大山 剣ヶ峰 弥山から
日本百名山 三角点探訪
大  山 標高1729m
夏道登山口〜大山・弥山〜行者道分岐〜元谷〜大山寺〜夏道登山口
 
 大山、伯耆大山は1965年に最初訪れ、2年後の1967年に訪れたことがある。
今回久々に登りたい心境になり三角点探訪も兼ねて毎日新聞旅行のツアーに参加した。当時は夜行列車で出かけたのだが今回は日帰りバス旅行だ。梅田を7時30分に出発。昨夜近畿地方を襲った台風23号が去った朝だが、まだ小雨が続いていた。

 午後から晴れるという予報を信じてバスに乗ったが蒜山近くまで霧雨が降っていた。11時大山の夏道登山口に到着。雨はすっかりやんでガスが上り始めていた。

 1967年に宿泊した蓮浄院が2003年には修復して志賀直哉記念館になっていると思ったが、今回訪れてみて大きなショックを受けた。建物らしくなく朽ち果てた無残な姿になっていた。鳥取県のホームページの情報では、2004年秋には完成するようなことだったが進展していないようだ。

 夏山登山道をゆっくり上がる。二合目、1000m付近から紅葉が目立ち始めた。日差しがあればすばらしい紅葉が期待できるが、太陽との競演ではなく霧との競演だ。約1時間で三合目に到着し、ここで昼食にした。

 四合目を過ぎると昨夜の台風の爪あとと思われる倒木が道をふさいでいる。両手で抱えられないほどのブナの大木が根こそぎ倒れている。何本もの木が何ヶ所も倒れている。何十年何百年と育ってきた木が一夜にして倒れてしまったのだ。倒れた原因はなんだろうか?台風の影響でしょうか?そうでもなさそうです。登山者が通る道すがらの倒木が多いことから、やはり人災なのでしょう。人間がブナの木をいじめたのでしょう。

 ツアーリーダーが話してくれました。名もない山には登山道もありません。有名になればなるほど登山道ができてきます。100名山ともなれば木の根はどんどん踏まれていきます。堪りかねた管理者が木道や階段を作ります。階段は山が崩れないように付けられていて決して歩きやすくはありません。登山者は横の草道を歩きます。するとどうなるでしょう。また山が崩れていきます。木が泣いています。そんな話を聞いて出発したのですが、それが現実となり、道は崩れ、木は倒れ無残な姿になっているではありませんか。今日は倒れた大きな根っ子を巻きながら登った。結果としてまた山を痛めつけたことになり心が痛む。

 行者道分岐を過ぎ、六合目避難小屋に到着し小休止にした。この辺りから展望が望めるようになり、三鈷峰が抜きん出ていて麓が黄金の紅葉ですばらしく綺麗だ。さらに上には大山最高峰剣ヶ峰の稜線が見える。一方振返ればお椀を伏せたような小山が可愛く、その向こうに日本海が広がっている。

 1600m辺りから木道になり山頂まで続いている。ダイセンキャラボクの生息地でその保護のため木道になっている。山頂一帯はダイセンキャラボクに覆われている。
木道の終端には頂上小屋がありその先に大山の頂上を示す山頂碑がある。
山頂碑には「大山頂上 1710.6M」と刻まれている。刻まれている標高は三角点の標高を示している。
三角点は2000年の鳥取西部地震で崩壊し、再設されて現在の標高は1709.4Mになっている。
残念なことに再設された三角点も山頂碑から100mほど先にあるが尾根道の崩壊が進み、一般の人の立入りが禁止されている。まことに残念だが三角点にタッチすることができなかった。
14時40分下山開始したが即ハプニング発生。数分下ったところで最後尾のサブリーダーから無線が入る。お年寄りが足を攣って歩けなくなったとのことだ。リーダーが引き返した。
メンバーは風当たりの少ない少し下で待機の命令が出た。しばらくしてサブリーダーが戻ってきた。後続の何人かで背負って降りることになったらしい。サブリーダーが先頭を勤める事になり下山開始。

 六合目避難小屋で小休止し、行者道分岐に向かう。行者道分岐で倒木が道をふさいでいる。何ヶ所も倒木を巻きながら下る。元谷まで下り怪我人グループとコンタクト。工事現場の好意で送っていただけることになり本体は大山寺に下山。

 駐車場に17時30分過ぎに全員無事下山した。後で聞いた話でタオルをつないで背負子を作って背負って降りたとのことだった。五合目からは回復したので自力で下りられたそうだ。リーダーが不在になったがポイントポイントでの確認など何名かで自発的に協力して行えたのも良かった。

 山歩きの会も年々歳をとったメンバーが増えてくるので他山の石とせず、リーダーの心構えでもあり、実践できるようにしておく必要を感じた。何はともあれ予定時間で全員無事下山できて良かったと思う。

夏道登山口

阿弥陀堂近くにて

霧の中の紅葉 三合目にて

三合目を出発

登山道崩壊と倒木 四合目過ぎ

六合目避難小屋前にて

三鈷峰 六合目にて

七合目付近にて

ダイセンキャラボクの群生 山頂付近にて

大山山頂

弥山(三角点)と剣ヶ峰

大山山頂にて

頂上小屋 大山山頂より

下山開始

行者道に入ってすぐ倒木で登山道崩壊

大山吊尾根 元谷にて
 
コース
  梅田(7:30)=<バス>=大山夏道登山口(11:00/11:18)〜三合目(12:06/昼食/12:28)〜
  五合目(12:51)〜行者道分岐(12:53)〜六合目避難小屋(13:06)〜八合目(13:44)〜
  大山・弥山(14:09/14:40)〜六合目避難小屋(15:40)〜行者道分岐(16:08)〜元谷(16:40)〜
  大山寺(17:16)〜大山夏道登山口(17:33/17:40)=<バス>=梅田(21:15)

地 図  伯耆大山 
天 候  曇りのち晴れ 
参加者 2名 ツアー参加者28名
実施日 2004.10.21
ツアー 毎日新聞旅行