|
||
三角点探訪 | ||
大普賢岳 標高1779.9m 七曜岳 標高1584m 行者還岳 標高1546.2m 弥 山 標高1895m 八経ヶ岳 標高1914.6m |
||
和佐又ヒュッテ(泊)〜笙ノ窟〜大普賢岳〜国見岳〜七曜岳〜行者還岳〜 天川辻〜弁天の森〜弥山小屋(泊)〜弥山〜八経ヶ岳〜栃尾辻〜天川温泉 |
||
5月4日から6日の予定で、大普賢岳から行者還岳、弥山を経て八経ヶ岳に登った。初日は登山口の和佐又ヒュッテまでの移動だ。阿部野橋を15時過ぎに出発して、大和上市からタクシーで和佐又ヒュッテに17時半に到着した。天候は思わしくないようだ。ヒュッテの少し上から大台ケ原を眺めてみたが山頂付近は雲におおわれていた。ヒュッテ前はテントの花盛りで多くのキャンパーがそれぞれ楽しんでいた。ヒュッテの宿泊客は少しで静かな山小屋といったところだ。夜半から雨が降り始めだんだん厳しくなり、一晩降り続いた。明日は雨の中の出発になりそうだ。 | ||
和佐又山 |
和佐又ヒュッテ |
|
大普賢岳 登山口 |
大台ケ原 和佐又ヒュッテより |
|
5月5日、雨だれの音が雨を誇張しているようで外に出るのはためらいそうになる。5時過ぎに朝食を済ませ、和佐又ヒュッテを5時50分出発。ヒュッテの中で聞く雨音ほどの降りではないので少し気を取り直して歩き始めた。和佐又のコルまで黙々と歩く。コルからしばらく日本岳への尾根を登って行くとやがて日本岳の南絶壁をを巻くように進む。足元を見ても、上を見上げても絶壁だ。足元に気をつけながら絶壁に細い道を歩くと修行の場、シダノ窟を通過する。続いて朝日窟、そして笙ノ窟に着く。この先鷹ノ窟があるがこの笙ノ窟が一番大きな自然岩窟だ。ここで休憩をとった。 鷹ノ窟を過ぎると、急登の岩場になり、鉄階段などもありかなり厳しい。登り切ると日本岳(文殊岳)の尾根に出る。ここから岩場、ハシゴをひと登りすると石ノ鼻に着く。残念ながら何も見えないのでパスして先に進む。前回ここからの展望が素晴らしく、日本岳、大台ケ原、大峰山系が展望できたのに残念だ。 ここからさらに急登になり、小普賢岳の北側を巻いて大普賢岳の鞍部に出る。シャクナゲがこの急登を和ましてくれると思ったが、時期が少し早かったようだ。大普賢岳の鞍部は安堵できるような場で岩もハシゴも見えなく厳しさから開放された空間だ。しかしここから鉄ハシゴや階段が連続し、標高差約200mは危険が一杯だ。足元がすくむ感じのところもあり、スリル満天だ。振り返ると目の前にガスのかかった小普賢岳が木々の間から見える。登り切ると大普賢岳の北肩になり、大峰奥掛道に合流する。ゆるやかな尾根を登ればそこは大普賢岳の山頂だ。 大普賢岳は標高は1779.9mで三等三角点になっている。大峰の山々が雲間に少し見えるが残念ながら好展望は望めなかった。一休みして七曜岳へ大峰奥掛道を進んだ。 大普賢岳から10分ほど下ると水太覗を通過する。天候がよければ素晴らしい展望が得られるのだが、緞帳が下がったままだ。前回の景色を想像するしかない。左上に大普賢岳、眼下に和佐又山、その先に大台ケ原、右には大峰の山系が続く景色のは又いつかの機会にとっておこう。 |
||
雨の中和佐又ヒュッテを出発 |
和佐又のコル |
|
日本岳を巻く |
笙ノ窟 |
|
石ノ鼻へ登る |
石ノ鼻 天気が良ければビューポイントだ |
|
バックに小普賢岳がガスの中 |
大普賢岳 山頂にて |
|
大普賢岳 山頂 |
大普賢岳 三等三角点(標高1779.9m) |
|
大普賢岳より東の展望 |
弥勒ヶ岳辺りを行く |
|
相変わらず小雨が降り続いていて、周りは何も見えない、ただ霧に包まれた幻想的な景色が少し心和ませてくれる。弥勒岳はいつのまにか過ぎてしまって、一転して尾根を巻くように急降下する。サツマコロビというそうだ。なんでも薩摩の行者が転んで落ちた事からその名が付いたとか。国見岳から屏風横駆、稚児泊へ少し厳しい岩場を通り過ぎる。稚児泊は苔むした平地で寛げるところだ。ここで小休止にした。 尾根を登って行くと窪地がでてくる。七つ池で一番大きな窪地が「鬼ノ釜」というそうだ。池の底に残雪があったが、これらの池ができた話は残念ながら忘れてしまった。鎖場を登り、チョッとスリルのある橋を渡り、大きな岩を攀じ登ると七曜岳山頂に立つ。 七曜岳は標高1584mで、大きな大きな岩の塊が山頂だ。晴れていれば素晴らしい展望だが今日はだめだ。南に八経ヶ岳、北には大普賢岳、小普賢岳、日本岳と美しいのだが残念だ。 七曜岳から急斜面を下ると尾根道になり、無双洞、和佐又への分岐だ。前回はここから下山したが今回は八経ヶ岳までの大峰奥駈道の縦走だ。したがってここから先は歩くのも見るのも初めてだ。 |
||
国見岳 屏風横駆 |
稚児泊 |
|
七ツ池 |
七曜岳への登り |
|
七曜岳へアタック |
七曜岳にて |
|
七曜岳 |
ヒメイチゲ |
|
和佐又分岐から尾根道を約30分下り、登り返すとP1485になる。ゆったりとした尾根道でバイケイソウが一面埋め尽くしていて、開花すると美しいだろう。ヒメイチゲも可愛く咲いていた。写真はうまく撮れなかったのが残念だ。一旦下り登り返すと奥駈道分岐の道標があり、直進する。登り切るとそこは行者還岳の山頂だ。 行者還岳は、標高1546.2mで三等三角点になっている。山頂からの展望はあるのかもしれないが今日はだめだ。山頂の奥、南側が切立っていて行場になっているそうだ。行者還岳という山名は、行者が厳しい行のため還ってこれないくらい厳しいところからその名が付いたとか。山頂を後に分岐まで戻り、奥駈道を下る。かなりきつい下りを慎重に下ると行者還避難小屋に到着した。数名の登山者が休憩していて、我々もここで昼食にした。 雨脚が少し強くなってきたが、ピークを二つほど越えて、行者還トンネルの上を通り過ぎ、登り返して一ノ垰に到着した。壊れそうな小屋でしばらく休憩雨宿りをした。行者還トンネル東口からの合流点だ。この地点の標識によれば、大普賢岳まで4時間50分、弥山まで2時間15分の位置に来たことになる。ゆるやかな尾根道を30分ほど行くと行者還トンネル西口からの道と合流する。ここから少し急な登りを20分ほど頑張ると弁天ノ森に到着する。 弁天ノ森は標高1600.1mで、三等三角点になっている。ここで小休止、展望は少しはありそうだが今日はだめだ。弁天ノ森をしばらく下ると、右手に稲村ヶ岳が、さらに少し下ると正面に弥山と八経ヶ岳が見えてきた。鞍部まで下って少し登り返すと聖宝ノ宿に着く。理源大師銅像がお祀りしてあった。 ここからが聖宝八丁といわれかなり厳しい登りが標高差約300m続く。木製階段が天まで続いているような感じで、どっと疲れが襲ってくる。途中で小休止をとり体力を整えて雨の中踏ん張った。 弥山小屋に到着。リュックを下ろしてゆっくりしたいがそうもいきそうにない。建物は立派で挨拶も立派なんだが少し何かが違う。小屋の主に気を遣いながらリュックを下ろし、雨具を脱いで、上にあがる。濡れたのもはよく絞って乾燥室へ入れる。リュックは小屋の脇置かせてもらった。 汗と雨で濡れたため寒さが襲ってきた。小屋の宿泊者は10数名なので室温は全く上がらない。ガタガタ震えながら夕食を待つ。夕食は精進料理まがいで料金の割にはあまりにも質素だ。何はともあれ寒いのがおさまらない。布団に潜って寝るしかないようだ。宿泊者のブーイングも小屋主には届かず仕舞いだ。ストーブもなく乾燥室は実は乾燥機ではなく除湿器が置かれていただけで乾く気配は全くない。 背に腹は代えられないので濡れたシャツを着て布団にもぐりこむ。3時間ほどたつと温まってきたのか目が覚めた。乾燥室に行ってみたが吊り下げたときと同じで全く乾いていない。しかたなくそれを着込んで又布団に潜り寒さを堪えながら眠った。目が覚めると衣服も布団も暖かくなっていた。 雨は益々強くなってきたようだ。 |
||
行者還岳 山頂にて |
行者還岳 三等三角点(標高1546.2m) |
|
行者還避難小屋 |
バイケイソウの道を行く |
|
靄の中のツツジが心ほのかに |
変形した木々 |
|
一ノ垰 |
行者還トンネル西口分岐 |
|
弁天ノ森 |
弁天ノ森 三等三角点(標高1600.1m) |
|
稲村ヶ岳 奥駆道より |
八経ヶ岳(左)・弥山(中央) 奥駆道より |
|
聖宝宿跡 理源大師像 |
弥山 |
|
朝早くから目を覚まし、布団に潜って朝食を待つ。一汁一菜に近い朝食をいただいて行動開始。大峰山系の山小屋泊まりは初めてだったが、アルプスのように思ってくると大変な事が分かった。修行者の小屋でもなく、登山者の小屋でもなく、小屋主の自己満足の小屋のようだ。奈良県の小屋はみんなここと同じなんだろうか。 小屋を飛び出し、先ず弥山山頂へ。弥山は標高1895mで鳥居をくぐればすぐ山頂で弥山神社がお祀りしてある。雨の降る中、枯れ木の山を下って八経ヶ岳へと向かった。オオヤマレンゲ自生地ではネットで鹿避けが見られ景観はあまりよくない。鞍部から登り返すと八経ヶ岳山頂に到着した。 八経ヶ岳は、奈良県の最高峰、標高1914.6mで二等三角点になっている。八経ヶ岳は、八剣山、仏教ヶ岳とも呼ばれている。360度の展望は期待できそうだがこの雨では無理のようである。降りしきる中早々に下山開始、明星ヶ岳方面へ奥駈道を進んだ。弥山辻から奥駈道に入らず、頂仙岳方面への比較的新しい道を歩いた。弥山から大黒岩、狼平方面に今までは歩いていたようだ。 ひたすら歩いて日裏山で小休止、狼平からの道と合流する高崎横手を経て、頂仙岳の西側を巻いて栃尾辻へ下った。ここで小休止をして坪内方面へと下った。途中新緑が大変美しかった。 坪内の集落に下り朱色の橋が見えてきてやっと雨から開放されるときがきたようだ。天ノ川温泉につかりゆったり寛いで疲れを癒した。前の食堂でお腹いっぱい昼食をいただいて、タクシーに乗り下市口へ。そして近鉄特急で阿部野橋の戻った。 終日雨が降り、景色が全く見られず、だだひたすら歩くだけの山登りになってしまったが、それなりの良さもあったように思う。又機会を見つけて登りたい山の一つだ。 最後に、リーダーさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。 |
||
弥山 山頂 |
弥山 山頂(標高1895m)にて |
|
弥山小屋を出発 |
弥山から八経ヶ岳へ 枯れ木の山だ |
|
八経ヶ岳 山頂 |
八経ヶ岳 山頂にて |
|
八経ヶ岳 山頂 |
八経ヶ岳 二等三角点(標高1914.6m) |
|
弥山辻 |
頂仙岳の下り |
|
稲村ヶ岳 頂仙岳の下りより |
若葉と苔が美しい |
|
栃尾辻手前を行く |
栃尾辻から稜線に入る |
|
新緑が美しい |
天川(坪内)に下山 |
|
コース |