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高峰山(右奥)と矢ノ川峠(左鞍部)・TV中継局ピーク(中央)・古川山(右) |
近畿百名山
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高 峰 山 標高1045m |
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千仭橋〜[旧R42号]〜矢ノ川峠登山口〜TV中継局〜古川山〜高峰山 (往復) |
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2月15日、16日で天狗倉山(てんぐらさん)と高峰山(たかみねさん)に登った。
2月16日、2日目は高峰山登山だ。昨日天狗倉山から眺めた感じでは積雪がかなりありそうな雰囲気だった。一応ラッセル覚悟で行くことにした。
ホテルを5時45分に出発、途中コンビニで朝と昼の弁当を積み込んで千仭橋(せんじんばし)へ。千仭橋、標高260mでバスを降り出発支度をして6時10分、旧国道42号線を歩き始める。この旧国道は現在通行止になっているため、矢ノ川峠(やのことうげ)標高807mまで、標高差550m距離9km歩かなければならない。
国道42号線は、浜松市から紀伊半島を一回りして和歌山市へ至る一般国道で、日本で8番目に長い。旧国道42号線は尾鷲市と熊野市の間の矢ノ川峠を越えて通っていたそうだ。1959年、紀勢本線が開通するまで、国鉄バスが走っていて峠には茶屋があったそうだ。1968年矢ノ川トンネル、大又トンネルができ旧道になった。高峰山に登るためそんな道を往復18kmあるこことになった。国鉄バスさん、峠まで乗せて行ってほしいな。 |
千仭橋(標高250m) |
千仭橋を出発 |
まだ薄暗い |
素彫りのトンネル(T1) |
千仭橋から林道のような旧国道を20分ほど歩くと、トンネルが見えてきた。トンネルは素彫りで荒らしくくりぬいた痕は伝わってくる。立派な橋、傳唐大橋もあり建設技術の発展が分野によって歴史があるのだろう。
歩き始めたころは周りが暗かったが、7時前のは高峰山連山のモルゲンロートが素晴らしく美しかった。今日も一日元気で歩こう。 |
沢は崩落が激しい |
トンネル(T2) |
トンネル(T3) |
傳唐大橋 |
素彫りのトンネル(T4) |
高峰山連山のモルゲンロート 最初に登るピーク(中央) |
モルゲンロートを眺める |
矢ノ川峠へ |
朝日に輝く高峰山連山) |
矢ノ川峠へ |
旧国道は、落石や倒木が所々で道を塞いでいる。そんな道をひたすら歩いた。立派なトンネルが見えてきた。矢ノ川隧道だ。真っ黒なトンネルを平衡感覚をとりながら抜ける。トンネルの長さは100mぐらいはあるだろうか、抜けるとT字路になっていて右に行くと三木里となっていた。矢ノ川は左側にとって進む、この道は先ほど抜けたトンネルの入口辺りの上へループ上に矢ノ川峠へと続くのだ。列車が急坂を登る時、スイッチバック方式とループ方式があるがまさにそのループ方式で登るのだ。こうやってJRバスもここを通っていたのだろう。 |
倒木が各所に(2月14日の大雪か?) |
矢ノ川峠へ |
矢ノ川隧道(標高約550m) |
トンネルを抜けると分岐になる 左へ |
矢ノ川峠へ |
矢ノ川峠へ(次第に積雪が多くなる) |
トンネルを抜けると今度はひたすら歩くことになる。ところがしばらく行くと雪が深くなってきた。安全のため6km地点の少し手前でアイゼンを装着した。出発から7km地点で左側か開け南東方向の景色が展望できた。ここを過ぎると本当に雪が深く歩きにくくなってきた。男性が順番にラッセルして進んだ。雪は15cmぐらいだろうか一歩一歩足をとられるので歩きにくく大変疲れる。
それでも頑張って進むと右手に高峰山の連山が見えてきた。山頂は大雪のようで山頂まで行けるか少し心配になる。 |
アイゼンを装着する |
アイゼンをつけて矢ノ川峠へ |
千仭橋から7km地点で南東方向が開ける |
千仭橋から7km地点に到着 |
高峰山連山 TV中継局ピーク・古川山・高峰山(中央奥) |
矢ノ川峠へ |
矢ノ川峠へ |
矢ノ川峠へ |
TV中継局ピーク |
矢ノ川峠への最後のラッセルは私が担当だ。新雪の誰も足を踏み入れていない道に自分の足跡を付けて行く。しんどかったが素晴らしい体験だ。
矢ノ川峠に到着、峠は広々した平地になっている。ここに峠の茶屋があったそうだ。国鉄バスの乗客やトラックの運転手や地元の人が利用したのであろう。茶屋があった隅に茶屋の主を偲ぶ歌碑が建っていた。「冬の日のぬくもりやさし茶のあと」 |
矢ノ川峠(標高807m) |
矢ノ川峠茶屋の主を偲ぶ歌碑 |
旧国道42号を千仭橋標高250mから登りはじめて約3時間、標高807mの矢ノ川峠登山口にやっと到着。ここから今日の登山の始まりだ。
歌碑の左側から登山開始、いきなりの急登だ。国道歩きも含めて先客がいないので真っ白な雪道、そしてこれからは道なき新雪踏み込んでの山登りだ。
登りはかなりの急登でくるぶし辺りの新雪を一歩登って半歩下がる感じでなかなか前進しない。どうも夏道は九十九折れの道になっているようだが定かではない。登山口から約30分でTV中継局に到着。 |
矢ノ川登山口(歌碑の左側) |
矢ノ川登山口から高峰山へ |
電波塔ピークへ |
電波塔ピークへ |
電波塔ピークへ |
TV中継局ピークが見えた |
TV中継局ピーク(標高920m) |
次の古川山ピークへ |
TV中継局のピークは、標高約920mで旧国道を登ってくるとき一番大きく見え印象的なピークだが、山の名前がないのが残念だ。
ピークからしばらく尾根を下ると、尾根が細くなりやがて小鞍部に着く。ここから古川山のピークに向けて登り返す。古川山までに3つほどの小ピークを乗り越えていく。青い空、白い雪、暖かい陽射し、所々にある白骨樹や雪に耐えてきた面白い形の根性木など楽しませてくれる。
古川山山頂に近くなると木々の間から雪を頂いた高峰山の山頂が右手に見えてくる。しばらく広々した雪面を登って行くと古川山山頂に到着する。 |
尾根の木立から見える高峰山(中央) |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
高峰山 古川山への尾根より |
古川山ピークへ |
古川山ピークへ |
古川山ピークに到着 |
古川山ピーク/川原小屋の峰(標高1030m) |
古川山は、標高1030mで広々した山頂の木に、「川原小屋の峰」と記された看板がくくりつけてあった。ここで小休止し、ここから標高差90mの急斜面を下る。だだっ広い斜面でルートが分かりにくい。赤や黄色のテーピングを探しながら急斜面を下った。下りながら思ったのは帰路この急斜面の登り返しが待っていると思えば余り下りたくない気持ちだ。
足をとられながらラッセルしたので写真を撮るまもなく鞍部に降り着き、今度は標高差135mの登り返しだ。しばらく登ったところでリーダーが疲れてきたのでまた代わってラッセルをした。斜面が尾根らしくなってきたところでラッセルを変わってもらいかわるがわるラッセルをして登って行った。
標高1000m辺りまでくると尾根が細くなり雪の下は岩のようでかなり危険になってきた。危険で直登できないようなところは少し巻いて交わして登った。そんな危険と思われるところを登り切ったところでリーダーは、もう少しで山頂だと云おうとしたようだが実際に出た言葉はここから引き返すと言い出した。
私はGPSで現在地を確認、危険なところは通り過ぎ、ここから上は尾根も広く全く問題ないと訴えた。むしろ撤退するのであれば先ほどのヤセ尾根の急斜面にアタックする前に撤退するべきだろう。どうやって降りるかゆっくり考えればいいのでは、ここまできたら広い尾根を5分も歩けば山頂のはずだ頑張ろうと声をかけた。そこから8分ほどで山頂に到着、リーダーがハイタッチでみんなを迎えていた。 |
古川山ピークから鞍部へ標高差約90m下る |
鞍部から高峰山山頂へ標高差135mを登り返す |
高峰山山頂へ |
高峰山山頂へ |
ヤセ尾根の急登かなり厳しい |
尾根が広くなり山頂は直ぐだ |
高峰山山頂に到着 全員登頂 |
高峰山山頂 ほっと一息 |
高峰山は、標高1045mで一等三角点になっている。山頂からは大峯の連山、台高山脈、大台ケ原などの眺めが素晴らしい。眼下には、昨日登った天狗倉山をはじめ、橡山(とちやま)、便石山(びんしやま)なども見える。
山頂は、雪に覆われていてひだまですっぽり入ってしまう。三角点の標識が雪面から出ていたので周りを探した。めのこをつけて探し出し写真を撮った。帰ってから思ったのだがストックの先で掘り出しただけで上面しか見られなかっらが、三角点の周りを足で踏めば少なくともひだの高さまでは掘起こせたのではないかと残念でしかたがなかった。以前横山岳で三角点を探したことがあるが硬い雪で上面を見つけるのが精一杯だったが今回は折角の一等三角点だったので残念だった。
山頂でしばらく休憩、行動食をとったり、景色を眺めたり記念写真を撮ったりおもいおもいに楽しんだ。下山の時が来た、あの急な危険と思われたところも10人も通ればすっかり道がついていてなんの心配もなく無事通過した。それよりも自分の歩幅で歩くとラッセルと同じになるので登ってきたときの足跡の穴に足を一歩一歩入れながら疲れる下りだ。 |
高峰山 山頂にて |
昼御飯にしよう(行動食を食べる) |
大峯連山・大台ケ原連山(奥) 橡山・便石山・天狗倉山(前) 高峰山より |
高峰山 山頂 |
高峰山 一等三角点(標高1045.0m) |
高峰山 山頂 |
大峯連山・大台ケ原連山 山頂より |
高峰山 山頂手前に小ピーク |
山頂から鞍部まで標高差135m下り、心配していた古川山への標高差90mの登り返しだ。疲れを感じながら下ってきたときを足跡をトレースするよう一歩一歩登り返した。なんとか古川山山頂に戻ってきた。無雪期だと古川山から高峰山の往復で約90分程度だ。しかし今日のように雪が深く新雪で誰も踏んでいないと時間が予想を超え、今回は約125分と1.4倍ぐらいの時間がかかったことになる。しかし新雪ではなく誰かの踏み跡があればほぼ無雪期の時間で歩けそうだ。
ここから先は概ね下りで、最後にTV中継局のピークを越えるだけだ。予定より約1時間は遅れているので安全には注意しながらひたすら下った。TV中継局を過ぎ、矢ノ川峠登山口に15時過ぎに下山、古川山からの無雪期時間45分に対し、約60分と1.3倍の時間がかかった。 |
古川山に戻る |
高峰山を振返る |
矢ノ川峠へ |
TV中継局ピークに戻ってきた |
矢ノ川峠へ |
矢ノ川峠を通過千仭橋へ |
矢ノ川峠からは、旧国道の下りだ。アイゼンをつけての下りで雪の深みに嵌ると足をとられ歩きづらい。我慢我慢で歩き続け矢の川峠から2kmほどのところでアイゼンを外した。
アイゼンを外したから歩きやすいかと言うとそうでもない、やはり雪が深いと足がとられ、雪が解けて凍りかけているところはつるつる滑る。
矢ノ川隧道の暗闇をバランスをとりながら通り過ぎ、ひたすら千仭橋へと下り続けた。夕暮れを感じながら17時30分に全員無事千仭橋に下山した。
予定より1時間以上遅れているので、温泉入浴は切り上げ帰途についた。途中コンビニでビールを仕込み今日の山旅に乾杯。大雪の後だったが天気も回復して楽しい山旅をすることができた。ラッセルでお疲れのリーダーさんありがとう。楽しい山旅を演出してくださった参加者の皆さんありがとう。 |
矢ノ川峠から尾鷲の展望 |
TV中継局ピーク |
千仭橋へ |
千仭橋へ |
千仭橋へ 矢ノ川隧道 |
千仭橋へ |
千仭橋へ 素彫りのトンネル(T4) |
千仭橋へ 素彫りのトンネル(T3) |
千仭橋へ トンネル(T2) |
千仭橋へ 素彫りのトンネル(T1) |
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高峰山
標高:1045m
三角点:一等
点名:高小屋山
標高:1045.0m
所在:三重県紀北町・尾鷲市
地図:引本浦
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高峰山 三角点 2014.02.16 |
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コース
2/15
梅田(7:20)=[バス 名神・新名神]=土山SA(8:42/8:55)=「東名阪・伊勢道]=
松阪IC(9:37)=[・・・R42]=道の駅大台(10:36/10:44)=
道の駅海山(12:03/昼食/12:22)=鷲下登山口(12:24/12:30)〜夜鳴き地蔵(12:48)〜
林道出合(13:11/13:16)〜馬越峠(13:29/13:35)〜天狗倉山(14:00/14:17)〜
電波塔ピーク(14:23/14:27)〜天狗倉山〜馬越峠(14:53/15:02)〜桜地蔵(15:17)〜
馬越公園・展望台(15:24)〜馬越峠登山口(15:32)〜尾鷲神社(15:55/16:02)
=[バス]=夢古道の湯(16:10/入浴/16:59)=シティーホテル望月(17:10)
2/16
シティーホテル望月(5:44)=[バス]=千仭橋(6:07/6:11)〜[旧国道42号]〜
トンネル1(6:31)〜トンネル2(6:41)〜トンネル2〜トンネル4(6:48)〜3km地点(7:03)〜
4km地点(7:17)〜トンネル(矢ノ川隧道)(7:33)〜分岐(7:35)〜
アイゼン装着(7:42/7:49)〜6km地点(7:59)〜7km地点展望台(8:15)〜
8km地点(8:38)〜矢ノ川峠登山口(9:16/9:31)〜NHK-TV中継局(10:02/10:06)〜
P1030古川山(11:19/11:26)〜鞍部(11:44)〜高峰山(12:43/13:04)〜
古川山(13:52/13:58)〜TV中継局(14:44/14:51)〜矢ノ川登山口(15:06)〜
アイゼン脱着(15:50/15:57)〜矢ノ川隧道(16:22)〜千仭橋(17:28/17:35)
=[バス R42・紀勢道・伊勢道]=関SA(19:28/19:53)=[名阪・西名阪]=梅田(21:23)
天 候 2/15 曇り 2/16 晴れ
参加者 10名
実施日 2014.02.15〜02.16
ツアー 毎日新聞旅行 kawarai
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