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蝶ヶ岳 標高2677m 長塀山 標高2564.9m 上高地〜徳沢〜長塀山〜蝶ヶ岳(長塀ノ頭・三角点峰・蝶槍)〜横尾〜上高地 |
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8月20日、21日で蝶ヶ岳に登った。当初徳本峠、中村新道から大滝山荘を経て蝶ヶ岳を考えていたが、登山道の状況から一般的な長塀山コースにした。明神から徳本峠の徳本峠登山道は災害による道路損壊、崩落があり応急復旧はしてあるが危険を認識して自己責任で利用するようにとの事。中村新道は長時間のため利用者が少ないまた、クマササの藪漕ぎもあり、熊が出没するという話も聞いた。新田次郎の槍ヶ岳開山にでてくる播隆上人が通ったとされる現在の中村新道を往時を偲んで歩いてみたかったのだ。実際は、行って見ないと分からないが単独行でもあり危険を回避した。 8月19日、新大阪を21時30分アルピコのさわやか信州号で出発。出発に当って大正池辺りで土砂崩れがあり定刻通り上高地に入れない可能性があるということだった。本日早朝から新潟方面などで集中豪雨で多くの被害が発生していたが長野県でもかなりの影響が出たようだ。沢渡で待機や乗換など発生しそうなのでできるだけ早く現地入りしたいということであった。 8月20日、5時上高地への道路は夜中に復旧され通行可能になっていた。大正池近くの道路には復旧したばかりと思える重機などが道端に突っ込んであった。そんな訳で予定より早く5時20分ごろ上高地バスターミナルに到着した。弁当とペットボトルの水を買って朝食を済ませる。 5時50分バスターミナルを出発。徳沢まで歩きなれた道だが前回はいつ頃来たのだろうか。2年前裏銀座よりの帰り下ってきたのが最後だろう。河童橋に寄って見るが岳沢も焼岳もガスに覆われていて上高地の第一印象になる景色は何も見えない。明神へとゆっくり歩き出す。6時40分明神到着。明神岳は途中のビューポイントからもここからも残念ながら見えない。徳沢へと歩き始める。黒沢にかかる橋を渡ると当初計画していた徳本峠分岐に着く。徳本峠登山道の注意事項が道標に貼ってあった。どんな道か興味があったが曲がらず直進して徳沢へ。 7時40分徳沢に到着。氷壁の宿徳沢園の右側の登山口から長塀山に取っ付く。長い長い登りの始まりだ。徳沢が標高約1560m、長塀山2565m、蝶ヶ岳2677m、長塀山までが標高差約1000mでかなりきつい登りだ。最初の登りが一番厳しく標高差400mを約1時間かけて登る。一段落してさらに延々と登りが続く。この辺りから主に湿地帯にカニコウモリが白い花をつけて群生している。コメツガ、シラビソ、ダケカンバが細くなってくると長塀山に着く。休憩時間も含めて地図の時間通り3時間30分要した。長塀山は展望もなく尾根の途中という感じだが三等三角点があり標高は2564.9mだ。ここで昼食にした。 昼食後蝶ヶ岳へ最後のアプローチだ。しばらく登ると2582mピークを過ぎ、お花畑がたくさん見られるようになった。ハクサンフウロ、クルマユリ、アキノキリンソウ、シナノキンバイ、モミジカラマツ、シナノオトギリ、ヨツバシオガマ、ウサギギク、ミヤマキンポウゲ、チングルマなど多くの花たちが登山道脇で応援してくれているようだ。そんな花たちを見ながら歩いていると妖精の池に到着。池の周りはハクサンフウロが一面に咲いていた。 散策気分でお花畑の道を歩いていると大きなお花畑に到着。見上げると頭上に蝶ヶ岳ヒュッテが見えていた。やったー単独行で目標物がはっきりすると一安心だ。一面に咲き乱れるミヤマキンポウゲを眺めながらハイマツ地帯に入る。少し登って穂高の稜線を眺めるがグレーのカーテンがかかっていて何も見えなかった。正面には常念岳が蝶ヶ岳の稜線にそびえていた。登りきると蝶ヶ岳山頂だ。360度の大パノラマといきたいところだが残念ながら自然は厳しく大天井岳から常念岳と蝶ヶ岳の連山が見えるだけだ。今までに登った蝶ヶ岳はいつも素晴らしい天気で槍穂高の大展望が見られたが今回初めて見られなかった。蝶ヶ岳山頂は標高2677mで三角点は北へ1.3kmほど行ったピークにある。 蝶ヶ岳ヒュッテに12時45分到着。昼食をとっているパーティーもいる。早速天気に崩れない前に蝶槍まで行ってくる事にした。ヒュッテの前に瞑想ノ丘があり展望指示盤がある。天気が良ければと思いながら少し崩れかけた天気を気にしながら尾根を進んだ。小さなピークを二つ三つ越えると横尾へ下る分岐に着く。ここから小さなピークを1つ越えて大きなピークに上がると三角点がたくさんつまれたケルンに囲まれている。三角点は三等三角点で標高2664.3mで晴れていれば大展望台だ。 三角点から北に可愛い槍ヶ岳、蝶槍があり、一旦下って登り返す。さすが槍ヶ岳とあって山頂付近は岩場になっている。蝶ヶ岳山頂、三角点峰も砂地の山頂だったが蝶槍はさすが違うのだ。大天井岳から常念岳の素晴らしい景色を眺めて、ヒュッテに引き返した。明日の朝、目を覚ますと槍穂高岳の大パノラマのモルゲンロートが見られるかとわくわくしながら床に就いた。 |
8月21日、目を覚ますと雨だった。雨は小雨だが止む気配は感じられない。ヒュッテを出たり入ったりなかなか落ち着かない。30名ほどの宿泊客はほとんど出発して行った。今日は下山だけなのでできるだけゆっくりして天候の回復を待った。7時にヒュッテを出て昨日行った蝶槍まで行く事にした。 有明の市街地が東の下に見えていた。太陽も上がってきて数分陽が射した。槍穂高に引かれた灰色の緞帳の前にきれいな虹が出た。緞帳が上がっていればどんなに素晴らしいだろうかと想像するばかりだ。蝶槍で約1時間雲の切れるのを待った。常念岳は雲の演出がなかなか良かったが槍穂高は見る事ができなかった。蝶ヶ岳に目をやると大滝山の左に富士山が大きくはっきり見えて大感激した。写真を撮ろうと構えた頃にはガスが上がってきてその後、姿を現すことはなかった。 降りて行く間に晴れてきて槍穂高が見えるかもしれないと心に思いながら、横尾へ下った。登山道はかなり急峻で厳しい。足をガクガクさせながらやっと槍見台まで下山した。槍見台から槍ヶ岳が見えるかどうか、見えた方が良いのか見えない方が良いのか、結果的にはなにも見えなかった。屏風岩がガスがかかって厳しい印象を与えていたように思う。横尾に下山、分岐から約1時間40分かかった。 横尾で少し休憩して上高地に向かった。徳沢園で昼食、カレーライスと生中で雲上人から下界に降り立った。明神を過ぎ上高地河童橋に13時45分到着。徳沢からMRCのメンバーと出会わないかと気にかけていたが河童橋まで誰にも会わなかった。河童橋界隈の景色も期待できないのでバスターミナルへ行ってみた。メンバーの一人と出会った。2時過ぎのバスでやってくるそうだ。どうせ時間もあるので見んな来るのを待った。やってきたメンバーと会って河童橋で記念写真を撮りここで別れた。明神館、徳沢園、徳沢ロッジに別れて泊まるということだった。 私は上高地で一度宿泊してみたかったので西糸屋山荘別館に泊まった。本館は豪勢だが別館は落ち着いた感じだ。早速、本館のお風呂に入った。穂高岳を見ながら入浴できるらしいがそれは期待できない。湯は温泉のようだが温泉でないそうだ。説明によると数百メートル高い山から引いてきているようで温泉成分に近いものが含まれているらしい。2段ベッドの4人部屋だが食事もなかなかで山小屋より安くてとてもいい。明日はきっといい天気だろう。 |
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