屋島 長崎の鼻・北嶺・南嶺 高松港より
屋 島 南嶺 標高292m 北嶺 標高282m
道路元標探訪 屋島村 高松市
屋島古道〜屋島寺〜畳石〜南嶺〜千間堂跡〜北嶺〜遊鶴亭〜長崎鼻
 2月6日、屋島の南嶺と北嶺に登った。JR大阪駅から西日本JRバスさぬきエクスプレスで高松に向かった。高松駅前に11時18分到着、タクシーに分乗して屋島古道の登山口に11時40分到着。

 タクシーを降りて支度し出発した。ほんの少し住宅地を進むと林道になり登り切ったところに右上に続く山道らしき道がある。来た道を直進すると下って行くので確かめて右上に登って行く。住宅のところには立派な案内板が付いていたのにここにも案内が欲しいものだ。

屋島 タクシー車窓より

屋島古道 登山口(標高10m)

南嶺へ

南嶺へ 屋島古道「がんじんの道」
 猪避けのフェンスをくぐって登っていく。低い山だが結構な急登だ。標高280mまで落葉や堆積岩の小石の急坂をジグザグに登る。約45分で屋島城跡の広場に到着。

 登ってきた道を振返ると「屋島古道 がんじんの道」の看板があった。屋島寺を創建した唐僧の鑑真和上がこの道を登ってきたのだろうか。

南嶺へ

南嶺へ

屋島の台地 屋島城跡(櫓ヶ丘)に到着

屋島城跡(櫓ヶ丘)
 屋島城跡に登り着くと平坦な広い台地になる。屋島は南嶺292m、北嶺282mで山頂部は平坦で広い台地だ。昔、学校で屋島台地と教わったように思うがまさにその通りだ。

 瀬戸内海の生い立ちの説明板があって、それによると500万年前に地殻変動で中国山地、四国山地が隆起し、瀬戸内は沈降した。150万年前に淡路島や小豆島、備讃諸島、芸予諸島など骨格ができた。その後氷河期が繰り返し海面上昇低下を繰り返し、陸地が変化していった。氷河期が終わると氷河が解け海面が上昇し、瀬戸内に海水が入ってきて瀬戸内海になり、6000年前におよそ現在のようになったそうだ。

 屋島城は、南嶺と北嶺全体におよんでいたそうだ。屋島の周囲はほとんどが断崖で断崖の切れ目に城壁が築かれているそうだ。外周道を半時計方向に進んで行くと、展望も素晴らしく、高松市街、女木島(鬼ヶ島)、男木島そして北嶺の一部も見える。

高松市街・女木島(鬼ヶ島)・男木島・北嶺 屋島城跡より

鬼のモニュメント 観光客に親切に

南嶺へ

高松市街・女木島(鬼ヶ島)・男木島 屋島城跡より
 少し歩くと子供達の賑やかな歓声が聞こえてきた。水族館があってイルカショーでもやっているのだろうか。なぜ山の上に水族館なのか観光のためだろうが面白い。

 754年、唐僧の鑑真和上が屋島の北嶺に普賢堂を建て、持参していた普賢菩薩像と経典を納めて創建したそうだ。その後、鑑真の弟子が堂塔建立などし、「屋島寺」となった。815年に、弘法大師が嵯峨天皇の勅願を受けて、北嶺にあった伽藍を現在地の南嶺に遷し、十一面千手観音を本尊にしたそうだ。

屋島寺 本堂

蓑山大明 四国狸の総大将「太三郎狸」
 屋島寺仁王門下に、屋島村道路元標があるとのことで昼食時間に訪れてみた。仁王門前の石段を下ると遍路道になっているが、石段下に建っていた。この屋島村道路元標を基点に、屋島大地の周遊道や遍路道がつながっていたのだろうか。

屋島村道路元標

屋島村道路元標
 全員そろってお遍路道の途中にある畳石を見に行った。畳を何枚も重ねたような形をした奇岩で、安山岩が水平方向に発達したも。名前の由来は、西行法師の歌が畳石の名の由来だという。
「宿りしてここにかりねの畳石、月は今宵の主ならん 最行法師」

 この畳石は、厚さmcの板状の安山岩が積み重なったような景観で、メサとともに屋島の特徴的な地形を表している。日本では、屋島、万年山、荒船山などがメサの代表例だろう。

畳石

畳石

畳石
 今日の登山目的の南嶺に向かう。南嶺の山頂は雑木林の中にあった。余り多くの人が行かないのか踏み後は少しだ。

 南嶺は標高292mで一等三角点になっている。展望は雑木林で全く駄目だ。すぐ横に大きな無線設備だろうか鉄塔が建っている。

南嶺へ

南嶺に到着

南嶺の鉄塔

南嶺 三角点にて

南嶺 三角点

南嶺 一等三角点(標高292m)
 一等三角点をあとに周遊道に出て北嶺へと向かう。源平屋島合戦史跡案内図のある展望台から小豆島、船隠し、五剣山、相引川、那須与一扇の的、安徳天皇社、洲崎寺を見渡すことができる。五剣山(八栗山)の山容が特徴的、那須与一扇の的は身近に感じる。これらの景色は談古嶺へと続き素晴らしい。

 目の前に登りたい山が現れた。四国第八十五番札所八栗寺の背後にそびえる行場の五剣山(八栗山)だ。五剣山は、登山禁止とか巷で言われているが修行場になっていて登ることはできるそうだ。一度登ってみたい山だ。余談だが今年のNHKの大河ドラマ、真田丸のタイトルバックの最初に出てくる岩櫃山も妙義山に似ていて非常に興味ある山だ。

源平屋島合戦史跡案内図  小豆島・船隠し・五剣山・相引川・那須与一扇の的 安徳天皇社・洲崎寺

源平屋島合戦史跡  小豆島・船隠し・五剣山・相引川・那須与一扇の的

談古嶺

談古嶺唐望む北嶺
 談古嶺に到着、源平屋島合戦を想像しながら素晴らしい景色を楽しむ。ここからこれから向かう北嶺が見えやはり山頂は台地になっている。ここから細い尾根を少し下って北嶺へと進んで行く。

 細い尾根には登山道や岩にネットが貼ってある。道の右は絶壁でその下に一般道があり落石防止のためにネットが貼ってあるとのことだ。

北嶺へ

北嶺へ

切立った尾根道にはネットがかけてある(下は一般道)

北嶺へ

北嶺の手掛かりはない

北嶺へ 千間堂広場に出た
 北嶺に近づいてきたが、案内板でははっきりしない。やがて前が開け千間堂広場にそして雑木を分け入ると千間堂跡に着いた。屋島寺の前身となる寺院があった跡地で鑑真和上が都へ向かう途中で屋島を訪れ、お堂を建てて普賢菩薩を安置したと伝えられているが、遺構が認められずよく分からないそうだ。

千間堂跡

北嶺の標高点を求めて
 北嶺の標高点282mを探すがなかなか見つからない。それらしい踏み跡を頼りに雑木林に踏み込んで見ても見つからなかった。それにしても標高282mの広い台地の一点を探すのは無理なようだ。個人山行だとGPSで雑木林に立ち入ってその点に立てると思うがツアーでは個人プレーができないので残念する。

 諦めて少し下ると木の枝に北嶺の表示が下がっていた。岡山徒歩の会が付けたもので標高280mの等高線辺りにあった。地図で見るとこの地点より南南東に約300mのところが標高点だ。岡山徒歩の会の人が標識を付けようと探したが確定できず下ってきたところでぶら下げていったのではないだろうか。いずれにしろ標高282mの台地のどこかが山頂だろう。観光協会などが南嶺、北嶺の位置を決めて標識を建ててくれたらうれしいのだが。

北嶺の標高点探すが

北嶺の標高点を求めて

北嶺の表示を発見(岡山徒歩の会が付けたもの)

ちょっと不満ながら遊鶴亭へ
 すっきりしないまま雑木林を抜けると遊郭亭に到着、パッと展望が開け晴れやかな気持ちに切り替わる。眼下には長崎の鼻が美しく見え、周囲には大パノラマが広がって見えた。女木島(鬼ヶ島)、男木島、長崎の鼻、大島、小豆島、船隠し、五剣山など素晴らしい眺めだ。

遊鶴亭に到着

女木島(鬼ヶ島)・男木島・長崎の鼻 遊鶴亭より

大島・小豆島・船隠し・五剣山 遊鶴亭より

長崎の鼻 遊鶴亭より

北嶺登山口へ 急坂を下る
 展望を楽しんで遊鶴亭をあとにして急斜面を下る。急なところが過ぎると、洞窟が上下左右に沢山ある。この洞窟は黒石の採掘跡だそうだ。北嶺登山口まで下るとタクシーが待っていた。歩く予定だったがタクシーで長崎の鼻へちょっとらくちんした。

長崎の鼻

北嶺登山口へ 急坂を下る

女木島(鬼ヶ島)

大きな洞窟が上下左右に沢山見られる

北嶺登山口へ
 駐車場の先から下に長崎の鼻が白く光っていた。ここには長崎の鼻砲台跡が残っている。江戸幕末外国艦船が日本近海に出没するようになり、高松藩でも海防論が高まり、ここに砲台を築いたそうだ。ここから屋島を振返ると北嶺が台形でなく手前に尖った峰が見えきりっとしまって見え美しい景観をしている。

長崎の鼻

長崎の鼻

長崎の鼻 三角点

長崎の鼻 四等三角点(標高8.5m)

長崎の鼻から望む北嶺
 長崎の鼻からタクシーで高松駅に戻りここで一次解散した。早い人は出発間際の16時発で、その次は16時30分発で大阪へと帰って行った。私は、屋島で道路元標を見たので少し時間をとって高松市道路元標を探訪した。

 高松市道路元標は、中央通りと美術館通り交差点にあり、中央分離帯の北側にあり、その南側にはやくもばしがあった。

 道路元標がすぐ見つかったので、6時30分のバスに間に合うようだったが、せっかくだから高松港に行ってみた。ここから屋島が細長く横たわって見えた。フェリーも行き交っていて美しい光景だった。今はフェリーが出ているがその昔、宇高連絡線が岡山県宇野と香川県高松市をつないでいた。沈没した紫雲丸が思い出された。

 高松の散策を終え当初予定通りの17時30分発のバスで帰阪した。参加の皆さんありがとうございました。ご案内いただいたリーダーさんありがとうございました。

道路元標のある交差点

交差点の南側にあるやくもばし

高松市道路元標

高松市道路元標

屋島 高松港より

屋島 高松港より
  
 
屋島 南嶺

基準点名:屋島山
等級種別:一等三角点
標高:292.0m
所在:香川県高松市
地図:高松北部

 屋島 北嶺・南嶺         南嶺 三角点

屋島 南嶺 一等三角点 292.0m 2016.02.06
屋島 北嶺

基準点名:−
等級種別:−
標高:282m
所在:香川県高松市
地図:高松北部

 屋島 北嶺・南嶺         北嶺

屋島 北嶺 282m 2016.02.06
屋島 長崎の鼻

基準点名:長崎鼻
等級種別:四等三角点
標高:8.5m
所在:香川県高松市
地図:高松北部

 屋島 長崎の鼻

屋島 長崎の鼻 四等三角点 8.5m 2016.02.06
屋島村道路元標 (高松市)
所在:高松市屋島東町
屋島寺仁王門から少し下の参道の角にありました。

屋島寺仁王門           屋島村道路元標




屋島村道路元標 2016.02.06
高松市道路元標 (高松市)
所在:高松市紺屋町
中央通りと美術館通り交差点、中央分離帯の北側にありました。











高松市道路元標 2016.02.06

コース
 JR大阪(7:40)=[西日本JRバス・さぬきエクスプレス]=室津PA=
高松駅前(11:18/11:30)=[タクシー]=屋島古道登山口(11:40/11:48)〜[かんじんの道]〜
屋島城跡・櫓ヶ丘(12:35/12:42)〜屋島寺(12:50/昼食/13:15)〜屋島村道路元標(13:17)〜
畳石(13:3)〜山門(13:31)〜南嶺(13:43/13:48)〜談古嶺(13:58)〜千間堂跡(14:31)〜
北嶺(14:45)〜遊鶴亭(14:50/14:56)〜北嶺登山口(15:16)=[タクシー]=
長崎の鼻(15:21/15:27)=高松駅(15:47) (一次解散)
 高松市道路元標探訪・市内散策〜高松駅前(17:30)=[さぬきエクスプレス]=
室津PA=JR大阪駅21:14)

天 候  晴れ
参加者 10名
実施日 2016.02.06
毎日新聞旅行  nishijima