高見山山頂・高角神社
松愛かたの山歩会 三角点探訪 
無氷登山  高 見 山 標高1248.3m
 
 2月13日、松愛会かたの山歩会から高見山の霧氷登山のお誘いがあり参加した。ここ数日気温が上がり冬の寒さは何処へ行ったのだろうか。温暖化の影響かも知れない、オーストラリアの山火事で東京都の2倍ほどが焼失し200人ほどの死者が出たとのニュースが大きく報じられている。

 JR河内磐船駅前を7時過ぎの出発、名阪国道を走り、針テラスで休憩し、高見登山口へと向かった。新木津(こづ)トンネルを抜けると、正面に高見山がそびえている。ここから見る高見山は急峻で、関西のマッタンホルンと呼ばれているのもこの辺りからの眺めらしい。

 杉谷の高見登山口バス停に到着。登山準備をしていよいよ出発だ。民家の横を登り始めると、旧伊勢南街道の説明板があり、紀州街道とも言われ、紀州、大和、伊勢を結ぶ要の街道だったという。20分ほど歩くと汗が噴き出してきて、衣服調整、春の陽気になったようで、かなり気温が高い。この辺りはかなり平坦地で、古市といいその昔、米塩魚の市が立ったという。

 雲母曲辺りは少し急坂の道になり、疲れてきたところを一頑張りすると、小峠に到着する。暖かなためかなり汗をかいたが、これからしばらくも急登で汗をするだろう。となると山頂辺りの空っ風が予測されるので、寒さに震えそうな予感がする。小峠の説明板に二首の歌が紹介されている。一つは石上大臣、もう一つは本居宣長で石上大臣の歌碑は山頂の高角神社の前に、本居宣長の歌碑は今日は通らない大峠にあるそうで歌は、「白雪に峯はかくれて高見山 みえぬもみちの色そゆかしき」で高見山を越えたときに詠んだという。大峠といえば、相撲の高見山関が寄進した鳥居を思い起こす。

 小峠の鳥居をくぐり、しばらく急登のジグザグ道を行く。先頭は多少苦戦しているようだ。ジグザグ道をほぼ登りきると、乳岩の説明板がある。どこが乳かわかりにくいがどうも乳の谷間にいるようだ。すぐ横が杉谷平野分岐だ。下山時はここから平野に降りる予定だ。高見山へ直進、ゆるやかな登りから始まりだんだん厳しくなってくる。国見岩辺りまで登ると、足元に雪が残っていて滑りだした。息子岩辺りの風の当らない雪の積もった斜面で昼食にした。案の定、風がきつく木々に叩き付けているようだあった。これに水分があれば有名な霧氷の海老の尻尾ができるのだろう。

 霧氷はないが突風と足元の残雪に抵抗を感じながら山頂を目指して登った。食後20分ほど急坂を登ると揺岩を通過、さらに15分ほどで笛吹岩に着く。ここから台高山脈明神岳方向が正面に展望できる。高見山の開祖聖人がここで笛を吹けば、両谷より雄雌の大蛇が駆け上がり笛の音を陶然として聞き入れたという。

 霧氷が素晴らしい山頂付近を、残念ながら黙々と歩く。海老の尻尾が美しいのだが今日は、その変形した木々のみだ。山頂付近の強風で木々は一方向に曲がり、それに耐えて頑張っている。

 山頂に到着、高見山は標高1248.3mで二等三角点になっていて、三角点は高角神社の裏側のにあ、360度の大パノラマが楽しめる。山頂には高角神社(たかすみじんじゃ)がお祀りしてあり、万葉歌碑も立っている。かつて高角山(たかつのやま)と呼ばれ、八咫烏(やたがらす)が祀られているそうだ。万葉歌碑は、石上大臣の歌で「吾妹子を いざ見の山を 高みかも 大和の見えぬ 国遠みかも」が刻まれている。「あまり高見山が高いので、我妻のいる大和の国は見えないよ」という歌だろうか。

 山頂下に避難小屋があり、その屋上が展望台になっている。20数名展望台に乗るとまるでノアの箱舟のようだ。大パノラマは、鎧岳、兜岳、曽爾高原、台高山脈、大峰山脈などを展望した。霧氷がないので欲張って富士山でも見ようかと、やはり見えなかった。

 下山にかかる、ブナ林の美しい霧氷を想像しながら、急坂を滑りそうになりながら下る。杉谷平野分岐から、平野に下る。急坂を下りしばらく行くと樹齢700年の高見杉がある。700年前に木こりが、一本切り忘れたのが現在の高見杉になったなどと、冗談言いながら古木を眺めた。

 平野登山口の赤い橋を渡り、川沿いにたかすみ温泉に行った。温泉につかってゆったりし、隣の天好園で山賊鍋とビールでほっこりし、帰途に着いた。

 かたの山歩会の皆さん、お誘いいただきありがとうございました。無氷登山になりましたが、またそれなりに楽しいひと時を過ごさせていただきました。リーダー、世話役の皆さんありがとうございました。

高見山 新木津トンネル抜けて直ぐ

高見登山口バス停

高見登山口を出発

旧伊勢南街道

撞木松

雲ヶ瀬山 古市辺りより

古市がたったという平地

雲母曲の少し手前

小峠に到着

小峠を出発く

小峠からの急登 ジグザグ道を登る

小峠からの急登 ジグザグ道を登る

杉谷平野分岐をすぎるとしばらくゆるやかだ

国見岩へ

息子岩への登り

息子岩で昼食

息子岩を出発

笛吹岩

台高山脈 明神岳方向を望む 笛吹岩より

高見山山頂近く

三峰山(中央奥) 高見山より

高見山 山頂にて

高見山 山頂にて

高見山山頂 三角点

高見山 二等三角点(標高1248.3m)

万葉歌碑 石上大臣
吾妹子を去来見の山を高みかも
大和の見えぬ国遠みかも

山頂展望台 まるでノアの箱舟だ



下山開始

霧氷! 海老の尻尾の最も美しいところ!!!

高見杉

平野登山口に下山

たかすみ温泉

天好園
 

コース
  交野・JR河内磐船駅前(7:15)=[バス]=針IC・針テラス(8:30/8:45)=
  高見登山口BS(9:40/10:07)〜小峠(10:56/11:03)〜杉谷平野分岐(11:26)〜
  息子岩(11:49/昼食/12:14)〜高見山(12:45/13:11)〜杉谷平野分岐(13:52)〜
  高見杉(14:13/14:20)〜平野登山口(14:53)〜
  たかすみ温泉(14:57/入浴・歓談/16:43)=[バス]=針テラス(17:30/17:45)=
  交野・JR河内磐船駅前(19:30)

天 候  曇り時々晴れ 山頂付近強風
参加者 22名
実施日 2009.02.13