紅葉を楽しみながら滝谷峠に向かう
MRC 紅葉登山
魚 谷 山 標高816.2m
  
 MRC主催の紅葉登山、直谷から魚谷山に参加した。以前鴨川の源流をを訪ねる「祖父谷と魚谷歩き」のとき行けなかった魚谷山に行ける事を楽しみした。出町柳から京都バスので出合橋まで小型の定期バスで行く。山幸橋を過ぎると道幅が狭くなり小型バスでもギリギリだ。ダンプカーなどと対向するときは双方運転手の腕の見せ所だ。出合橋で下車し、組合センターの広場で登山準備、体操して出発。松尾谷出合までは広い林道で所々紅葉があり歓迎してくれているようだ。出合で小休止し、林道を右手に道をとって直谷に向かう。出合から30分ほどで直谷山荘を通過する。山荘は荒廃していて使えない状態になっている。ここから15分ほどで麗杉荘(れいざんそう)に着く。麗杉荘は京都北山で最も古い山小屋だそうで現在も使用しているようだ。ここで小休止して10分ほど歩くと滝谷峠とこれから向かう柳谷峠の分岐に着く。左方向に丸太の橋を渡り細ヶ谷の左岸をしばらく上がる。右岸左岸となんども渡渉し、上流に向かうがなかなか景色も良く楽しい沢登りだ。分岐から20分ほどで滝谷峠分岐に着く。沢を渡って数分で「北山の小舎発祥の地」の案内板がある。その案内板には興味あることが書かれていた。
 『1927(昭和2)年、西堀栄三郎氏らがこの地に山小舎を建設。京都一中山岳部が管理を引き継ぐ。1942年(昭和17年)7月、老朽のため解体。同年9月、いまの「北山荘」が完成した。旧山小舎は幾多の人材を輩出した。また、「雪山賛歌」に歌われている「煙い小舎」とはこの小舎のことである。2006年6月 北山の会』
 古い山渓の「カラー・山のうた(発行昭和42年)」の本を思い出した。その中に西堀栄三郎の随想「雪山賛歌誕生のころ」を読み直してみた。当時、京大山岳部に部歌がなかった。英語教師が英会話に時間によく歌わせた「クレメンタイン」に詩をつけたそうだ。一番の「雪よ、岩よ、我らが宿り、俺たちゃ町には住めないからに」は西堀氏がつけ、みんなで次々に歌詞ができていったそうだ。著作権料でヒマラヤ遠征の強力な財源になったとか。
 数分で今西錦司レリーフに着く。今西錦司博士は生態学者、人類学者で京大名誉教授。登山家、探検家だったそうだ。小休止して記念撮影した。すぐ先に北山荘が樹林の中に見えていた。しばらく登ると快適な沢歩きから一転して細く厳しくなってくる。レリーフから25分で柳谷峠に到着。峠といっても広々している。小休止の後、最後の登りにかかる。とはいってもそんなに厳しくはなく最後の少しだけが急登なだけだ。
 魚谷山山頂に到着。日だまりの中で楽しい昼食をいただく。ぽかぽか小春日和だ。魚谷山は
「万之丞山」山の所有者の名前「万ノ丞」から付いた山名もある。また読み方は「うおだにやま」「うおたにやま」最近は「いおだにやま」「いおたにやま」と呼ぶ人が多いとのことだ。蛇足だが「直谷」も「すぎたに」「すぐたに」と呼ばれている。とかく地名は難しいものだ。魚谷山は標高816.2mで三等三角点がおかれている。大きな松ノ木が山頂にあり、雑木が茂っているが山頂は明るく広い。しかし展望は望めない。下山はレリーフの下の分岐まで往路を下った。山頂付近は清々しい雰囲気、柳谷峠を下るとかなり緊張が強いられる下りになる。やがてレリーフ近くになるとゆったりした沢になる。滝谷峠分岐から左手の山に登って、沢に下りる。ここで道が怪しくなる。直進すると堰堤があるとのこと、左の頭上に道がありそうだ。きれいな道がついていて、ホッとしながら先へ進む。紅葉もきれいだ、喜びもつかの間道が消滅、谷筋に下る。ここからかなり厳しい坂を登りきると滝谷峠に到着した。直谷の柳谷峠への分岐からこの滝谷峠への道はあまり踏まれていないらしく。道が消えかかっているようだ。
 滝谷峠で一息ついた。後はニノ瀬まで一本道だ。しばらく行くと左手の木々の間から天ヶ岳、焼杉山、水井山、比叡山など展望できる。遠くの蓬莱山は薄っすらと雪化粧していた。ニノ瀬ユリの尾根コースをとるが今回初めてだ。いつもは下の広い道を行き来していたが尾根道も面白い。夜泣峠への分岐で小休止して、夜泣峠へのコースは取らず、ニノ瀬駅への直行コースを下る。道はガラ場道で歩き難く暗く長い下りだ。やっと叡山電車の踏み切りに出ると開けてホッとする。貴船川の橋のところで大銀杏をバックに写真を撮りここで一応解散。ニノ瀬駅から案の定、紅葉狩りのお客で万人の叡山電車に押しつぶされながら出町柳の戻った。楽しい山旅をエスコートしていただいたリーダーに感謝します。ありがとうございました。

 
中津川沿いの紅葉                        松尾谷出合で小休止 
 
直谷山荘に到着                         朽ちた直谷山荘 
 
直谷林道を行く                          直谷の紅葉 
 
直谷の紅葉                            麗杉荘に到着 
 
麗杉荘(れいざんそう)                     柳谷峠への分岐 
 
細ヶ谷の沢を登る                        渡渉が続く 
 
細ヶ谷の沢を登る                         細ヶ谷の沢を登る 滝谷峠分岐辺り 
 
「北山の小舎」発祥の地                    細ヶ谷の沢を登る 
  
今西錦司レリーフ                        今西錦司レリーフ 
 
今西錦司レリーフ前にて                    細ヶ谷の沢を登る 
 
右奥林の中に北山荘が見える                 柳谷峠はもうすぐだ 
 
柳谷峠                               魚谷山へ最後の登り 
 
魚谷山山頂で昼食                       魚谷山山頂にて 
 
魚谷山山頂                             魚谷山 三等三角点 
 
魚谷山から往路を下山                      細ヶ谷の沢を下る 
 
細ヶ谷の沢を下る                         滝谷峠へ 
 
滝谷峠への最後の登り                     滝谷峠 
 
天ヶ岳方面の展望                        焼杉山方面の展望 
 
天ヶ岳・焼杉山・水井山・・・貴船の尾根道より 
 
紅葉と遠く(左上)積雪の蓬莱山               二ノ瀬ユリ 夜泣峠への分岐に到着 
コース  
  出町柳駅前(8:30)=[京都バス]=出合橋BS(9:16)
  出合橋BS(9:18/準備・体操/9:35)〜松尾谷出合(10:03/10:15)〜直谷山荘(10:44)〜
  麗杉荘(10:58/11:05)〜柳谷峠分岐(11:17)〜滝谷峠分岐(11:36)〜
  北山の小舎発祥の地(11:38)〜今西錦司レリーフ(11:40/11:50)〜柳谷峠(12:14/12:19)〜
  魚谷山(12:27/昼食/13:03)〜柳谷峠(13:08)〜今西錦司レリーフ(13:25)〜
  滝谷峠分岐(13:29)〜滝谷峠(14:04/14:18)〜尾根コース分岐〜夜泣峠分岐(15:25/15:35)〜
  二ノ瀬駅(16:11)=[叡山電車]=出町柳(17:00)

地 図  周山 大原 
天 候  晴れ 
参加者 20名 
実施日 2007.11.24