求菩提山 求菩提資料館より
 九州百名山  
求 菩 提 山 標高782m
 

求菩提山 豊前市HPより
 1月20日から22日で求菩提山(くぼてさん)に登った。第1日目1月20日は移動日で大阪南港からフェリーで出発、船中泊。

 第2日目1月21日は、求菩提山の登山だ。新門司港に8時30分着、バスに乗り換えて豊前市の求菩提駐車場へと向かった。駐車場に9時40分到着、求菩提山登山を前に求菩提山の豆知識を得ようと先ず求菩提資料館に立ち寄った。

求菩提駐車場にて

求菩提駐車場にて

カラス天狗(標高360m)

犬ヶ岳 岩岳川より

求菩提資料館

求菩提資料館
 求菩提資料館には、求菩提山についての歴史や出土品が展示されている。かつて一山五百坊と形容された山で、豊前修験道のメッカとして英彦山とともに大きな役割を果たした。山中には修行の場や山伏たちの宿坊跡など多くの遺構がある。平成13年(2001)には国の史跡に指定され、わが国を代表する修験の山として評価されたそうだ。

 金剛界大日如来座像(平安時代)、役行者残片(1649年)、銅板法華経(国宝)、銅筥(国宝)などなど多くの出土品が展示してある。

求菩提資料館

金剛界大日如来座像(平安時代)

銅板法華経(国宝)

銅筥(国宝)

求菩提山 求菩提資料館より
 予備知識を得て、駐車場に戻り林道を登っていく。途中、水ノ神という水場や、石仏が所々にある。林道を登りきったとこらが求菩提山入口で案内標が建っている。

求菩提山へ

水ノ神

求菩提山へ

求菩提山入口(標高460m)
 数分で構ノ石門があり、ここから先には山伏たちの集落で、500もの坊があったそうだ。さらに行くと岩に掘られたところに十六仏が祀られている。その先、鬼石坊跡があり石垣には雪が積もってい遺構は見えにくくなってくる。

求菩提山へ

構ノ石門

求菩提山へ

十六仏

鬼石坊

鬼石坊

求菩提山へ

求菩提山へ
 周囲や足元の雪が次第に深くなってきた。座主園地の駐車場に到着。周囲の木々は一気に花が咲いたようで素晴らしい。

 駐車場周辺が園地になっていて、ここに座主坊があった。ここまでの道は舗装道路で緩やかな登り道だったがここからは石段が続く道になってくる。

 苔むした石段が続いていて歴史を感じると言いたいところだが今日は雪が被った階段だ。この石段の左右には宿坊がたくさん建ち並んでいたのだろうか。登り詰めると安浄院跡の石垣があり、その左に豊照神社で毘沙門堂でここから資料館にあった毘沙門天立像(平安時代)が発見されたそうだ。

雪景色 座主園地(標高550m)

求菩提山へ

求菩提山へ

求菩提山へ

豊照神社(毘沙門堂)(標高600m)

雪の石垣
 巻道に入りしばらく行くと獅子ノ口がある。ここより結界でここより上宮まで飲食等が禁じられた聖域だったのでここが水を口にできる最後の場所だった。またこの水によって禊場(みそぎば)ができ、この清流で結界を清浄を守る境になっていた。

求菩提山へ

獅子ノ口
 獅子ノ口を過ぎると鳥居が見え先に進むと護国寺跡で、石段の奥に国玉神社中宮があり、石段下の右に鬼神社がある。

 鬼神社は、犬ヶ岳に凶暴な8匹の鬼がいて害を及ぼすので、これを退治して甕(かめ)に封じ込め、犬ヶ岳の山頂に埋めたと伝えられ、その鬼の霊を祀ったとされるのがこの神社だそうだ。

求菩提山へ

求菩提山へ

鬼神社

国玉神社中宮(護国寺)
 中宮の右端から上へ限りなく続く石段がある。鬼ノ石段で夜な夜な山から下ってきて悪さをする鬼に困り果て、権現様が鬼達に一晩で中宮から上宮まで石段を作り、できなければ山から出て行くよう命じたそうだ。鬼達は凄まじい勢いで石段を積み夜明け前には完成したそうだ。そこで権現様は一計を案じて鶏の真似をして夜明けをを告げた。これを聞いた鬼は約束を果たせなかったことを知って、一目散に逃げ出したとのお話です。

 鬼ノ石段は、一晩で鬼が作ったためかガタガタの石段だ。しかもこの石段は上宮まで850段続いている。今は苔むした大小の石の階段で急なところにはクサリがついている。時代を感じる苔むした石段を見たかったがこの石段も雪がかぶっていてあまり風情がなかった。しかし雪の鬼ノ石段は、上から見るとジャンプ台のようだ。

求菩提山へ 鬼ノ石段(標高660m)

鬼ノ石段 上宮へ850段の石段が続く

鬼ノ石段

鬼ノ石段 鬼が一夜で作った石段

鬼ノ石段
 850段の急な石段はかなりきつい登りだ。頑張って登りきると国玉神社上宮に到着する。上宮が求菩提山の山頂で、山頂標識が最近建てられたようで神社左の隅にあった。

 求菩提山は、標高782mで山頂は国玉神社上宮になっている。展望は木々が茂っていて望めない。昔はここで水も飲めなかったが、失礼して日溜りで昼食にした。

国玉神社上宮 求菩提山山頂

求菩提山山頂(標高782m)

国玉神社上宮(求菩提山山頂
 山頂をあとに護摩壇跡、五窟分岐へと下っていく。標高差50mほど下ったところが護摩壇跡でここから五窟巡りの予定だがその前に、求菩提の三角点峰、虎ノ尾へと求菩提山登山歩道を登り返していく。

護摩壇跡へ

護摩壇跡へ

護摩壇跡へ

胎蔵界護摩壇跡・五窟分岐(標高730m)

虎ノ尾へ

虎ノ尾へ

虎ノ尾へ

虎ノ宿跡
 樹林帯の急な登山道を標高差約75m登り返すと山頂の虎ノ尾に着く。虎ノ尾は、標高806mで三等三角点で点名が求菩提になっている。ここに虎ノ宿があって山伏が峰入りの行場の一つでこの下の岩窟があるそうだ。

虎ノ尾

虎ノ尾 三等三角点(点名 求菩提 標高805.9m)

護摩壇跡へ戻る

護摩壇跡へ戻る

護摩壇跡に戻り五窟へ

五窟へ
 五窟分岐まで戻り、五窟巡りに入る。山道を下っていくとやがて大きな岩壁が見えてくる。第一窟の大日窟で修験道の中心に位置するのが大日如来。大日如来座像(金剛界)を祀っている。現在は、この大日如来坐像は資料館に展示してある。

第一窟 大日窟

五窟巡り
 第一窟から左側の絶壁が荒々しくなりその下を人間が小さく見えるように歩いている。第二窟の普賢窟、求菩提修験道は天台宗と関係が深くその法華教が国宝「銅板法華教」がこの普賢窟より発見された。

第二窟 普賢窟
 普賢窟に並んで普賢滝があり、幾本もの氷柱が下がっていた。次は第三窟、多聞窟で多聞天が祀られている。多聞天は四天王の一つで北の方角を守護している。第一窟から第五窟は、金剛界、胎蔵界からなる曼荼羅の世界を現しているという。

第三窟 多聞窟

五窟巡り

五窟巡り
 第四窟、吉祥窟、求菩提山では平安時代末期盛んに教筒が作られ納経が行われた。吉祥窟背後岩壁の割目に納経されたようだ。

第四窟 吉祥窟

絶壁

五窟巡り
 第五窟、阿弥陀窟、平安時代末日本は末法の時代、人々は社会不安を抱えていた。そんな時代に浄土信仰が高まり、死んだあと阿弥陀如来に救われて極楽浄土に行けるという。この窟には表に阿弥陀如来、裏に地蔵菩薩が彫刻された板碑(資料館蔵)が安置されていた。

 この雪の降るさなか、行者さんが白装束で一心に修行されていた。近くにテントも張ってあり何日も修行されるのだろうか。登山口へと続く道を下り、無事下山して駐車場に戻った。朝、登山届を確認した福岡県警の巡査が下山を確かめにパトカーでやってきていて無事下山を報告した。

第五窟 阿弥陀窟

駐車場へ

駐車場へ

駐車場へ

駐車場へ

求菩提山 登山口

うさ(宇佐神宮) らか(羅漢寺) ひこ(英彦山) 求菩
 駐車場に立っていたカラス天狗の脇に「うさ らか ひこ 求菩 よくお詣り下さいました」は、宇佐神宮、羅漢寺、英彦山そして求菩提山へとよくお詣りくださいましたという意味のようだ。

 下山後楽しみにしていた求菩提温泉は、1月16日から2月28日まで大浴場の改装工事のため温泉はお休み。豊前市市役所近くの天狗の湯に変更、ゆっくり浸かって冷たくなった体を温めた。そして道の駅豊前おこしかけに立ち寄りお土産などみて、新門司港に戻った。
 ちなみに「おこしかけ」とは、弥生時代の神攻皇后がこの地を訪れた時、石にこしかけられた伝説に因んでつけられたとの事。

 新門司港19時50分のフェリーで大阪へと船中泊の旅、1月22日大阪南港に無事帰阪した。参加者の皆さん楽しい山旅をありがとうございました。リーダーさんありがとうございました。

カラス天狗 ようこそ豊前市へ

道の駅 豊前おこしかけ
  
求菩提山

基準点名:−−−
等級種別:−−−
標高:782m
所在:福岡県豊前市
地図:下河内

求菩提山               求菩提山山頂・国玉神社上宮

求菩提山 山頂 782m 2017.01.21
虎ノ尾

基準点名:求菩提
等級種別:三等三角点
標高:805.9m
所在:福岡県豊前市
地図:下河内

虎ノ尾 

虎ノ尾 三等三角点 805.9m 2017.01.21

コース
1/20 曇り
 大阪南港フェリーターミナル(19:50)=[名門太陽フェリー]= (船中泊)
1/21 晴れ
 新門司港(8:30/8:35)=[バス]=豊前市・求菩提駐車場(9:40/9:50)〜
求菩提資料館(9:54/見学/10:14)〜駐車場(10:17)〜求菩提山入口(10:40)〜
構ノ石門(10:43)〜鬼石坊(10:48)〜座主園地(10:55/11:04)〜豊照神社(11:13)〜
獅子ノ口(11:19)〜中宮(11:28)〜[鬼ノ石段]〜
国玉神社上宮・求菩提山山頂(11:46/昼食/12:07)〜護摩壇跡・五窟分岐(12:17)〜
鬼ノ宿・求菩提三角点(12:43/12:53)〜五窟分岐(13:16)〜第一窟大日窟(13:26)〜
第二窟普賢窟(13:36)〜第三窟多聞窟(13:40)〜第四窟吉祥窟(13:44)〜
第五窟阿弥陀窟(13:48)〜登山口(14:20)〜駐車場(14:24/14:32)=[バス]=
天狗の湯(14:58/入浴/15:50)=道の駅豊前おこしかけ(15:58/16:17)
=新門司港(17:26/19:50)=[名門太陽フェリー]= (船中泊)
1/22 雨
 大阪南港フェリーターミナル(8:30)

天 候  快晴
参加者 9名(11名)
実施日 2017.01.20-01.22
毎日新聞旅行 fukushima