鹿島槍ヶ岳 山頂にて
友歩会 アルプス例会
鹿島槍ヶ岳 (標高2889.1m)
八峰キレット〜北峰〜鹿島槍ヶ岳〜布引山〜冷池山荘
 
 キレット小屋11時30分出発。梯子を登り小屋から見えていた岩を登り、岩を巻くと15分ほどで八峰キレットに着く。鎖を頼って回り込むとキレットで標高は2518mだそうだ。ここからの眺めは抜群で、そんな事を言ってる場合かといわれるが、キレットの岩間に剱岳が神様のように鎮座して見える。素晴らしい眺めだ。早く通過しろ。分かったハシゴを下り、岩を今度は逆に巻くようにして通過する。
ここから鹿島槍吊尾根まで急登の連続が続く。少し疲労を感じながらゆっくり一歩一歩登った。五竜岳からキレットまでの危険度と違い注意して歩けばなんら問題はない。

 頭の上に鹿島槍ヶ岳北峰が見えているがなかなか近寄らない。山はかなり大きいのだろう。高度を上げるにしたがって主峰の南峰も見えてきた。後を振り返ると五竜岳からここまで歩んできた尾根が延々と続いている。切立った信州側はガスが上げており尾根の半分はガスで隠れている。キレット小屋から1時間半で吊尾根の分岐に到着した。

 五竜岳で見た槍ヶ岳が鹿島槍ヶ岳から見るとどんなだろうと興味がありガすが出ないうちにと思っていたがガスも出てきたようだ。分岐から空荷で鹿島槍ヶ岳北峰標高2842mに登った。山頂からは主峰の南峰は山名の如く尖っている。吊尾根の分岐辺りには雪渓が残っていて北峰から見ると南峰とマッチして美しい。

 北峰で写真を撮ったり大パノラマを楽しんだ後、分岐に下山した。この時落石の音を聞いて北峰ですれ違ったパーティーが巻き込まれた感じで心配しながら吊尾根を南方に向かって進んだ。槍の如く益々急登の吊尾根になってきた。ガラ場道は落石しないよう細心の注意をしながら登る。落石現場付近に到着、実は上方の吊尾根から男性が滑落100mほど落ちていた。緊張がますます増してきた。少しメンバーの動きが緊張の糸が張詰めた感じだ。

 なんとか勇気付けて吊尾根をクリヤーし、鹿島槍ヶ岳南峰に立つ。鹿島槍ヶ岳南峰は、標高2889.1mで二等三角点になっている。山頂は槍の穂先とは思えないほど広く大パノラマといいたいがガスで遠くは見えなかった。待望の槍ヶ岳もやはり見えなかった。山頂では事故の様子などが話題になり、救難ヘリコプターなど見ていて登頂の感激が心から味わえなかった。

剱岳 キレット小屋より

八峰キレットに突入 緊張で岩にへばり付いている

八峰キレットと剱岳

八峰キレット 逆Sの字に岩を伝わって通過する

五竜岳

剱岳

五竜岳

鹿島槍ヶ岳北峰

鹿島槍ヶ岳北峰と鹿島槍ヶ岳南峰(右)

五竜岳から歩みのあと

鹿島槍ヶ岳北峰

鹿島槍ヶ岳北峰

鹿島槍ヶ岳南峰と吊尾根

五竜岳

鹿島槍ヶ岳南峰と吊尾根

鹿島槍ヶ岳南峰(主峰) 北峰より

鹿島槍ヶ岳南峰(主峰) 北峰より

鹿島槍ヶ岳北峰 山頂にて

鹿島槍ヶ岳北峰 山頂にて

五竜岳 鹿島槍ヶ岳北峰より

吊尾根分岐

鹿島槍ヶ岳南峰(主峰) 北峰より

鹿島槍ヶ岳北峰 南峰より

五竜岳 鹿島槍ヶ岳より

鹿島槍ヶ岳 山頂にて

鹿島槍ヶ岳 山頂

鹿島槍ヶ岳 二等三角点

布引山・爺ヶ岳・蓮華岳

救難ヘリコプター
 鹿島槍ヶ岳で20分ほど過ごして布引山に向かった。尾根の半分がガスの光景を見ながらゆっくり下った。ゆっくりと言うよりもうすでに今日は9時間半も歩いていて疲労が蓄積してきたためだ。ここも同じようなピークを繰り返し、40分ほど下って尾根を少し上がると小ピークに着く。ここが布引山だ。

 布引山は標高2683mで鹿島槍ヶ岳の展望台のようだ。残念ながらガスで北峰は見えなかった。布引山を後に約1時間、足を引きずりながら冷池山荘に到着した。途中明日登る爺ヶ岳が見え隠れしていた。朝からの天気は次第に曇りがちになり明日の天気が少し気がかりだ。今日の疲れと全行程クリヤーの安堵からか夜半から夜明まで猛烈な騒音発生で安眠できなかった。

布引山 鹿島槍下り道より

布引山山頂にて

鹿島槍ヶ岳(南峰) 布引山より

爺ヶ岳 もうすぐ冷池山荘だ

冷池山荘と爺ヶ岳

爺ヶ岳 冷池山荘より
(滑落事故)
 鹿島槍ヶ岳北峰に登頂して肩の分岐に下った時だった。南峰山頂付近で落石の音が聞こえ同時に女性の多くの悲鳴が聞こえてきた。北峰で行き交った20名ほどのパーティーがちょうどその辺りを通過していたので心配した。リーダーが隊列を整えて動き出したので一安心した。急斜面のガラ場に近づくと滑った跡があり、異様な状態になっていた。男性が稜線からパーティーの目の前を滑落していったとの事だった。山頂に着いて聞いてみると男性72歳、女性70歳の山仲間(お友達)で山頂から下ってきて少し下がった吊尾根に数歩足を運んだとき、足元が滑りバランスが崩れて真っ逆さまに100mほど滑落したとの事だった。先程のパーティーのリーダーが山岳ガイドで、本隊をサブリーダーに委ね現場に下った。即死だったという。その後ヘリコプターが数度来て引き上げていったということだ。
 この事故を目の当たりにして、リーダーの要件あるいは自称ベテランたる人は、他山の石としたいものだ。年を重ねるとバランス感覚がくずれ、リュックの重みで不平衡が加速される。過去に登った山登りの経験から自負心がある。など事故の原因になるのではなかろうか。滑落した方はどういう行動をされたか定かではないが、登山に限らず油断してはならない、自然は過酷なものである。
 皆さん心して行動しましょう。
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コース
  五竜山荘(5:05)〜五竜岳(6:10/6:35)〜北尾根の頭(8:50/9:00)〜口ノ沢のコル(9:23/9:25)〜
  キレット小屋(10:50/11:30)〜北峰分岐(12:55/13:00)〜北峰(13:08/13:15)〜
  北峰分岐(13:23/13:30)〜鹿島鑓ヶ岳南峰(14:05/14:25)〜布引山(15:12/15:25)
  冷池山荘(16:30)

天 候  快晴のち晴れのち曇り 
参加者 4名 
実施日 2008.08.02-08.04