釈迦ヶ岳  仏生ヶ嶽の登りより
大峰山 八経ヶ岳 標高1914.9m 釈迦ヶ岳 標高1799.6m
明星ヶ岳 標高1890m 仏生ヶ嶽 標高1804.7m 孔雀岳 標高1779m
大峰山 第2日目
弥山〜八経ヶ岳〜明星ヶ岳〜仏生ヶ嶽〜孔雀岳〜釈迦ヶ岳〜太古ノ辻〜前鬼
 4月30日、大峰登山2日目。今日は弥山小屋を出発して、八経ヶ岳に登り明星ヶ岳、仏生ヶ嶽、孔雀岳を経て釈迦ヶ岳に登り前鬼へ下山するコースだ。

 天候は昨日と打って変わり、雲におおわれ風もきつい厳しくなりそうな朝だ。一先ず国見八方覗へ行ってみた。天気が良ければ大峯の山々、大台の山々の大パノラマが展望できるのだが今日はあいにく雲がかかった状態だ。それでもなんとか
稲村ヶ岳、山上ヶ岳、竜ヶ岳、大普賢岳、行者還岳などを展望することができた。

弥山小屋で出発準備

国見八方覗へ

稲村ヶ岳・山上ヶ岳・竜ヶ岳・大普賢岳・行者還岳 国見八方覗より

竜ヶ岳・大普賢岳・行者還岳 国見八方覗より

雲がかかった大台ケ原山系 国見八方覗より

八剣山(八経ヶ岳)・前鬼への道標

八経ヶ岳へ奥駈道を行く
 国見八方覗から奥駈道に戻りいよいよ釈迦ヶ岳へ出発だ。八剣山・前鬼への標石がありその前を下って行く。少し下ると正面に八経ヶ岳が倒木の向こうに見える。鞍部から登り返すと途中にネットの扉を通過する。ネット内はオオヤマレンゲの群生地で7月頃には白く可憐な天女花を見ることができる。山頂部のネットの扉は、残雪で引っかかり容易に開かないので時間がかかった。ほどなく山頂に到着。

 八経ヶ岳は。標高1915mで二等三角点になっている。標高は奈良県の最高峰だ。八経ヶ岳は山名が多くあり標石に出ていた八剣山、仏教ヶ岳とも呼ばれている。

目の前に八経ヶ岳

八経ヶ岳へ奥駈道を行く

八経ヶ岳へ(オオヤマレンゲ群生地を抜けると残雪が)

八経ヶ岳 山頂に到着

八経ヶ岳 山頂

八経ヶ岳 二等三角点(標高1915.1m)
 八経ヶ岳から一旦下り鞍部から登り返す。少し登り返したところに分岐があり狼平への分岐だ。そこをやり過ごしさらに登り返すと明星ヶ岳への分岐につく、ここでリュックを置いて空荷で明星ヶ岳をピストンする。山頂まで3、4分だ。

 明星ヶ岳は、標高1890mで山頂は倒木のため展望はいいのだろうが、あいにく霧で何も見えない。

明星ヶ岳へ奥駈道を行く

狼平分岐

明星ヶ岳 山頂(標高1890m)

明星ヶ岳 山頂にて
 仏生ヶ嶽へ奥駈道を進む。明星ヶ岳から仏生ヶ嶽へは長丁場で約3時間だ。明星ヶ岳から約30分以内に禅師ノ森、五胡峰になるが明確に確認できなかった。尾根の禅師ノ森、五胡峰の右下を巻いて下ったのだろう。急斜面につけられた奥駈道は所々崖崩れがおきており高巻きして進む。岩場を下ると眼下は広場になっている。

 五胡峰を下ったところの広場で小休止。右下の斜面は崩壊が激しく、いつしかこの広場もなくなるのだろうか。ふと後を振り返ると霧の中に薄っすらと五胡峰の姿が映っていた。

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

崩壊部を巻いて進む

五胡峰を巻いて下る

五胡峰を降りたところで休憩

五胡峰
 霧の五胡峰をあとに奥駈道を先へ進む。道は尾根の右下を巻くように続いている。霧で景色がよく分からない中進んでいるので、仙宿跡などは確認できない。明星ヶ岳から下り、鞍部が舟ノタワだがはっきりと確認できなかった。小ピークのアップダウンと思っていたらいつの間にか過ぎてしまっていたようでいつしか登り返しになっていた。

 ここが舟ノタワだと後方を歩いていた我々に伝わってきたがどう考えてもおかしい。梵字と七面山・・・と刻まれた石標があった。霧の中で周りがよく分からないが七面山遥拝石のようだ。ここから七面山が望め、遥拝するのであろう。霧の合間に八経ヶ岳、弥山を望むことができた。

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

仏生ヶ嶽へ ここを越えた辺りが舟ノタワ?

舟ノタワを過ぎ登り返し

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

北西方向の展望

八経ヶ岳・弥山

マンサク

七面山遥拝所

七面山遥拝石
 七面山遥拝石を過ぎると、緩やかな登りになり、楊枝ヶ森の裾を巻いて進む。やがて尾根筋に出ると広くなった鞍部で小休止にした。

 小ピークに左から少し巻いて登り返す。後を見ると遠く大普賢岳が雲間に見えてくる。今度はそのピークの右側を巻いて下る。前方にずっしりした仏生ヶ嶽が見えてくる。少し回り込んだところで振り返ると七面山が見えてくる。ピークの下りが酷い崖崩れになっている。足を滑らせながらなんとかクリヤーした。鞍部に下ると、楊枝ノ宿を通過する。

仏生ヶ嶽へ楊枝ヶ森を巻いて行く

仏生ヶ嶽へ 尾根筋の広場にでて小休止

ヒメイチゲ

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

振り返ると大普賢岳が雲間に見える

前方の仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

振り返ると七面山

崩壊地を渡る

楊枝ノ宿 避難小屋

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く
 楊枝ノ宿から仏生ヶ嶽へは、標高差約200mの登りが続く。尾根を少し登ったところから振り返ると、明星ヶ岳、八経ヶ岳、弥山が雲の間から見えていた。

 標高約1700m辺りから仏生ヶ嶽の西に延びる尾根を巻くように南下し、ここから尾根を巻くように南尾根につながる仏生ヶ嶽分岐へと標高差約70mを登る。途中分岐までの登り道で、木々の間から谷を挟んで釈迦ヶ岳が見え隠れしてくる。疲れを忘れて釈迦ヶ岳が見えるところで写真を撮った。分岐でリュックをおろし空荷で山頂へ登った。

明星ヶ岳・八経ヶ岳・弥山

仏生ヶ嶽へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳

仏生ヶ嶽 山頂
 仏生ヶ嶽は、標高1805mで三等三角点になっていて、大峰山脈で2番目にに高い山だ。小さな金色の仏像もお祀りしてあった。山頂からの展望は、明星ヶ岳、八経ヶ岳、弥山の三山が木々の間から展望することができた。分岐から山頂までは倒木が多く、倒木をまたいだり、くぐったり大変だった。

仏生ヶ嶽 山頂

仏生ヶ嶽 山頂にて

仏生ヶ嶽 山頂

仏生ヶ嶽 三等三角点(標高1804.7m)

明星ヶ岳・八経ヶ岳・弥山 仏生ヶ嶽より

仏生ヶ嶽分岐へ戻る

釈迦ヶ岳 仏生ヶ嶽分岐より

孔雀岳へ奥駈道を行く
 分岐に戻ると、きれいに見えていた釈迦ヶ岳が今にも雲に覆われようとしていた。奥駈道を孔雀岳へと進めた。道はほぼ尾根に沿って付いていて少し快適だ。途中、鳥の水で水の補給と小休止をとって約50分で孔雀岳分岐に着いた。

 孔雀岳は、標高1779mで、展望は比較的良さそうだが霧で何も見えなかった。

孔雀岳へ 前方は孔雀岳

孔雀岳へ奥駈道を行く

孔雀岳分岐

孔雀岳へ奥駈道を行く

孔雀岳 山頂(標高1779m)

孔雀岳 山頂にて

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

孔雀ノ覗(濃霧で何も見えない
 分岐に戻り前進すると、孔雀ノ覗の表示があったが残念なことに一面のガスで何も見えなかった。山頂から覗の辺りは崩壊地になっていて、数100メータの絶壁になっているが見えなかった。何だかこの辺りから釈迦ヶ岳までは厳しい行場の奥駈道の核心のようだ。

 しばらく緩やかで広い尾根を進む、やがて標高1700mの先端辺りに大きな岩があり、その岩を巻いて下る。その大岩は檬ノ鼻でその岩角に蔵王権現像が祀られていた。下るとキレットになっていて両部分けと云うそうだがよく分からない。このキレット部が宗教界では南北の境とされているそうだ。北は金剛界、南は胎蔵界とのことだが全く分からないのが現実だ。霧がかかっていて全体像が掴めないまま通り過ぎてしまった。ツアーのためあまり立ち止まれず残念だ、もう一度訪れてみたいと思う。

仏生ヶ岳60分 釈迦ヶ岳110分 孔雀ノ覗にて 

釈迦ヶ岳へ岩場を下る

橡ノ鼻(えんのはな)

橡ノ鼻 蔵王権現像

キレット 釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

キレット 釈迦ヶ岳へ 釈迦ヶ岳へ岩のピークを振り返る

キレット 釈迦ヶ岳へ 釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く
 素晴らしい岩峰の眺め、じっくり見たいがあまり時間がない。奥駈道を行くと前方に大きな岩が立ちはだかっている。弥勒岩と言われているそうだが、越えないで左下を巻いて進む。岩の下で釈迦ヶ岳へ向けて休憩をとった。

鉄鉢岩(弥勒岩) (後方薄い三角錐が釈迦ヶ岳)

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く
 ここから最後の登りだ。尾根まで登り返すと、岩尾根になり越えたり、巻いたりしながらかなり厳しい、さすが奥駈道だと感じられる。岩の下から約30分で釈迦ヶ岳に登頂。

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く

釈迦ヶ岳へ奥駈道を行く
 釈迦ヶ岳は、標高1800mで、一等三角点だ。山頂は遮るものがなく素晴らしい展望だ、と云いたいのだがあいにくグレーの緞帳が降りていて何も見えない。山頂には、釈迦如来像が祀られ、錫杖が建っていた。ここで少し遅い昼食にした。なんとか目的の山、釈迦ヶ岳に登ることができた。

釈迦ヶ岳 山頂

釈迦ヶ岳 山頂にて

釈迦ヶ岳 釈迦如来像

釈迦ヶ岳 一等三角点(標高1799.6m)
 釈迦ヶ岳登頂を終えてこれから前鬼へ下山だ。クマザサの道をジグザグに下る。クマザサの中の細い道は、足元が見えないので注意しながら下る。石ころや木の根っ子などいたるところにあるが全く見えなく厳しい下りだ。

 約30分で深仙の宿に到着、ここで小休止。ここから岩場が見れそうだが霧ではっきりしない。

釈迦ヶ岳から下山開始

太古ノ辻へ奥駈道を行く

太古ノ辻へ奥駈道を行く

深仙ノ宿

太古ノ辻へ奥駈道を行く

太古ノ辻へ奥駈道を行く
 ここから登り返して太古の辻へ向かう。霧に覆われた大日岳が見えてきた。ほどなく大日岳(行場)の分岐があり、今日は行かないので直進する。またしばらく尾根を下ると太古の辻に到着する。

 ここから先は大峰南奥駈道になる。我々はここから前鬼へ下山することにした。

霧に覆われた大日岳

大日岳(行場)と巻き道(太古ノ辻へ)

大日岳を巻いて下る

太古の辻に到着

太古ノ辻・これより先大峰南奥駈道

前鬼へ下山開始
 大変よく頑張ってくれた天気もそろそろ力が尽きてきたようだ。できればあと2時間頑張ってほしかったのだが。朝から霧が出たり、霧雨になったり、曇りになったり、風が強くなったりいろいろな組み合わせでここまでなんとかつないでくれたが限界のようだ。

 前鬼に下り始めると霧雨になってきた。最初はクマザサの道だったが次第に道は荒れてきた。登山道は崖崩れで所々寸断され、応急処置のされたところを下った。霧雨も次第に本格的な雨に変わっていった。

 二ツ石に到着、ここで小休止、雨具など着ける。雨が次第に強くなり、いよいよ本降りになってきた。苔むした岩や倒木が美しいが今はそれどころではない。なんとか早く前鬼まで下ろう。

前鬼への道はガケ崩れ多発

ガケ崩れ多発

ガケ崩れ多発

ガケ崩れ多発

ガケ崩れ多発

二ツ石まで下山

二ツ石

二ツ石 雨が強くなってきた

木階段を下る

前鬼へ

前鬼へ

前鬼へ沢を渡る
 やっとの思いで前鬼に到着。宿坊の軒下を借りて着替えたりして少し休み、林道ゲートまで林道を下った。最後の当てつけの様に雨は勢いを益し叩きつけるような雨になった。ゲートに迎えのタクシーを見て一安心。

護摩壇山へ戻る

前鬼 宿泊所

前鬼宿坊 小仲坊

前鬼 宿泊所

林道を下る

林道ゲートに迎えのタクシー
 濡れたままタクシーに乗車、国道169号線に出て1時間20分ほど走って杉の湯に、小休止をしてさらに20分走り大和上市駅の到着。予定より早く着いたので早めの電車で帰阪した。

 参加者の皆さんお疲れ様でした。1日目は良い天気に恵まれ、2日目はみんなの力で雨をぎりぎりまでおして、素晴らしい縦走ができ本当に良かったと思います。皆さんありがとうございました。お世話を頂いたリーダーさんに感謝申し上げます。
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コース
4/29
 阿部野橋(9:10)=[近鉄特急]=下市口(10:12)=[タクシー]=黒滝茶屋=
行者還トンネル西口(11:47/昼食/12:10)〜奥駈道出合(13:13/13:25)〜
弁天ノ森(13:46/13:55)〜弥山展望ポイント(14:03)〜聖宝の宿跡(14:19/14:28)〜
展望ポイント(15:00/15:05)〜弥山小屋(15:20)〜弥山(15:27)〜弥山小屋(15:30) (泊)
4/30
 弥山小屋(6:16)〜八経ヶ岳(6:43/6:51)〜明星ヶ岳分岐(7:05)〜明星ヶ岳(7:09)〜
明星ヶ岳分岐(7:12)〜禅師ノ森(7:30?)〜五胡峰(7:45?)〜舟ノタワ(8:36)〜
七面山遥拝石〜楊枝ノ宿(9:33)〜仏生ヶ嶽分岐(10:10)〜仏生ヶ嶽(10:16)〜
仏生ヶ嶽分岐(10:24)〜孔雀岳分岐(11:12)〜孔雀岳(11:18)〜孔雀岳分岐(11:25)〜
孔雀ノ覗き(11:29)〜檬ノ鼻(11:55)〜大岩ノ下(12:11/12:17)〜
釈迦ヶ岳(12:44/昼食/13:12)〜深仙ノ宿(13:46/13:54)〜大日岳分岐(14:06)〜
太古ノ辻(14:15/14:20)〜二ツ石(14:54/15:08)〜前鬼(15:52/16:10)〜
林道ゲート(16:39/16:40)=[タクシー]=杉の湯(18:00/18:10)=大和上市(18:30/18:39)
=[近鉄特急]=阿部野橋(19:51)

天 候  4/29 晴れ  4/30 曇り霧のち東風強し、午後霧雨のち雨
参加者 17名 
実施日 2012.04.29〜04.30
ツアー 毎日新聞旅行