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伊勢山上 裏行場・表行場 |
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12月8日、三重県松阪市飯福田(いぶた)町、飯福田寺の伊勢山上行場巡りをした。7時50分梅田を出発、名神、伊勢道を走って松阪市へと向かった。土山SAで休憩して一志嬉野ICを降り、中村川沿いに飯福田町へと入った。
道路脇に山門がぽつんとあり、飯福田寺の仁王門だ。ここで支度をして少し戻り、裏行場へ先に向かった。 |
飯福田寺 仁王門 |
裏行場へ |
川沿いに進みと鳥居があり、すぐ急な岩の斜面にクサリが下がっている。今日は大人数なのでさっそく待ち時間が多くなる。すいすい登れる人はクサリに頼らずそうでない人はしっかりクサリをつかって登ることにした。
登り終えると尾根に出ると達磨岩で、少し進むと大きな岩の上に出る。 |
裏行場入口 油こぼし |
油こぼし |
岩尾根を登る |
獅子ヶ鼻 |
大きな岩は、獅子ヶ鼻と呼ばれ、修行の場はこの岩の奥からの下りのようだ。下りのクサリ場を降りるのにかなり時間がかかり約50分待ちだ。獅子ヶ鼻の岩から発坂山が見え、これから登る伊勢山上の尾根も見える。ここから表行場の岩屋本宮が見えるような情報もあったが見つけることはできなかった。 |
獅子ヶ鼻 掘坂山(中央奥)・伊勢山上 |
獅子ヶ鼻 |
獅子ヶ鼻奥の岩場を降りる |
みんなが使ったビレイロープの片付けを手伝いながらクサリ場を下る。簡単なクサリ場だが落ちれば大変なことになるので慎重にならざるをえない。 |
獅子ヶ鼻奥の岩場を降りる |
獅子ヶ鼻奥の岩場を降りる |
裏行場出口へ |
仁王門 |
岩場を降りると裏行場は終わりで道路側へ戻ってきて仁王門に戻った。仁王門で昼食にして午後はいよいよ表行場だ。
飯福田寺へ足を進めると石段の横に案内図や注意書きが建てられている。案内板の山や行場の絵は非常に厳しく描かれていて、思わず足がすくむ感じになる。 |
伊勢山上行場案内図(飯福田寺の案内板より) |
飯福田寺 |
飯福田寺 |
飯福田寺は、役行者が巨大な岩の窟に百日間こもって修行した。通称伊勢山上と呼ばれる修験道場だ。標高は380mほどで大峰山にはほど遠い。これから向かう行場には巨岩、巨石がたくさんあって修行にうってつけだという。石段を登ると薬師堂が正面にありお参りして左側から表行場へと進んでいく。 |
飯福田寺 |
飯福田寺 薬師堂 |
行場入口を入ると急斜面のジグザグ道になり辻に、愛染明王、愛宕大権現、役行者像、毘沙門天そして女人堂がある。女人堂があるということは女人禁制だったのだろう。山伏の修行の場であったが明治以降に一般に開放され多くの人が入山するようになったそうだ。
入口の注意板に「されど行場に於いては至心慎重に行動し聊かも油断、転落、怪我なきよう充分留意せらてたい」と記されていた。 |
伊勢山上行場入口 |
愛宕大権現 |
行場の始めは油こぼしで急な岩の斜面を登っていく。ここを登らないと行場には入っていけない第一関門だ。クサリが下がっているが各自の技量力量にあわせて登っていく。一段落すると鉄の手摺りが出てきて右に曲がれば岩屋本堂になっている。 |
岩屋本宮へ |
油こぼし |
油こぼし |
油こぼし |
岩屋本堂の祠の奥に役行者が百日間修行した屈があるそうで祠には役行者が祀られている。祠の奥に鐘掛という岩があり修行ではこの岩を登って行くそうだ。足運びを間違うと体勢が悪くなり危険な岩で今回は全員迂回路を登った。 |
岩屋本堂 |
岩屋本堂(飯福田寺の案内板より) |
岩屋本堂 |
鐘掛 |
岩屋本堂より見上げる油こぼし(迂回路) |
油こぼしの上部 |
油こぼしの最上部まで登り切ると尾根道になる。所々に岩や石仏があり、どんどん進むと小天上を通過する。少し下って数回アップダウンを繰返すと一番高い大天井に到着する。ここで小休止をとり後半の行場に備える。 |
大天井へ |
大天井へ |
大天井へ |
小天上 |
大天井へ |
大天井へ |
大天井へ |
大天井 |
亀岩へ |
亀岩に到着 ここから行場が続く |
大天井をあとに少し下ると亀岩に出る。亀岩は単に岩の上を通過するだけなので怖くはないが下を覗いたりして落ちる危険性があるので要注意だ。行く先に岩が見えてくる、蟻ノ戸渡りだろう。 |
亀岩 |
亀岩 |
亀岩から望む蟻ノ戸渡り |
蟻ノ戸渡り遠望 |
鞍掛岩に到着、クサリなどない大きな岩で左側は絶壁だ。念のためビレイロープを張って先に進むがなんとか10分ほどで通過した。 |
鞍掛岩 |
鞍掛岩 |
鞍掛岩 |
鞍掛岩を振返る |
次は、蟻ノ戸渡りでクサリなどはない。ビレイロープを付けて渡っていくが30分以上かかった。岩の上は蟻の大群ならず大渋滞だ。 |
蟻ノ戸渡り |
蟻ノ戸渡り |
蟻ノ戸渡り 蟻!の大渋滞(約20分) |
蟻ノ戸渡り |
蟻ノ戸渡り |
蟻ノ戸渡りを通過すると今度は、今日の一番厳しいとされる小尻返しだ。小尻返しの岩の上に立つと通過してきた尾根が見え、岩屋本堂が谷の向うにやや上から見ることができる。岩屋本堂ある下は顎のように切立っていて恐ろしいところを通ってきたものだ。小尻返しの先に飛石が見え、一人ずつ小尻返しのクサリを下って飛石に人が増えてくる。かたや小尻返しの岩の上は大渋滞で1時間20分ほどの待ち時間だ。 |
小尻返し |
小尻返し |
小尻返しから望む岩屋本堂 |
小尻返しから望む飛石 |
小尻返しの大渋滞(約1時間20分) |
飛石 |
小尻返しのクサリ場を降りる |
風も出てきて寒くなってきたが、今日は幸いいい天気だったので良かったが寒い日で風があれば30分も待てなかっただろう。
ようやく2本のクサリ場を下って、飛石へと登り返す。一人ひとり安全のためビレイしていたので時間がかかったが安全第一だ。
振返ると小尻返しの大岩が見える。岩屋本宮と同じように越えてきた岩の下はえぐれていて大絶壁になっている。この絶壁が見えなかったので小尻返しの岩の上でうろうろしながら順番待ちをしていたが安心できる場所ではなかった。 |
飛石から振り返る小尻返し |
飛石 |
飛石の下り |
飛石を巻くと太いクサリが下がっていてその岩場を下る。下ると平等岩、日も暮れかかってきたのでどんどん下る。もう岩場はないようで樹林帯を下って行く。かなり下ると右手に岩屋本宮は見える個所があり木々の間から絶壁の上に立つ岩屋本堂を望むことができる。やはり役行者が修行した大修行場にふさわしい岩場だ。 |
平等岩 |
樹林帯から望む岩屋本堂 |
行場出口へ |
印象を最強にする岩屋本堂を見て最後の下りで長い急な苔むした石段を降りる。行場最後の石段で油断大敵、慎重に下りきり表行場巡りは終了した。 |
長い急な石段を降りれば修行の終わり |
薬師堂 |
薬師堂、護摩堂を経て仁王門に戻り、バスで帰途についた。伊勢道、名阪道を走り針テラスで休憩、梅田に19時15分到着。
役行者が開いた行場、伊勢山上を巡り良い経験をさせてもらった。少し人数が多かったので待ち時間が長かったがそれも想い出の一つだ。リーダーさん安全第一で、参加の皆さん楽しい思い出をありがとうございました。 |
護摩堂 |
仁王門 |
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伊勢山上
基準点名:−
等級種別:−
標高:379m
所在:三重県松阪市飯福田町
地図:大河内
伊勢山上 |
伊勢山上 大天井 379m 2015.12.08 |
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コース
梅田(7:50)=[バス]=[名神・伊勢道]=土山SA(9:20/9:35)=一志嬉野IC=松阪市=
飯福田寺仁王門(10:40/10:48)〜裏行場入口(10:53)〜獅子ヶ鼻(11:07/待機/11:57)〜
裏行場出口(12:02)〜仁王門(12:07/昼食/12:20)〜
飯福田寺・表行場入口(11:22/12:29)〜油こぼし(12:36)〜岩屋本堂(12:47)〜
油こぼし上(12:54)〜小天上(13:04)〜大天井(13:22/13:34)〜亀岩(13:43)〜
鞍掛岩(13:53/待機/14:06)〜蟻ノ戸渡り(14:06/待機/14:29)〜
小尻返し(14:32/待機/15:58)〜飛岩(16:01)〜平等岩(16:07)〜
岩屋本堂が見える(16:14)〜表行場出口(16:18)〜仁王門(16:21/16:24)
=[バス]=[伊勢・名阪道]=針テラス(17:59/18:16)=梅田(19:16)
天 候 晴れ
参加者 24名
実施日 2015.12.08
毎日新聞旅行 nishijima kawamura
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