甲斐駒ヶ岳
MRC アルプス例会
Vol.1  
甲斐駒ヶ岳 標高2967m
長衛荘〜仙水峠〜駒津峰〜甲斐駒ヶ岳〜駒津峰〜双児山〜長衛荘

 
 8月25日から27日、MRCのアルプス例会で甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳に登った。この二座は2007年8月に登っており今回は2回目だ。

 第1日目、8月25日7時30分、枚方から貸切バスで出発。草津SA、恵那峡SAを経て駒ヶ岳SAで昼食、伊那ICから仙流荘へ。ここから南アルプス林道バスで北沢峠へと、バスは貸切扱いで運転手のサービスも上々だ。岩から湧き出す南アルプス天然水を飲ませてくれたり、アサギマダラを紹介してくれたり、歌宿では鋸岳をバックに記念写真を撮ったりした。

 長衛荘に到着、小屋の名物女将に会えるのを楽しみにしていたが会うことはできなかった。長衛荘の委託経営者が変わったためと分かった。

 前回暗闇で訪れることができなかった「北沢長衛翁レリーフ」に出かけた。レリーフは北沢駒仙小屋横にあった。碑には「北沢長衛翁は南アルプス開拓の先覚である・・・」が刻まれていた。北沢駒仙小屋は少し前まで北沢長衛小屋という小屋名で、北沢長衛が最初に建てた小屋だそうだ。
北沢峠へ戻る途中展望コースの案内があったのでしばらく登ってみたが、それらしきものがないのであきらめて戻った。木々の間からアサヨ峰と思われるピ−クが見えたが美しい山のようだ。

仙流荘 林道バスバスターミナル

鋸岳 仙流荘より

鋸岳 歌宿(標高1680m)より

鋸岳 歌宿(標高1680m)より

鋸岳・甲斐駒ヶ岳(中央ガスの中)・双児山 歌宿(標高1680m)より

北沢峠 長衛荘に到着

アサヨ峰? 北沢峠散策路より

北沢長衛翁レリーフ

北沢長衛翁レリーフ
 第2日目、8月26日今日は甲斐駒ヶ岳に登る。長衛荘4時40分出発、真っ暗闇だ。北沢駒仙小屋まで下り、ここから沢沿い樹林帯の道を仙水小屋まで登る。仙水小屋5時36分到着、もう明るくなってヘッドランプは要らなくなった。しばらく樹林帯を行くとやがてハイマツになりシャクナゲも多くなるが、シャクナゲは時期外れのようだ。この辺りから岩石がるいるいと仙水峠まで続いている。振り返ると仙丈ヶ岳が美しい。仙水峠に着くと眼前に甲斐駒ヶ岳の摩利支天がごつごつと岩肌を見せている。太陽が逆光なので眩く光り、摩利支天はシルエット気味だ。ここで休憩をとり今日の一番きつい駒津峰への登りにかかる。

長衛荘(4:18)

駒ヶ岳へ出発(4:40)

仙丈ヶ岳 ハイマツ帯により

岩がるいるいとした道を もうすぐ仙水峠だ

仙丈ヶ岳 仙水峠より

甲斐駒ヶ岳・摩利支天 仙水峠より

甲斐駒ヶ岳・摩利支天 仙水峠より

仙水峠から急登開始
 仙水峠から駒津峰へかなりの急登だ。およそ30分シラビソ、コメツガなどの樹林の斜面を喘ぎながらのゆっくり登る。登り始めて30分過ぎると時々ふり返って後方の景色を楽しむことができるように変わってくる。P2536あたりで開けたところがあり休憩。この辺りまで来るとシラビソがダケカンバに変わってくる。
 南東側を見ると栗沢山、アサヨ峰が美しい。東側からガスが上がって山の表現が豊かにはなるが鳳凰三山、特徴ある地蔵岳のオベリスクや富士山が見えないのが残念だ。南西側には栗沢山の肩に北岳、間ノ岳などが見え、その右に仙丈ヶ岳がどっしりとした風格を示している。北東側には甲斐駒ヶ岳、その摩利支天がそびえている。北西には下山コースの双児山が見えていた。ここまで来てこんなに多くの山が眺望できるのは素晴らしい。天候が変わらなければ駒津峰からは360度の展望が期待されるのでもっと豊かな山並みが見れるだろう。山の天気は変わりやすいので見れる時にしっかり見ておくののが定石だろう。

 P2536から駒津峰までまだかなりありそうだ。相変わらずの急登が続くがハイマツに変わり展望があるので楽しく登ることができる。約50分駒津峰に到着。予想通り素晴らしい光景が待っていた。

 駒津峰は標高2752mで素晴らしい展望ピークだ。先ほどのピークに加えて北側に鋸岳の連山が美しい。甲斐駒ヶ岳、摩利支天も全容が眺望でき素晴らしい。残念ながら鳳凰三山と富士山はお預けということになった。北岳、間ノ岳、荒川三山なども眺望があり、仙丈ヶ岳も素晴らしい眺めになった。

栗沢山・アサヨ峰

仙丈ヶ岳

甲斐駒ヶ岳・摩利支天

北岳・間ノ岳

仙丈ヶ岳

駒津峰へ最後の登り

駒津峰にて(後方は鋸岳)

駒津峰にて(後方は仙丈ヶ岳)

駒津峰にて(後方は甲斐駒ヶ岳)

アサヨ峰・栗沢山・北岳・間ノ岳・荒川三山・・・ 駒津峰より

鋸岳

甲斐駒ヶ岳
 人は欲の塊かもしれない、駒津峰でこんなに良い景色を堪能したのに、甲斐駒ヶ岳山頂に立つともっと良い景色になるだろうと思う。果たして結果やいかに。

 8時45分駒津峰を出発して本峰、甲斐駒ヶ岳へとアタックを始めた。少し下り細い岩の出ている尾根を注意しながら進む。かなり進行が遅いようだ。小さいピークを数回越え下ると大きな岩がある。六方石というそうだ。ここから本峰への登りになる。山頂への直登コースもあるが巻道を行くことにする。

 甲斐駒ヶ岳は花崗岩でできているということで白い砂が足場になる。大きな岩もゴロゴロしている中、砂地の道をひたすら登る。摩利支天分岐あたりで小休止、周りは砂の斜面で滑り落ちそうだ。摩利支天が眼下になったとき砂の絶壁は落とそうな感覚になった。最後の力を振り絞って山頂に立つ。

 甲斐駒ヶ岳は標高2967mで一等三角点になっている。展望は360度で大変素晴らしいといいたいが山頂付近はガスで遠くは見えない。欲の皮とはよく言ったものだ。駒ヶ岳の名のつく独立した山は、全国に18山あるそうでその中でも甲斐駒ヶ岳は最高峰だ。長野県側の伊那谷では甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ岳、木曽駒ヶ岳を西駒ヶ岳と呼んでいる。確か仙流荘のバスターミナルの案内には、東駒ヶ岳と書いてあったように思う。甲斐駒ヶ岳は信仰の山でもあり、山梨県側山麓に駒ヶ岳神社があり、そこから山頂に至る黒戸尾根には信仰にまつわる多くの石仏などがあるそうだ。北アルプス林道ができ黒戸尾根を登る人が激減したようだ。ちなみにこの黒戸尾根は日本三大急登の一つになっている。

 山頂で記念写真や昼食時間にであっというまい過ぎてしまった。11時15分下山開始、砂の斜面を滑らないよう注意して下る。摩利支天分岐まで戻り、ここから空荷で摩利支天に登った。摩利支天は標高2820mで、円錐形の甲斐駒ヶ岳の脇にくっつくような巨岩の山だ。山頂には猪もまたがる摩利支天が祀られている。仏教の守護神で山岳宗教の山にあるようだ。摩利支天のある山としてこの甲斐駒ヶ岳と、木曽御岳山そして乗鞍岳などがある。摩利支天から甲斐駒ヶ岳を眺めると実の恐ろしい、というのは摩利支天から駒ヶ岳の東側が急峻な断崖絶壁になっているからだ。下からのその様子を見ると圧巻だ。

 摩利支天分岐に戻り、来た道を駒津峰まで戻った。そこから双児山を越えて北沢峠に下山した。双児山まで1時間、北沢峠までさらに2時間くたびれながらの下りであった。早速ビールで乾杯明日の仙丈ヶ岳登山の成功を祈りながら就寝した。

仙丈ヶ岳

甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳への縦走路

六方石

駒津峰・六方石

甲斐駒ヶ岳本峰への登り

摩利支天

甲斐駒ヶ岳本峰への登り

摩利支天(東側は絶壁だ!)

甲斐駒ヶ岳もうすぐ山頂だ

甲斐駒ヶ岳 山頂の祠

甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳) 一等三角点

甲斐駒ヶ岳にて

花崗岩の砂利状の斜面を下山

甲斐駒ヶ岳東側の絶壁 摩利支天より

摩利支天 山頂

摩利支天 山頂にて

摩利支天

チシマギキョウ

双児山 山頂
 
仙丈ヶ岳へ続く
コース 
第1日目 8/25
  ラポール枚方(7:30)=[貸切バス]=草津SA=恵那峡SA=駒ヶ岳SA(昼食)=伊那IC=
  仙流荘(13:15/集合/13:50)=[林道バス]=北沢峠(15:00)
  長衛荘 (泊)
第2日目 8/26
  長衛荘(4:40)〜北沢駒仙小屋(4:50)〜仙水小屋(5:36)〜仙水峠(6:30/6:50)〜
  P2536(7:30/7:40)〜駒津峰(8:30/8:45)〜六方石(9:20)〜摩利支天分岐(9:50/10:00)〜
  甲斐駒ヶ岳(10:40/昼食/11:15)〜摩利支天分岐(11:40)〜摩利支天(11:57/12:05)〜
  摩利支天分岐(12:22)〜六方石(12:35)〜駒津峰(13:00/13:20)〜双児山(14:10/14:20)〜
  P2502(14:50)〜長衛荘(16:17) 
  長衛荘 (泊)
第3日目 8/27
  長衛荘(4:00)〜四合目(5:40/5:50)〜五合目・大滝頭(6:19)〜小仙丈ヶ岳(7:34/7:45)〜
  仙丈ヶ岳(9:03/9:23)〜小仙丈ヶ岳(10:15/10:27)〜五合目・大滝頭(11:07)〜
  長衛荘(12:30/昼食/13:00)=[林道バス]=仙流荘(13:50/入浴/15:00)=[貸切バス]=
  枚方(20:30)

天 候  8/25 晴れ  8/26 晴れ  8/27 晴れ
参加者 25名  
実施日 2009.08.25-08.27