芳山 山頂にて
友歩会 定例会 
芳 山 標高518m
柳生街道滝坂の道 春日奥山の石仏を訪ねる
 
 2月26日、2月の定例会を行った。寒さも和らぎ春の陽射を浴びて楽しい一日を過ごすことができた。

 近鉄鶴橋8時10分の快速急行で近鉄奈良駅へ。他線からの参加者が集まり、総勢14人になった。駅前の行基さんの銅像前から出発、興福寺の五重塔から奈良公園を進み、春日大社参道を歩いた。春日大社の手前を右折し新薬師寺方向へ、ささやきの小径を歩いた。少し広い道を歩いて、滝坂の道の入口へ、親ろく地蔵横の広場で衣服調整をした。

 少し民家の間を登ると滝坂の道らしくなってくる。石ころ道も次第に石畳の道になり、柳生街道の面影もわいてくるような感じになる。滝坂の道入口から30分ほどで、寝仏に着く。寝仏は大きな岩に刻まれていて、お顔はどこでどのように寝られているのか品評が相次いでいた。寝仏は室町時代のもので近くの石仏の一部が割れて転がり落ちてきたらしい。

 その先に夕日観音が岩に刻まれていた。この時間は光がうまく当たらないのかはっきり見ることができなかった。しかし、帰路の2時半ごろには美しい夕日観音を拝むことができた。次は朝日観音だが夕日観音から10分ほど登ったところにある。

 朝日観音は、三体の仏様が刻まれているが、観音様ではなく中央は弥勒菩薩で左右は地蔵菩薩ということだ。非常に美しい石刻で鎌倉時代のもので、夕日観音と同じ作者という。そして夕日観音も観音様ではなく弥勒菩薩だという。さらに30分弱能登川に沿って登ると広場に着く。

 広場には大きな杉がそびえていて、その奥に首切り地蔵があった。お地蔵様の首辺りは割れていて、荒木又右衛門が試し切りをしてできた割れ目だと伝えられている。お地蔵様は鎌倉時代のものらしい。首切り地蔵から左側の道を直進し、春日山石窟仏へと登った。

薬師寺五重塔

奈良公園を歩く

ムクロジ (竹が寄生している)

春日大社参道を行く

イチイチガシ(春日神社境内)

親ろく地蔵

柳生街道滝坂の道を行く

寝仏

夕日観音(西面)(朝10:10)

夕日観音(西面)(昼下り14:25)

滝坂地蔵尊(夕日観音の東面)(朝10:10)

滝坂三体磨崖地蔵(東面下部)(昼下り14:25)

朝日観音

朝日観音(中央:弥勒仏、左右:地蔵仏)

首切り地蔵(荒木又右衛門が試し斬りしたという)

石畳の滝坂の道
 春日山石窟仏は、東大寺大仏殿を建てるとき石材を彫ったあとに彫られたという。石仏は全部で十八体あるそうだ。平安時代後期のもので凝灰岩に掘られている。西窟(左側)と東窟(右側)が中央の柱で分かれている。西窟には、阿弥陀如来を中央に、左には多聞天、右に数体の破損が激しい石仏がある。東窟西壁には地蔵尊四体、東壁には観音菩薩で、顔の部分が破損しているが六観音だという。石窟仏を後に本日のメインイベント芳山に向かった。

春日山石窟仏

春日山石窟仏西窟・阿弥陀如来

春日山石窟仏東窟西壁・地蔵尊四体

春日山石窟仏東窟東面・観音菩薩(六観音)
 ドライブウエイで寸断された柳生街道を、標識や地図を頼りに進み、やっと街道に入り一安心。爪先上がりの舗装道を登り、少し疲れてきたところで峠を越える。石切峠を少し下ると峠の茶屋に着く。5つほど残っていた草もちを皆で分けた食べた。少し硬かったが茶屋の親父は売り切れて喜んでいたようだ。そのおかげで芳山への道を丁寧におしえてくれた。

 茶屋から少し先に民家があり、右側の立派なトイレが目に入る。左上に八王子神社があり、その石段下が登山口だ。竹林をしばらく行くと拓けてくる。昔、茶畑だったようだが桧の苗木が植林されていた。その先に動物よけのフェンスがあり、扉を開けて先へ進む。

 下り道になり道が間違っていないか心配になるが、やがて鞍部になり小さな木片に芳山と書いてあったので一安心。ここから登り道になるが枝道がたくさんあり注意しながら登る。途中石仏の案内があるが、帰りによることにして直進する。尾根に出てしばらく歩くと山頂に着く。

 芳山は、標高518mで四等三角点になっている。山頂には岩が数個あり、少し伐採されているが展望は望めない。ここで昼食にし、午後は石仏を見て下山することにした。

 芳山石仏は、ガイドには三面石仏と書いてあったが、正面と左側の二面で、芳山二尊仏と呼ばれているようだ。芳山二尊仏は奈良時代のものらしい。往路を下山し、集落に下り、峠の茶屋へ、しばらく行った先に地獄谷分岐があり尾根道に入った。

石切峠 峠の茶屋

芳山へ

芳山山頂近くの急登

芳山 山頂に到着

芳山 山頂

芳山 四等三角点

芳山二尊石仏(正面)

芳山二尊石仏(斜め左より)
 地獄谷への尾根道は、春の陽射しをうけて気持ちのいい尾根歩きだった。しばらくして階段道が所々にあり15分弱ほど下ると最低鞍部の谷底に着く。谷は大きく侵食され山奥の深い渓谷に来たような感じを受ける。最後は切立った谷底を巻いて降り、橋を渡る。ここからしばらく登り返して歩く。

 地獄谷分岐から約20分で、地獄谷石窟仏に到着する。左右に石窟があり、左側の石窟のカラフルで非常に美しい。右側はかなり痛んでいるようで聖窟と呼ばれ六体の仏像だそうだが大破している。。左側の石窟は彩色がなされ非常に美しい。阿弥陀如来を中央に、右には十一面観音、左には薬師如来、左右壁にも仏像が刻まれている。石窟前の休憩所でしばらく休んで下山。

地獄谷

地獄谷

地獄谷石窟仏

地獄谷石窟仏 休憩所

地獄谷石窟仏(左側の石窟)

薬師如来(左)阿弥陀如来(中央)十一面観音(右)

地獄谷石窟仏 聖人窟の大破した六体仏

聖人窟の大破した六体仏
 しばらく歩いてドライブウエイを横切り、地獄谷新池を経て首切り地蔵に戻る。ここから往路を引き返した。朝見れた朝日観音は薄暗くなっていた。

 朝夕日観音裏の地蔵菩薩に下に、朝見つけられなかった三体の地蔵菩薩を見ることができた。そして夕日観音は午後の日差しを浴びて美しいお姿を見ることができた。

 滝坂の道を下り、春日大社境内へ戻った。春日大社にお参りして奈良公園を歩いて近鉄奈良駅に戻った。学園前のやまとの湯に行く予定だったが、取り止めにして鶴橋の戻り、お好み焼きを食べながら反省会をした。温泉より飲み食いのほうが良いようだ。お疲れ様でした。

滝坂の道を戻る

若宮大楠
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コース
 近鉄鶴橋(8:10)=[近鉄奈良行き快速急行]=奈良(8:40/8:50)〜
柳生街道滝坂の道入口(9:35)〜親ろく地蔵・WC(9:38/9:48)〜寝仏(10:07)〜
夕日観音(10:10)〜朝日観音(10:21)〜首切り地蔵(10:30/10:36)〜
春日山石窟仏(10:42)〜石切峠・峠茶屋(11:08/11:12)〜
八王寺神社・WC(11:13/11:19)〜芳山(11:45/昼食/12:23)〜
芳山三面石仏(12:35)〜峠の茶屋(13:05)〜地獄谷分岐(13:09)〜地獄谷〜
地獄谷石窟仏(13:40/13:45)〜首切り地蔵(14:04)〜滝坂の道入口(14:45)〜
春日大社(15:03)〜奈良駅(15:40/15:51)=[三宮行き快速急行]=鶴橋(16:27) 

天 候  晴れ
参加者 14名 
実施日 2011.02.26