霊仙山(左:主峰 右:最高峰) 西南尾根より
関西百名山 三角点探訪 
霊 仙 山 標高1083.5m
今畑〜ササ峠〜近江展望台〜霊仙最高峰〜霊仙山〜経塚山〜汗フキ峠〜落合
 
 4月19日、霊仙山に登った。梅田8時バスで出発、多賀SAで休憩して彦根ICから一般道を走り、今畑登山口へ。河内の風穴辺りの狭い狭い道路をバスは運転手の特殊技術で登って行く感じだ。今畑の廃村入って、道路にいつ廃屋が倒れてくるか分からないようなところだ。やっと少し広くなったところが登山口だ。

 今畑登山口標高約340mを、10時25分出発。急坂を10分ほど登ると、今畑の集落で廃屋や苔むした石垣が目に入る。中でもお寺や土蔵もあるのに、今は廃村だという。そんなちょっぴり寂しい時代の流れを感じながら、標高650m辺りまで、標高差約300mの急登が続く。登り切るとP712を巻くように緩やかな登りになる。まもなくササ峠に到着だ。P712を巻き始めると左手にピークが見えてくる。西南尾根の近江展望台のあるピークだ。主峰はまだ見えないが期待が湧いてくる。

 
気持ちの良い雑木林の中を快適に歩く、緩やかな登りもほぼ平坦になり、登りになる手前がササ峠だ。登りの取付まで行ってここで休憩した。時間は11時20分過ぎ、お腹がそろそろ空いてきたが、1000mピークまで上がるという。ここで標高690mぐらい、これからかなりの急登になり、標高1000m迄、一気に登る。チョッと堪える登りだが、時々振り返ると、養老山地の山々や琵琶湖方面を展望して楽しむことができ、気分転換できる。チョッと喘ぎながら、チョッと景色を楽しみながら苦楽を共にする登りだ。

 標高約1000mの近江展望台に到着。360度の展望で、名前のとおり左手、北西には近江平野と琵琶湖が一望できる大パノラマだ。正面、北東にはこれから登る霊仙山の峰が見える。右手、南東には、御池岳、御在所山など養老山地が見える。時間的に昼過ぎになり遠くの景色は霞んではっきり見えなく、写真では表現できないのが残念だ。ここでお昼御飯の時間になり、素晴らしい景色を眺めながら美味しくいただいた。
 
 午後は、楽しみが二つ、その一つはフクジュソウに出会うこと。その二は霊仙山の登頂だ。

今畑登山口を出発

今畑廃村を通り抜ける

笹峠へ快適な登り

笹峠はもうすぐだ

南西尾根の近江展望台が見えてくる 笹峠手前にて

笹峠付近

近江展望台へ急登開始

近江展望台への急登

近江展望台

近江展望台で昼食

近江展望台から霊仙山を望む

近江展望台から琵琶湖を望む

近江展望台から御在所山・御池岳等を望む

近江展望台から琵琶湖(長浜方面)を望む
 近江展望台の素晴らしい景色を楽しみ、昼食を済ませ霊仙山へと西南尾根を進んだ。7、8分歩くと待望のフクジュソウが見え始めた。フクジュソウとご対面だ。フクジュソウはほぼ尾根に沿って約1000m群生しており、素晴らしい。きれいな、可愛いフクジュソウを見つけては大喜び、黄色いっぱい群生している個所見つけて大感激。でも、フクジュソウ群生地までの間にはトリカブトが群生していて、そのうちにフクジュソウはトリカブトに侵食されるのではないかと心配に思った。フクジュソウに気をとられチョッと危ないよそ見しながらの尾根歩きだった。

霊仙山 近江展望台から

近江展望台から霊仙山へ

フクジュソウ

フクジュソウ

フクジュソウ

フクジュソウ
 フクジュソウの鑑賞も終わり、霊仙山最高峰への取付で余りにも展望が素晴らしいので小休止。霊仙山はゆったりした山並みで高原状でいくつかのピークがある感じだ。ここでは霊仙山主峰と最高峰の連山が美しいうねりをかもしている。今居る西南尾根との間は緩やかなササの草原の谷になっていて無数の筋のような道ができている。鹿の通り道だろうか。

 しばらく景色を楽しんで歩き始めると、鹿が現われた。十数匹の鹿が草原を駆けていった。最高峰の肩辺りまで登ってくると、白い花が目に入ってきた。ヒロバアマナだ。非常にきりっとした花で、勲章のような形だ。少しはなれてキバナアマナも咲いていた。

 13時40分過ぎ、霊仙山最高峰に到着。標高点1094mのピークだ。ここからも霊仙山の大きなうねりが美しい。山頂は石灰岩などの地形で、ゴロゴロ小さな岩がとびだしている。登山口近くに河内の風穴があったが、山頂はカルスト台地のようになっている。最高峰、霊仙山主峰、経塚山などカレンフェルドと呼ばれ、石灰岩が割れ目に沿ってとかされ、尖った岩が一面並んだ地形になっている。岩が多く露出している山頂付近外は、ササの草原になっている。

霊仙山(左)と最高峰(右) 南西尾根より

ヒロバアマナ

ヒロバアマナ

キバナアマナ

コバイケイソウ

霊仙山 最高峰に到着

霊仙山 最高峰にて

霊仙山 最高峰(標高1094m)

霊仙山 最高峰より

霊仙山 最高峰より
 壮大なカルスト台地を少し下り、経塚山への分岐から登り返すと、霊仙山山頂に到着した。霊仙山は、標高1083.5mで二等三角点になっている。展望はいうまでもなく素晴らしい。山容が非常に大きいので、非常に雄大だ。北側には、琵琶湖、伊吹山などの山並みが、東から南にかけて、最高峰から近江展望台の西南尾根が美しく延びている。

 霊仙山の山頂付近は、経塚と呼び古代の霊仙寺跡があったとされ、白鳳時代役小角が開山したと説明されていた。霊仙三蔵法師はこの地の豪族の出と伝えられている。経塚山の名前はこのような背景からつけられたのだろうか。

霊仙山 山頂にて

霊仙山 二等三角点(標高1083.5m)

西南尾根・近江展望台(右端) 霊仙山より

霊仙山最高峰と西南尾根 霊仙山より

経塚山(右)の連山・琵琶湖(左奥)・伊吹山()中央奥 霊仙山より
 霊仙山で素晴らしい景色を楽しんだ後、経塚山を経て下山にかかった。分岐まで戻り、経塚山との鞍部まで約90m下り、30mほど登りかえすと経塚山山頂に着く。経塚山は標高1040mで、カレンフェルドが一番顕著なピークだ。こちらから見る霊仙山は、最高峰と主峰が並び大きな大きな山だ。

霊仙山下山開始

霊仙山から鞍部に下り経塚山へ

経塚山へ到着

経塚山 山頂(標高1040m)にて

霊仙山 経塚山より

経塚山 山頂のカレンフェルド

お虎ヶ池へ

霊仙山
 霊仙山の景色の変化を楽しみながら、広大な草原の中を下った。やがて鳥居があり、小さな池に着いた。お虎ヶ池で、霊仙神社がお祀りしてあった。お虎ヶ池はドリーネと呼ばれ、石灰岩の割れ目などが溶けてすり鉢上の穴ができ池になったという。お虎ヶ池ということで、タイガースの勝運を祈ってきた。

 さらに、草原を歩くとお猿岩に着く。お猿の格好がどこから見ればいいのかよく分からなく、名前の由来がよく分からなかった。この岩はカレンフェルドの大きな岩だろうか。

 お猿岩を過ぎると、下りにかかる。標高差約400mを下り、汗フキ峠へ、ここからさらに150mほど下ると、落合に着く。この集落も生活観が一部見られるものの廃村に近い感じがした。ここからバスで往路を戻った。大阪梅田着18時35分。

 霊仙山は、非常に大きな山で花も多くいい山だと思った。霊仙といえば「蛭」を想像していたが、尾根コースをとると大丈夫なようだ。

 楽しい山旅を案内いただいたリーダーさんに感謝します。ありがとうございました。

お虎ヶ池・霊仙神社

お猿岩に到着

お猿岩

お猿岩

ミヤマカタバミ

ヒトリシズカ

汗フキ峠

 

落合に下山

落合登山口
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コース
  梅田(8:00)=[貸切バス]=多賀SA=彦根IC=今畑登山口(10:15/10:25)〜笹峠(11:20)
  〜[西南尾根]〜近江展望台(12:10/昼食/12:38)〜[フクジュソウ群生地]〜
  霊仙山最高峰(13:45)〜霊仙山(13:56/14:12)〜経塚山(14:25)〜お虎ヶ池(14:40)〜
  お猿岩(14:50/15:00)〜汗フキ峠(15:39)〜落合〜(16:10/16:15)=[貸切バス]=梅田(18:35)

天 候  晴れのち晴れ
参加者 22名 
実施日 2010.04.19  
ツアー  毎日新聞旅行