釈迦ヶ岳・大日岳 天狗山より
大峰奥駈
天狗山 標高1537m 地蔵岳 標高1464m 涅槃岳 標高1376m
証誠無漏岳 標高1301m 阿須迦利岳 標高1251m 
前鬼〜太古の辻〜天狗山〜地蔵岳〜涅槃岳〜証誠無漏岳〜阿須迦利岳〜持経の宿
 5月23日から25日で南大峰奥駈道を太古の森から行仙岳まで2日間で歩いた。2012年4月に大峰奥駈道を弥山から八経ヶ岳、明星ヶ岳、仏生ヶ嶽、孔雀岳、釈迦ヶ岳そして太古ノ辻まで歩き前鬼に下った。今回はその続きで第1日目は、前鬼までの移動日、第2日目は、太古の辻、天狗山、地蔵岳、涅槃岳、証誠無漏岳、阿須迦利岳、持経の宿まで歩き、第3日目は持経ノ宿、転法輪岳、倶利迦羅岳、行仙岳まで歩く予定だ。

 5月23日第1日目は、移動日で大阪梅田を9時前にバスで出発、道の駅大淀で休憩をとり、道の駅上北山で昼食にした。上北山温泉は営業しているようだが、かみきたホテルは休業しているようだ。以前大台ケ原、大普賢岳に登ったとき利用したホテルでなかなか良かったのに残念だ。

 国道169号線の前鬼口標高320mから池原貯水池を右下に見ながら前期川に沿ってくねくねと細い道を上がって行く。標高440m辺りに展望台がありその先に、不動七重ノ滝が見える。かなりの迫力だが近くまで行けそうだが2時間近くかかりそうなので展望だけにした。

前鬼山 不動七重の滝

前鬼山 不動七重の滝

前鬼山 不動七重の滝
 1時30分ごろ前鬼の小仲坊に到着。裏行場に何人か行ったようだがほとんどは風呂で行水し夕食までくつろいだ。夕食後明日の早起きに備えて早く就寝した。

 前鬼、後鬼は役行者が従えていた夫婦の鬼で、前鬼は夫、後鬼は妻だそうだ。前鬼と後鬼には5人の子供がいて五鬼または五坊と呼ばれ修行者のために宿坊を開いていたそうだ。その中のひとつが小仲坊で現在も続いていて61代目が継がれているという。

前鬼 小仲坊

前鬼 行者堂

オオヤマレンゲ

オオヤマレンゲ
 5月24日第2日目、早朝4時半に朝食を頂き登山準備をし、5時14分太古ノ辻を目指して登りはじめた。夜半から雨が降っていたがまもなくやみそうな感じだ。小仲坊から登り始めると石垣が沢山あり正面に後鬼熊行者坊跡がある。多くの石垣はそれらの宿坊跡だろう。

小仲坊で出発準備

小仲坊で出発準備

小仲坊を出発(標高820m)

太古ノ辻へ
 宿坊跡の石垣を過ぎると沢沿いに登って行く。しばらく登ると木々の間から陽が射しいい天気の中奥駈道を歩けそうだ。標高950m辺りで衣服調整の小休止、もう雨具は要らないようだ。

 岩がゴロゴロする沢を登り、木階段の道が連なっていてそれを登り高度を上げて行く。

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ
 登りが次第に急になったところで二ツ岩標高約1250mに到着、小休止をとる。二ツ岩はかなり特徴のある岩でしばらく眺めながら休憩した。

二ツ岩(標高1250m)

二ツ岩

二ツ岩
 二ツ岩から少し巻いて登りまた木階段など急登を登って行く。次第に明るい樹林帯になり気持ちも明るくなってくる。右側の尾根を見ると五百羅漢といわれる岩峰が尾根全体に広がっている。大日岳東の岩峰も面白い。
大日岳も所々岩が露出し美しくそびえている。釈迦ヶ岳方向から以前見たときは大きな石を積み上げたような山容だったような気がするが、こちら側からだと三角錐の美しい山だ。

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ

太古ノ辻へ

千手岳

大日岳

太古ノ辻(標高1460m)
 登り切ると太古ノ辻標高約1460mに到着、明るく広々したところでゆっくりした。太古ノ辻は前回の終点で、今回の始点だ。ここから大峰南奥駈道になる。

 南奥駈道は、30年ほど前、「さびれた大峯・南奥駈の道をよみがえらせ、日本古来の精神文明を見直そう」と、「新宮山彦ぐるーぷ」が3年かけて刈拓きされてできたそうだ。太古ノ辻から熊野本宮間の刈拓きを、修験行者の千日回峰行になぞらえて、「千日刈峰行」と銘打って行なったそうだ。行程の長過ぎるところに行仙宿小屋を立てたり、平治ノ宿改築したり、持経ノ宿小屋を管理されたりしているという。

 一息入れて南奥駈道を歩き始める。少し登ったところで振り返ると大日岳が美しく見える。シロヤシオの花ガ見られたが少し遅いようだ。蘇莫岳(そばくさだけ)山頂を越えて進む。山頂には仙人舞台石の標識があったが確認できなかった。

太古ノ辻

太古ノ辻から天狗山へ

大日岳を振り返る

天狗山へ

蘇莫岳(そばくさだけ)(標高1521m)

シロヤシオ
 蘇莫岳をあとに、前方に見える行仙岳、笠捨山、地蔵岳そして石楠花岳を目指して快適に歩く。石楠花岳の標石から山頂付近を巻いて進んで行く。残念ながらツアーの弱みで先ほどの蘇莫岳とあわせて石楠花岳の山頂にきっちり行けないことだ。

行仙岳・笠捨山・地蔵岳・石楠花岳

石楠花岳(標高1472m)

釈迦ヶ岳・大日岳
 石楠花岳をあとに天狗山へと向かう。尾根道の所々にシロヤシオやシャクナゲが咲いている。天狗山山頂近くから振り返ると釈迦ヶ岳、大日岳、蘇莫岳、石楠花岳、大台ケ原などが展望できる。素晴らしい大峰の山々だ。やがて天狗山山頂に到着。

シャクナゲ

天狗山へ

天狗山へ

天狗山へ

釈迦ヶ岳・大日岳・蘇莫岳・石楠花岳・大台ケ原
 天狗山は、標高1537mで三等三角点になっていて大峰南奥駈方面の展望が素晴らしい。天狗山をあとに地蔵岳へと向かう。

天狗山 三角点

天狗山 三等三角点(標高1537.2m)

天狗山 山頂

天狗山 山頂にて

転法輪岳・行仙岳・倶利迦羅岳・笠捨山・地蔵岳・涅槃岳・・・ 天狗山より

シロヤシオ

地蔵岳へ

地蔵岳へ

地蔵岳へ
 尾根をしばらく進むと奥守岳だ。奥守岳は、標高1480mで小さなピークといった感じでそのまま通過した。奥守岳から下った鞍部に到着、嫁越峠だ。ここから少し登ると平らな広場になり、天狗の稽古場だ。天狗の運動場とでも言うのだろうか。さらに登ると地蔵岳に到着する。

奥守岳を通過

奥守岳(標高1480m)

地蔵岳へ

地蔵岳へ

嫁越峠(標高1350m)

地蔵岳

地蔵岳へ

天狗の稽古場
 地蔵岳は、標高1464mで山頂には靡(なびき)があり、秘伝(ひで)と呼ばれる奉納札がおかれている。山頂から南奥駈の山々がよく見え、この先は熊野から太平洋に続いているのであろう。

地蔵岳に到着

地蔵岳 山頂(標高1464m)

地蔵岳 山頂

地蔵岳 山頂にて

地蔵岳より南の山々を望む

転法輪岳・行仙岳・倶利迦羅岳・笠捨山・涅槃岳・・・ 地蔵岳より

涅槃岳へ

涅槃岳へ
 地蔵岳をあとにどんどん下って鞍部からピークに登り返すと般若岳、標高1328mを通過する。途中真っ赤なヤマツツジが美しい。実際の般若岳山頂は標識より上のようで、回り込んで前進する。振り返ると岩峰になっていた。

ツツジ

ツツジ

涅槃岳へ

涅槃岳へ

般若岳(標高1328m)

般若岳の岩峰を巻いて進む

涅槃岳へ

涅槃岳へ

滝川辻

滝川辻を通過

涅槃岳へ

涅槃岳へ

涅槃岳へ

涅槃岳へ

乾光門(拝み返しの宿跡)

乾光門で休憩
 小さなピークに来ると滝川辻になり、さらにどんどん進むと、小ピークを通過する。少し急な斜面を下り終えると鞍部になり、乾光門(けんこうもん)に到着、ここで小休止にした。

涅槃岳へ

涅槃岳へ

振り返ると釈迦ヶ岳・地蔵岳が見える

涅槃岳へ

涅槃岳に到着

涅槃岳 山頂にて
 ここから標高約120m尾根道を登って行くと、涅槃岳山頂に到着する。山頂は広くくつろげる場所なので昼食にした。

 涅槃岳は、標高1376mで三等三角点になっている。周りは木が茂っているため展望は望めない。般若岳は、奥駈の75ある靡(なびき)の24番、ちょうど昼食が終わった頃、50人の修験者が熊野那智青岸渡寺から上がってきた。靡に秘伝(ひで)をおいてほら貝が鳴る中、読経が始まった。一部始終見させていただいて般若心経も唱えさせてもらった。

 大峰奥駈の行場を巡る方法は2つあり、本宮から吉野に向かう順峯(じゅんぷ)、逆に吉野から本宮に向かう逆峯(ぎゃくふ)で、それぞれに宗派が異なるらしい。今回お逢いした団体は順峯でこれから前鬼まで行かれるそうだ。来年前鬼から吉野へと繋ぐとか話されていた。

涅槃岳 山頂

涅槃岳 三等三角点(標高1376.2m)

涅槃岳に大峰奥駈修験者50人が熊野から上がってきた

涅槃岳山頂は大賑わい

涅槃岳をあとに証誠無漏岳へ
 大峰奥駈の修験者とお会いして古から続く修行の一部を垣間見ることができた。国の史跡「大峯奥駈道」そして、ユネスコの世界遺産に指定された「紀伊山地の霊場と参道道」少し足を踏み入れた感じがした。

 一段落して涅槃岳をあとに鞍部まで尾根をどんどん下り、登り返すと証誠無漏岳(しゃじょうむろうだけ)標高1301mに到着した。

証誠無漏岳へ ヒメシャラの樹林

証誠無漏岳へ

証誠無漏岳へ

証誠無漏岳へ

証誠無漏岳 山頂(標高1301m)

証誠無漏岳 山頂(標高1301m)

証誠無漏岳 山頂にて

証誠無漏岳をあとに阿須迦利岳へ
 証誠無漏岳をあとに今日最後のピークに向かう。しばらく下ると証誠無漏岳の尾根頭のようなところになり急な崖の下りになる。クサリがさがっていて一人ひとり慎重に下る。鞍部まで下り登り返すと阿須迦利岳(標高1251m)に到着した。

阿須迦利岳へ クサリ場

阿須迦利岳へ クサリ場を下る

阿須迦利岳へ

阿須迦利岳へ

阿須迦利岳に到着

阿須迦利岳(標高1251m) 山頂にて

阿須迦利岳 山頂 ・・・新宮山彦ぐるーぷの案内板・・・

持経ノ宿へ

持経ノ宿へ

持経ノ宿に到着(標高1050m)
 阿須迦利岳をあとに下りきると持経ノ宿に到着した。ここから林道を200mほどのところが明日の出発点になる。今日はここから林道を下りゲートまで4km余下った。明日はここまで戻ってきて行仙岳までのコースだ。

林道ゲートへ

奥駈道の続き分岐 明日はここから行仙岳まで歩く

4km以上の林道を下る

林道を下る
 約40分ひたすら林道を下りゲートの到着、ここからバスで今日の宿下北山スポーツセンターへ細い林道を下った。下北山スポーツ公園に到着。少しはなれた高台の下北山温泉きなりの湯に入ってゆっくりくつろいだ。

林道ゲート(標高750m)に無事下山

今日の宿 下北山スポーツ公園(標高220m)に到着
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天狗山

基準点名:天狗岳
等級種別:三等三角点
標高:1537.2m
所在:奈良県下北山村
地図:釈迦ヶ岳


   天狗山 山頂

天狗山 三等三角点 1537.2m 2015.05.24
涅槃岳(ねはんだけ)

基準点名:赤井谷
等級種別:三等三角点
標高:1376.2m
所在:奈良県下北山村
地図:池原


   涅槃岳 山頂

涅槃岳 三等三角点 1376.2m 2015.05.24
蘇莫岳(そばくさだけ)
標高:1521m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:釈迦ヶ岳










蘇莫岳 山頂 1521m 2015.05.24
石楠花岳
標高:1472m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:釈迦ヶ岳










石楠花岳 山頂 1472m 2015.05.24
奥守山(おくもりだけ)
標高:1480m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:釈迦ヶ岳









奥守岳 山頂 1480m 2015.05.24
地蔵岳
標高:1464m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:池原


   地蔵岳

地蔵岳 山頂 1464m 2015.05.24
般若岳
標高:1328m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:池原









般若岳 山頂 1328m 2015.05.24
証誠無漏岳(しょじょうむろうだけ)
標高:1301m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:池原









証誠無漏岳 山頂 1301m 2015.05.24
阿須迦利岳(あすかりだけ)
標高:1251m

基準点:なし
所在:奈良県下北山村
地図:釈迦ヶ岳









阿須迦利岳 山頂 1251m 2015.05.24

コース
5/23
 梅田(8:50)=[バス]=道の駅大淀(10:00/10:15)=道の駅上北山(11:40/昼食/12:1)=
不動七重の滝(1250/13:00)=前鬼 小仲坊(13:25)  (泊)
5/24
 小仲坊(5:14)〜(5:40/5:45)〜二ツ岩(6:28/6:39)〜太古ノ辻(7:26/7:40)〜
蘇莫岳(7:51)〜石楠花岳(7:50)〜天狗山(8:37/8:50)〜奥守岳(9:06)〜嫁越峠(9:22)〜
天狗の稽古場(9:37)〜地蔵岳(9:44/9:56)〜般若岳(10:18)〜滝川辻(10:32)〜
乾光門(10:52)〜涅槃岳(11:24/昼食/11:53)〜証誠無漏岳(12:17/12:26)〜
阿須迦利岳(13:03/13:11)〜持経ノ宿(13:30/13:38)〜奥駈道の続き分岐(13:40)
〜林道ゲート(14:39/14:48)=[バス]=下北山スポーツ公園(15:28)  (泊)
5/25
 下北山スポーツ公園(6:40)=[バス]=林道ゲート(7:10)〜
持経ノ宿・奥駈道の続き分岐(8:17/8:26)〜持経千年桧(8:32)〜ミズナラの巨樹(8:50)〜
両又分岐(9:06)〜平治ノ宿(9:21/9:31)〜転法輪岳(9:56/10:06)〜
倶利迦羅岳(10:37/10:49)〜(11:28/昼食/11:55)〜怒田ノ宿跡(12:16)〜
行仙岳(12:35/12:52)〜笠捨山分岐(12:55)〜白谷トンネル東口(13:30/13:37)=[バス]=
下北山温泉きなりの湯(14:24/入浴/15:00)=道の駅大淀(17:05/17:16)=梅田(18:28)

天 候  5/23 曇り  5/24 晴れ  5/25 曇り
参加者 15名
実施日 2015.05.23-05.25
ツアー 毎日新聞旅行 kawamura matsukawa