念願の山 剱岳 2000年8月8日
西穂高・前穂高へのコースと、大キレット・北穂高岳そして剱岳は、常に登りたいと念願していた。
危険と隣り合わせで、事故も多い。そんなところには大きな魅力を感じる。
しかし、行くとなると躊躇し結局実行に至らなかった。
大キレット・北穂高岳は若い頃に槍穂高縦走で成し遂げた。
次は剱岳だと心に決めていたが、チャンスは来なく毎年行きたいと思いつづけるだけだった。
2000年8月に、友歩会で計画したところ参加希望者が現われた。
この機会に行かないと年を重ねるごとに体力がおちる。今しかないと心に決めた。
8月8日4時50分頃ご来光を拝む。雲が多くご来光はあいにくだったが雲がきれいに輝いていた。
小屋の人の話だと今日の朝焼けは少ないので、雨は一日大丈夫だろうとのことであった。
5時剣山荘を出発し剣岳のアタックを始める。
一服剣(2618m)に5時25分到着し、ここで朝食をとる。20分ほど留まり、5時45分いよいよ剱岳へ進む。
一服剣を過ぎると高低差があり、剣岳の厳しい表情が伝わってくる。
鎖場が何ヶ所かあり、6時30分、前剱(2813m)に到着。ここから眺める景色はすばらしい。
さらに鎖場を何ヶ所か上ったり下ったりすると、スパッと切れ落ちた平蔵谷の切れ落ちた門と呼ばれるところに出る。
ここが剱岳の最初の関門だ。滑落事故もこの当りで起きているとのこと鎖を利用して慎重に登る。
アップダウンを繰返し平蔵のコルにつく。
ここから剱岳登山で有名なカニのタテバイで一番の難所となる。17mの垂直に近い岩場を登る。
登り切りしばらく進むと稜線出る。ここから頂上まではわずかで剱岳神社が見えればそこは頂上だ。
8時、剱岳山頂(2998m)に立つ。山頂からの展望はすばらしく360度見渡すことが出きた。
北側には富山湾、毛勝三山。東に後立山連峰が南には薬師岳・笠が岳、乗鞍岳方面まで望める。
いつまでいてても飽きないので30分ほどで切り上げ、8時35分カニのヨコバイを楽しみに下山開始。
しばらく山頂付近の景色を眺めながらゆっくり下りる。とっても名残惜しい風景だ。カニのヨコバイにさしかかる。
カニのヨコバイは下り専用で、その名の通り手足をカニのように順送りして進む。
10mほどの鎖場を過ぎ、5mほどの垂直の壁を下りる。
さらにはしご2箇所を下ると、15mほどの鎖場になり突き進むと平蔵のコルに出る。これで難所の岩場は終りだ。
ここから来た道を景色を楽しみながら下る。今日は天気に恵まれ絶好のアッタク日和となった。
雨だとアッタクしないといっていたメンバーも、このすばらしい天気でしかも難関を突破し大喜びだ。
前剱通過8時、一服剱10時40分、剣山荘に11時5分無事到着。
剣山荘で軽く昼食をとり、11時55分みくりが池温泉に向かう。
剱御前までは雪渓のトラバースが十数カ所ダラダラの登り道を歩く。
剱御前小舎に13時20分到着。
雷鳥平に14時30分、ここからみくりが池温泉までかなりの登り道。
疲れが襲ってくるが何とかして15時30分無事みくりが池温泉に到着。