トムラウシ山山頂にて |
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友歩会 北海道例会 | |
トムラウシ山 標高2141.0m | |
友歩会夏の特別例会今年のメインだ。トムラウシ山は大雪山系の中央部に位置しスケールの大きな山だ。トムラウシ温泉短縮登山口から標準で登り6時間30分、下り4時間30分往復正味11時間の長丁場だ。休憩食事時間、お花畑の鑑賞時間などそして我がパーティーの能力など考えれば14、5時間の行程になる。 東大雪荘を3時に出発。空は曇っていたが星も見られる。何とか良い天気であってほしいと祈った。車で短縮登山口に3時30分到着しいよいよトムラウシ山に挑戦だ。昨日見ていた登山口から歩き始める。10分ほど歩いたところで雨が降り始めた。一応ここで雨の装備に切り替える。登山口から約20分でトムラウシ温泉からの登山道に合流する。まだまだ真っ暗でヘッドランプの明かりを頼りに歩く。やがて夜明けが近く空が白み始めた5時カムイ天上に到着。ほぼ計画通りで朝食をとる。雨は時々霧雨になる程度で大した雨ではない。程なく旧道立入禁止の標識があり、2003年開通の新ルートを登る。笹の刈り払いしたほぼ尾根道で少し歩きにくい。大きく尾根道を巻いて沢へと急勾配を約100m下る。沢に出ると旧道の分岐になりロープが張ってあり立入禁止の標識があった。しばらく右岸を登るとコマドリ沢分岐に着きここから左岸を登る。一休み雨も大丈夫だ。左岸への登り口の沢は普通の石ころの道で何の変哲もないが下山時驚くことになる。左側に雪渓、左右にお花畑を楽しみながら登る。やがて急登になり右手はゴロゴロ岩の斜面になる。ナキウサギがあちこちで鳴いているが姿は確認できない。かなり登ったところでゴロゴロ斜面を横切る。岩を飛び移って先に進み、少し上がると前トム平らしいが標識もなくガスの中なのではっきりしない。ゴロゴロ岩場やハイマツの道を通りすぎるとトムラウシ公園辺りに着く。雨も降り始めた。この辺りからのトムラウシ山、石狩連山、東大雪のすばらしい展望を期待していた。残念ながらグレーのカーテンが引かれていてすばらしい舞台は見ることができなかった。登山道も分かり難くなってきた。雨も暴風雨になり頼りはGPSになった。さすがGPSは安堵を与えてくれる。トムラウシ分岐手前の登山道脇のキャンプ地にテントが張ってあったが集中豪雨のなかどこへ行ったのだろうか。それとも登山道整備の機材にかぶせてあるようでテントがつぶれているようには見えなかった。10時58分、ほぼ予定通りトムラウシ山に登頂。断続的に降る集中豪雨の合い間に登頂できてラッキーだった。トムラウシ山は標高2141.0mで一等三角点になっている。昼食を済ませ後続パーティーに山頂を明け渡し下山始めるや待ってましたとばかりの暴風雨になった。 この集中豪雨(暴風雨)は今まで経験したことがない凄さで面食らうばかりだった。カメラは湿度で動作しなくなり、記録写真は皆さんの協力で何とか集まった。集中豪雨の合い間に雪渓や緑の山並みの一部が垣間見れたが晴れていたらどんなにかすばらしいだろう。雨の中黙々と下る。やがてコマドリ沢分岐に着くと大変なことになっているではないか。登ってきた沢は轟々と川になっていて、登りの時と全く違う光景だ。浅瀬を見つけてなんとか右岸に渡る。このコマドリ沢で集中豪雨に遭い鉄砲水で男性がなくなっている。自然の厳しさを対比して見極めることができた。ほぼ予定に時間で下山できている。旧道分岐から新道の尾根まで今度は100mの急登だ。川になった泥んこの急登を無言で登る。集中豪雨に加え雷がなり始めた。これはやばいことになってきた。新道の尾根道は避難場所もなくただ運を天に祈るしかなかった。ずぶ濡れになっても雷さまは来ないようにと。登山道は川と化し、濁流の道を黙々と下った。行くときには想像もつかない道になっていた。やっとの思いで登山口に無事下山。ほっとした一時だ。予定より20分遅れで17時10分の下山だ。 今日一日緊張の連続だったが無事トムラウシ山に登頂できよかったと思う。今度は晴れた日にダイナミックな景観を楽しみたいものだ。トムラウシ温泉東大雪荘に戻り疲れを癒した。今日は本当にお疲れ様でした。 (雑感) 行くか戻るか、断続的な集中豪雨・暴風雨の度ごとに悩む。あと20分で登頂だが引き返すか否かが最後の判断。結果、行って良かったと思った。凄い環境の中登頂できたと皆が自負でき喜びが感じられた。もしここで引き返していたら挫折感とずぶ濡れで低体温症になり歩行困難者が出たかもしれなかった。活躍したGPS。トムラウシ公園付近は岩がゴロゴロしていて登山道を見失いがちになるがGPSで一安心。コマドリ沢は濁流。使用には至らなかったが細引きやスリングの装備があり安心感があった。ただし、雷様にはなんら手を打つことができなく、ただ祈るしかなかった。 緊急時の通信に無線機を装備。最小限ではあるが安心して行動ができたと思う。万全を期すと言うことだろう。標識の少ないトムラウシ。地元の8人組パーティーと出会って標識が少なすぎると話したら 「大雪山系にはそんな人には来てもらわなくていいんだ」と言われた。自然保護からはそうだろうが余りにも少ない。北アルプスは過剰とも思えるが、ガスに襲われるとそのくらいあっても丁度だろう。 自然も大事だが人命はもっと大事ではなかろうか。遭難事故も増加している中、標識の整備をするべきだろう。 (報道記事より8月10日) 8月2日から単独行の埼玉県男性70歳、9日ユウトムラウシ林道で釣り人に発見され7日ぶりに無事が確認された。5日南沼キャンプ地の無人テント内にあった所持品から行方不明になっていることが判明した。6日から20〜40人体制捜索活動が行われ新得署、道警山岳救助隊、道警航空隊、自衛隊が出動した。男性は2日午後7時ごろキャンプ地に到着、3日午前2時出発、トムラウシ山頂へ4時30分到着。同日下山予定だったが濃霧のため方向を見失いキャンプ地に戻れなくなったとのこと。それにしてもキャンプ地から山頂まで標準で20分、ゆっくり歩いても1時間で十分がなぜ2時間30分もかかったのか。初日も午後7時にキャンプ地に到着しているがいったいいつ登り始めて何時間かかったのだろうか。何はともあれ無事が確認されなによりだが無謀の一言に尽きるだろう。 |
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トムラウシ温泉分岐 |
カムイ天上 |
カムイ天上で朝食 |
コマドリ沢分岐にて |
コマドリ沢分岐にて |
コマドリ沢分岐にて |
コマドリ沢分岐(帰路は川になって通行できず) |
雪渓を見ながら上がる |
コマクサ |
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トムラウシ山山頂にて |
トムラウシ山山頂にて |
トムラウシ山山頂にて |
トムラウシ山山頂にて |
トムラウシ山山頂にて |
トムラウシ山 一等三角点 |
トムラウシ山山頂 |
トムラウシ山登山口に帰還 |
写真提供 参加者の皆さんから多くの写真を提供頂いています。 | |
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コース 天 候 出発時曇りのち霧雨その後雨、下山時雷に集中豪雨 |