高積山 千旦から
松愛会山登り会
松下幸之助生誕の地
高積山
(和佐富士) 標高237m 城ヶ峯[和佐山城跡] 標高255.4m
 
 3月13日松愛会山登り会で和歌山市和佐に行った。和佐は松下幸之助の生誕の地である。松下幸之助は和歌山県海草郡和佐村字千旦の木に明治27年、8人兄弟の末っ子として生まれた。父は若くして村会議員などをやり顔役で先代から受け継いだ資産家だった。幸之助4歳の時父が米相場に失敗し伝来の土地は手放し、幸之助は小学校を中退して大阪へ丁稚奉公に出るのである。生家に樹齢800年ともいわれる松の木がそびえていて近所では「千旦の松」と言われていたそうだ。この松も昭和41年落雷、昭和45年隣家の火災で根元だけ残ったが今では見る影もない状態になりつつある。千旦の駅を降りると千旦の表札がかかった豪邸が多いようだ。当時松下という性は一軒だったそうだ。「松下幸之助君生誕の地」の碑が公園に建っていた。碑の文字は同郷のノーベル賞受賞者の湯川英樹博士の筆によるものだ。松下家の墓にお参りして、松下公園から高積山に向かった。
 千旦からしばらく広い自動車道の歩道を歩いて和佐小学校辺りまで歩く。小学校の前の道は熊野古道だ。熊野古道を歩くとお百姓さんが仕事の手を止めていろいろ案内してくれる。温かみが伝わってくるからうれしい。歓喜寺への分岐の角家が松下幸之助の先生の家だったと教えてくれた。歓喜寺に寄らず直進し、高積神社下の宮にお参りした。境内には松下幸之助寄進の碑、松下電器産業寄進の碑が建っていた。
 高積山へは、この下の宮から始まる。ここから八丁で山頂の上の宮ということになり、一丁ごとに標石が建っている。五丁を過た竹薮の細道に鮮やかに咲いた梅を発見。ぽかぽかのいい天気だったので思わず桜が咲いていると錯覚した。元に戻って少し上がると福地蔵尊、お参りしてさらに上がると淡路尊とお地蔵さんが迎えてくれる。二丁を過ぎると道は少し険しくなり、積層岩(堆積岩)を削った石段を上がりきると分岐につく。分岐には梵字など刻まれた標石がかたまって建っていて、左は高積神社上の宮、右は城ヶ峯の和佐山城跡に続いている。先ず高積神社に行った。
 堆積岩を切り出した石段を登ると高積神社上の宮の社殿に着く。高積山の山頂と思われる社殿の裏は少し高いが山頂標識などはない。高積神社上の宮がすなわち高積山ということだろう。ここで昼食にさせていただいた。高積神社の御由緒は説明板によれば次のようだ。
高積神社は和佐山連峰の北側にそびえる高積山(通称高山、高の山)の山頂に位置し、主祭神は「都麻津比売命(つまつひめのみこと)・五十猛命(いだけるのみこと)・大屋津比売命(おおやつひめのみこと)の三兄妹神で素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御子。
古銭埋蔵地、大正14年本殿前で古銭1万5000枚(中国銭)が発掘された。
古城跡、高積山の南方500メートルに城ヶ峯(通称「城(じょう)」といい、海抜255メートル、和佐山連峰の最高峰)は、1360年の南北朝時代の古戦場で、土塁、空堀などの陣地跡が残されている。
神社の石垣で興味を持ったのは積み石が化石のようであることだ。和歌山県の紀ノ川に沿った東西の地層は堆積岩が多いとのことだったので、多分化石のような岩は堆積岩だろう。
 上の宮を後に分岐まで戻り、南に進むと展望が開けたピークに出る。少し霞んでいたが天気が良ければ展望はすばらしいだろう。尾根を南へ進むと前方に城を想像させる高台が出てくる。この高台が城ヶ峯で和佐山城跡で畠山義深の城だそうだ。標高は255.4mで二等三角点がおかれている。山頂付近に本丸があったとされ、土塁や空堀が連想できそうな個所も残っている。
 下山は往路を引き返し千旦駅に戻った。当初予定では布施屋側に下り、布施屋から高積山を眺める予定だったが天候があまりよくないのであきらめた。布施屋側から見る高積山は富士山の形をしていて和佐富士とも呼ばれているそうだ。またの機会に譲ったため予定より30分早い電車に乗った。和歌山駅で40分ほど待ち時間ができてしまった。和歌山市駅に移動し和歌山本町温泉夢想乃湯に行った。温泉は銭湯料金で銭湯のたたずまいをしているが温泉に入れるのはうれしい。温泉は茶褐色でよく温まるいい温泉だ。
 本年のテーマ城攻めの第一弾、和佐山城を攻め落とし、夢想乃湯につかって身体も癒したところで南海電車で大阪に戻り京橋で打上、エイエイおー・エイエイおー・エイエイおー。

松下幸之助生家の松

「松下幸之助君生誕の地」(湯川英樹書)の碑

松下公園

高積神社(下の宮)

高積神社(上の宮)まで八丁の参道入口標石

思わず目に入った梅花の共演 四丁の手前で

福地蔵尊 四丁と三丁の中間

淡路尊 三丁と二丁の中間

淡路尊前にて

二丁の標石

最後の登り

最後の登り 変わった岩の階段

高積神社上の宮と和佐山城跡の分岐の標石

高積山山頂(高積神社の裏)

高積神社上の宮にて

高積神社の石垣 木の化石のよな石が積まれている

高積山小ピークよりの展望

城ヶ峯山頂に到着

城ヶ峯 二等三角点

城ヶ峯・和佐山城跡にて

城跡を歩く

高積山(左)、城ヶ峯(右) 千旦より

和歌山線千旦駅

和歌山本町温泉
コース  
 
 天王寺(8:25)=和歌山(9:32/乗換/9:50)=千旦(9:59)〜
  松下幸之助生誕の地(10:10/10:25)〜高積神社(10:55/11:00)〜福地蔵尊(11:18)〜
  淡島尊(11:25)〜2丁(11:27)〜分岐(11:34)〜
  高積山・高積神社上の宮(11:40/昼食/12:15)〜分岐〜城ヶ峯(12:33/12:42)〜
  分岐(12:58)〜千旦(13:53/14:22)=和歌山(14:33/乗換/45)=和歌山市(14:51)〜
  本町温泉(15:25/入浴/16:30)〜和歌山市=新今宮=京橋

天 候  曇り 
参加者 7名 
実施日 2008.03.13