烏帽子岳 ニセ烏帽子より 撮影 1997.08.09
MRC主催 アルプス例会
裏銀座縦走
前烏帽子岳
 標高2605m 烏帽子岳 標高2628m
 
 MRC主催のアルプス例会に参加した。今年は北アルプス裏銀座縦走コースだ。
 8月18日現地集合になっているので8月17日青春18切符で出かけた。大阪駅を10時に出発、米原に11時20分到着。ここから大垣行きに乗換え大阪駅で買ってきた弁当を食べる。今回は米原駅で乗換え時間と駅売店があり弁当など調達できる時間があった。しかし殆どの場合乗換える電車を見極めホームを移ったりで弁当など殆ど購入できないので注意が必要だ。大垣から豊橋行きに乗り名古屋で乗換える。金山で乗換える予定していたが途中で今回の山行きメンバーが8名になり殆ど名古屋で乗換えたからだ。名古屋から中津川行きに乗換えさらのメンバーが増え9名になった。松本行きに乗換えてからはローカル色が強くなってきた。松本から信濃大町までは超ローカルだ。予約しておいた竹之屋旅館に入り近くのコンビニで明日の朝昼食を仕入れ食堂で夕食にした。旅館に帰り温泉につかって18切符の疲れを癒した。
 8月18日、信濃大町駅前に5時30分集合。情報によると昨夜降った雨で高瀬ダムへ周辺の安全確認に手間を取っているようである。七倉までは普通の道路だが七倉から高瀬ダムへは東京電力の管理道で限定されたタクシーが限られた時間通行が許可されているのだ。通行が解除されてから大町を出発してもいいのだが、七倉まで行って通行解除を待つことにした。七倉山荘前で他グループを含め10数台のタクシーが約1時間20分待機した。7時30分ゲートが開いて通行可能になった。到着までのしばらくの間、高瀬ダムについて説明してくれた。高瀬ダムは東洋一を誇るロックフィルダム(ロックフィルダムでは日本一)で揚水発電の上池になっている。高瀬ダム(上池)は発電専用ダムで、下池の七倉ダムとの落差230mを利用して発電している。黒四ダムに比べて後からできた分発電効率が良く、黒四より数倍良いとの話だったが良く分からなかった。ダムが満水にになったとき放水は巨大な滑り台のような放水路が目に引く。8時前ダムを出発しようとした時、落石の音がした。落石は今通った道に左岸の山肌から灯油缶大の岩が落ち道をふさいだ、数分前に通過しただけにびっくりした。
 高瀬ダムを出発先ずトンネルをくぐり、吊橋を渡ってダムに堆積した砂の道を山に向かって歩く。1997年に来たときは砂はもっと少なかったように思う。水場も右奥の滝近くにあったように記憶しているが砂で埋まっている。新しくできた橋も近く埋まるのではなかろうか。左の山への取っ付きに水場があった。以前に渡った吊橋は完全に砂に埋まっていて上部の鉄骨の一部が当時を物語っている。水場の取っ付きが登山口でペンキで12の番号が書いてある。烏帽子小屋が0番だそうだ。胸突き八丁がいきなり始まる。胸突き八丁とは山頂付近の険しい八丁の急な登りを言うそうだが、登り始めからいきなりの急登だ。
 この急登は燕岳への合戦尾根、鹿島槍への赤岩尾根と共に北アルプス三大急登に数えられている。鹿島槍の赤岩尾根に代わり笠ヶ岳の笠新道を言う人もいる。とにかくきついことは確かだ。ちなみに日本三大急登はここ烏帽子岳へのブナ立尾根と甲斐駒ヶ岳への黒戸尾根、谷川岳への西黒尾根と言われている。表示された番号が減っていくのを楽しみに一歩一歩かみしめるように登る。夜行バスで来たメンバーは辛そうでへばっている。この齢になると旅館の前泊が正解のようだ。6番と5番の間で昼食にした。4番付近に槍見台があり三等三角点があり、標高は2208.5Mだ。三角点より数メートル上が広場になっていて三角点の標識がある。ここから槍ヶ岳が見えるかと思ったが見えなかった。我慢我慢しながら黙々と一歩一歩歩く。やがて1番に到着、ゆっくり休憩だ。一踏ん張りでお花畑を過ぎピーク2551mに着く。この下が烏帽子小屋だ。烏帽子小屋に到着、ダムから約6時間の登りだった。
 ガスが出始めたが一分の期待を持って烏帽子岳を往復した。ガスは抜けずニセ烏帽子岳(前烏帽子岳)標高2605mから烏帽子岳がきれいに見えるはずだがなのも見えない。(写真は1997年のもの)縦走路から分岐に入り烏帽子岳直下の岩場を登る。ここで船窪小屋から縦走してきた九州のメンバーと合流。ガスと突風の中、山頂の岩にしがみついて記念写真。
 烏帽子岳、烏帽子山という名前の山は全国に85座あるそうで3番目に高いそうだ。烏帽子岳の山頂は大きな岩になっているが花崗岩の山が侵食されて今のような烏帽子に似た山になったのか。この山と濁沢の崩壊を目の前にするとそんなことを感じ、烏帽子岳の生誕を知ってみたくなった。烏帽子岳やニセ烏帽子、尾根は花崗岩の砂礫で崩壊が続いている感じだ。ニセ烏帽子辺りから登ってきた下の方を見るとすごく崩壊が続いている様子が良く分かる。この砂礫が高瀬ダムを埋め尽くしていくのだろうか。想像を絶するような自然の力を感じる。砂礫の尾根には高山植物の女王コマクサやイワツメスサなどが多く見られた。山頂からの景色とニセ烏帽子からの景色が見れなくて残念だった。小屋に戻って夕食、就寝。
 
七倉山荘前にて通行解除待ち               高瀬ダム 登山準備 
 
吊橋                               高瀬ダムを攻める土砂 
 
土砂の道を歩く 中央奥が滝                Iを過ぎた急登を登る 
 
濁沢の崩壊が気になる G辺りから            ブナ立尾根 三等三角点 標高2208.5m 
 
最後の休憩 @にて                      烏帽子小屋に到着 
 
コマクサ 小屋前にて                     烏帽子岳 山頂 
 
烏帽子岳 山頂にて                      烏帽子岳直下の岩場を下る 
つづく
コース
8/17 
  大阪(10:00)=[青春18切符]=米原(11:20/換/11:44)=大垣(12:15/換/12:25)=
  名古屋(12:55/換/13:03)=中津川(14:14/換/14:23)=松本(16:38/換/16:45)=
  信濃大町(17:55) 竹之屋旅館(泊)
8/18 
  信濃大町(5:40)=[貸切タクシー]=七倉(6:10/開門時間待ち/7:32)=高瀬ダム(7:45)
  高瀬ダム(7:55)〜K水場(7:25/7:35)〜E(11:05/11:15)〜
  EDの中間点(11:37/昼食/11:55)〜三角点(12:25)〜@(13:45/13:55)〜烏帽子小屋(14:10)
  烏帽子小屋(14:30)〜烏帽子岳(15:30)〜分岐(16:00)〜烏帽子小屋(16:28) (泊)
8/19 
  烏帽子小屋(5:17)〜三ツ岳(6:43)〜野口五郎小屋(8:05)〜野口五郎岳(8:25/8:35)〜
  真砂岳分岐(9:00)〜東沢乗越(10:23)〜水晶小屋(11:10/昼食/11:40)〜
  水晶岳(12:15/12:25)〜水晶小屋(13:15/13:20)〜ワリモ北分岐(13:49)〜ワリモ岳(14:10)〜
  鷲羽岳(14:54/15:00)〜三俣山荘(16:04) (泊)
8/20 
  三俣山荘(5:44)〜三俣峠(6:37)〜双六岳分岐(8:13)〜双六小屋(8:30) [一次解散]
  双六小屋(8:52)〜樅沢岳(9:30/9:40)〜左俣岳〜[西鎌尾根]〜千丈沢乗越(13:19)〜
  槍岳山荘(14:50)
  槍岳山荘(15:15)〜槍ヶ岳(15:45/15:55)〜槍岳山荘(16:25) (泊)
8/21 
  槍岳山荘(3:45)〜殺生分岐(4:25)〜坊主岩屋(4:42)〜水沢・水場(5:15/5:20)〜
  天狗原分岐(5:44)〜槍沢大曲り(6:37)〜槍沢キャンプ地(7:05)〜
  槍沢ロッジ(7:36/朝食/8:00) [解散]
  槍沢ロッジ(8:00)〜二ノ俣(8:20)〜一ノ俣(8:27)〜槍見河原(8:35)〜横尾(9:13)〜
  徳沢(10:04/10:15)〜明神(10:53)〜河童橋(11:40)〜上高地バスターミナル(11:50) 
  上高地バスターミナル(12:40)=[バス]=新島々(13:45/14:08)=[松本電鉄]=松本(14:37) 
  松本(15:48)=[青春18切符]=中津川(17:50/18:07)=金山(19:15/19:25)=
  米原(20:43/20:57)=大阪(22:18)

地 図  烏帽子岳 薬師岳 槍ヶ岳 穂高岳 上高地 
天 候  8/17 曇りのち雨 8/18 晴れのち曇り 8/19 晴れ 8/20 晴れのち曇り 8/21 雨のち晴れ
参加者 20名 
実施日 2006.08.17−21