:05/16:12)=十勝岳温泉(16:24/17:00)=
   白金温泉(17:10) (泊)  
9/18:ホテル(7:50)=<レンタカー>=望岳台登山口(7:55/8:00)〜雲ノ平分岐1260m(9:00)〜
   避難小屋(9:09)〜昭和噴火口1720m(10:19)〜ピークへの取付1830m(10:45)〜
   尾根道(11:11)〜十勝岳(11:32/12:00)〜ピークへの取付(12:47)〜昭和噴火口(13:08)
   〜避難小屋(14:05/14:10)〜雲ノ平分岐(14:18)〜望岳台登山口(15:08/15:20)
   =<レンタカー>=北西の丘(15:55)=ホテル(16:35) (泊) 

宿 泊  ホテルオリカ  TEL:0167-44-3000
地 図  白金温泉南西
天 候  晴れ 
参加者 6名 (1名 体調を崩し美瑛・富良野観光) 
実施日 2004.09.18