権兵衛峠 | |
クラシックルートを歩く | |
将棋頭山から権兵衛峠へ | |
Vol.2 | |
千畳敷〜浄土乗越〜濃ヶ池〜将棋頭山〜西駒山荘(泊)〜馬返し〜権兵衛峠 | |
8月21日から23日で木曽駒ヶ岳から権兵衛峠への縦走をした。第3日目8月23日は、西駒山荘から馬返しまで下り、クラシックルートを権兵衛峠へ下るコースだ。 今朝は、台風一過素晴らしい天気、山荘前の将棋ノ頭に登ってみた。東の空は輝き始め雲海が光って美しい。ご来光を待っていたが、食事時間になり山荘に戻った。 |
|
台風一過の夜明け 西駒山荘にて |
|
夜明け 将棋ノ頭より |
日の出 山荘の窓より |
食事を終えて外に出ると、山は生き生きと輝いていた。将棋頭山のハイマツの緑が美しく、その向こうに伊那前岳ががっしりと構えており、右側に木曽駒ヶ岳が遠くに感じるように見える。左側には、空木岳が近くに見える。もっと遠くだろうと思っていたが意外と近くに見え感激した。 将棋ノ頭に上がってみると、西駒山荘の上に昨日登った将棋頭山の山頂が太陽に輝いている。その右側に茶臼山も美しい。 |
|
茶臼山・権兵衛峠への縦走路 |
|
空木岳・伊那前岳・宝剣岳・木曽駒ヶ岳 西駒山荘より |
|
空木岳 西駒山荘より |
|
空木岳 西駒山荘より |
|
将棋頭山・西駒山荘・・・行者岩・茶臼山 |
|
将棋ノ頭 |
将棋頭山・西駒山荘・・・行者岩・茶臼山 |
行者岩・茶臼山 | 行者岩 |
西駒山荘(石室と新築の山荘)(標高2685m) |
西駒山荘を出発、権兵衛峠へ |
昨夜、西駒山荘にまつわる地域の思いや、山荘の生い立ちなどのスライドビデオを、管理人の宮下さんに見せていただいた。現在は千畳敷までロープウエイで誰でも簡単に登れ、木曽駒ヶ岳にも比較的容易に登れるようになった。地元中学生の登山が大正時代から現在まで延々と続いている。 大正2年の遭難事故を機会にこの山荘の石室が造られ現在に至っているが、当時中学生が登ったであろうクラシックルートのスライドビデオを頭に入れてこれからそのルートを下山することにした。 |
|
将棋ノ頭と西駒山荘 |
権兵衛峠は遥か遠くだ |
眼下に、これから縦走する尾根筋が一望できる。反時計方向に廻る感じでいくつものピークを越えながら下っていく。権兵衛峠は、奥の大きな山の手前の送電線鉄塔のところだと管理人の宮下さんがおしえてくれた。山荘から権兵衛峠まで約6時間の行程だ。こんなにいい天気なのに昼から雨になるとの予報、なんとか雨が降る前に権兵衛峠へたどり着きたい。 | |
茶臼山・権兵衛峠への縦走路 |
|
将棋頭山を巻くように下り、茶臼山分岐辺りに下ると、景色が一転して素晴らしい。西には御嶽山が見え噴煙が出ているのだろうか雲だろうか、威厳が伝わってくる山だ。東を見ると太陽で眩いが八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳など連山が見える。振り返ると木曽駒ヶ岳の勇姿が見える。 木曽駒ヶ岳は、中岳から見るとあまり特徴のない山容で丘のように見えるが、こちらから見ると素晴らしい。木曽駒ヶ岳といえば宝剣岳の方が特徴があって素晴らしいと思っていたが、見方を変えると主峰の木曽駒ヶ岳はやはり素晴らしい山だ。 |
|
御嶽山 茶臼山分岐辺りより |
|
伊那前岳・木曽駒ヶ岳 茶臼山分岐辺りより |
|
伊那前岳・木曽駒ヶ岳 茶臼山分岐辺りより |
|
八ヶ岳・・・甲斐駒ヶ岳 茶臼山分岐辺りより |
|
木曽駒ヶ岳 茶臼山分岐辺りより |
茶臼山 茶臼山分岐辺りより |
茶臼山分岐を通過、この分岐は分水嶺になっている。すぐに胸突ノ頭の標識があり何の変哲もないが、逆に登ってきた人から見れば、ここにたどり着いてホッとするところだ。これから我々は、ここまでの急坂、すなわち胸突八丁を逆に下っていく。 少し下ると七合目が過ぎ、その先に津島神社がある。神社といっても御神体が岩なんだろう。その岩の隙間にヒカリゴケが少しあり、陽に輝いていた。六合目まで下ると広場に案内標識やベンチの材料だろうか真新しい木材が積まれていた。 さらに下ると、信大ルート分岐で、胸突八丁の標識があった。ここ標高2140mから通過してきた胸突ノ頭、標高2580mまで標高差440mが胸突八丁の急な登りになるのだ。 |
|
茶臼山分岐 |
茶臼山分岐 分水嶺 |
胸突ノ頭に到着 |
胸突ノ頭(標高2580m) |
馬返しへ |
馬返しへ 七合目通過 |
馬返しへ |
馬返しへ |
津島神社 |
六合目 |
馬返しへ |
胸突八丁 信大ルート分岐(標高2140m) |
さらに下ると、大樽避難小屋に到着、小休止をとってまた下る。白川分岐を過ぎる直前に落雷事故現場の碑が建っている。 昭和50年7月24日13時40分、伊那中学校の生徒が落雷事故にあった。1名が意識不明となったが幸い全員快復した。土砂降りの雷雨の中の下山で、たまたま樹林帯の大きな木に落雷したという。樹林帯に入れば安心と思われるがこんなこともあるということがこの碑を見て感じた。雷が鳴り出した時の判断が鍵となるが非常に難しいと思った。 |
|
馬返しへ |
大樽避難小屋 |
馬返しへ |
落雷事故現場 |
白川分岐を通過 |
馬返しへ |
西駒山荘から約2時間30分馬返しに到着、ここから権兵衛峠まで3時間30分の挑戦だ。一般道はここ馬返しから桂小場登山口に下るのが一般的だ。伊那の中学生達もここを登って木曽駒ヶ岳に立ちまたここを通って下山したのであろう。最近はロープウエイで下山するケースが多いそうだ。 これからが今回のメインイベント、権兵衛峠を目指すことになる。権兵衛峠へのコースについて注意が記されていた。登山道の整備は地域のボランティア団体、個人で行われている。行動は自己責任で自然保護遵守で等記されていた。 |
|
馬返し(標高1927m) 権兵衛峠(左)/桂小場(直進)分岐 |
権兵衛峠へ通行の注意 |
馬返しから尾根道に入ると、緑の苔の絨毯の道で誰も歩いていない未知の山に入っていく感じだ。しばらく歩くと、クマザサの道になってきた。登山道は基本的に尾根筋に造られているのでクマザサの丈が高く道が塞がれてもなんとなく分かる感じだ。 クマザサの道は、足元ぐらいの丈、腰あたりの丈、背丈以上で足元が見えないそんな道を繰り返しながら、そして小ピークをいくつも超えてやや下り気味に歩いていく。クマザサが背丈以上で何も見えないところを何度も歩いたが残念ながら写真に留めることができなかった。いわゆる藪こぎで、何時間も続くのは初めてで大変だ。また最近話題になっているダニに噛まれないかも心配だ。 |
|
権兵衛峠へ 馬返しを通過 |
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
|
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
藪こぎを繰り返し、約2時間で烏帽子に到着。ここから権兵衛峠まで標高差360mほどの下りだ。藪こぎがまだまだ続き、なかなか気の抜けない歩きが続く。烏帽子から約40分で名所になっているジャンボカラマツを見に少しコースからそれる。 | |
権兵衛峠へ 烏帽子(標高1890m) |
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
|
権兵衛峠へ |
権兵衛峠へ |
わき道に入ると、「絆のカラマツ」と「ジャンボカラマツ」の2本がひときわ目立っている。森の巨人たち100選に選ばれていて、ジャンボカラマツは推定樹齢250年、樹高34m、幹周4.1m。カラマツの巨木を目の前で見た記憶がないが杉などの他の巨木と比べて、あまり真っ直ぐに伸びているので私には感動が少なかった。 | |
権兵衛峠の絆のカラマツ |
権兵衛峠のジャンボカラマツ |
権兵衛峠の絆のカラマツ |
権兵衛峠のジャンボカラマツ |
ジャンボカラマツを見て約20分下ると権兵衛峠に着いた。 昔々、伊那谷と木曽谷との間には、わずかに人だけが通ることのできる険しい峠道がありました。この峠を牛馬の通える峠に整備し、不足の木曽へ伊那の米を運ぼうと木曽町日義神谷の牛方、古畑権兵衛は木曽11宿にこの峠の開発を呼び掛け、自らも進んで工事取り組み元禄9年(1696年)伊那側15ヶ村の協力を受け、ついに完成さたのです。以後、伊那からは大量の米が、木曽からは漆器などが運ばれました。以来この峠はいつしか「権兵衛峠」と呼ばれ、峠までの道は「米の道」と呼ばれるようになったのです。(伊那市商工観光課) 峠から少し上がると送電線鉄塔がある。この鉄塔が西駒山荘の宮下さんが権兵衛峠の目標に教えてくれた鉄塔だ。鉄塔を過ぎると駐車スペースになっていて権兵衛街道になっている。 バスに乗って、温泉へと向かう。権兵衛街道を木曽福島側に下り、2006年にできた権兵衛トンネルを通って伊那側に、そして大芝高原温泉大芝の湯に立ち寄り、いい湯に浸かってゆっくりくつろぎ、ビールで乾杯、昼食を頂いた。直後かなりきつい雨が降ってきた。雨に遭わずにラッキーだった。そして渋滞にも合わず無事帰阪した。 |
|
権兵衛峠(奥 栃洞沢・手前 与地) |
|
権兵衛峠(標高1523m) |
古畑権兵衛碑 |
権兵衛峠 分水嶺(左信州川系・右天竜川系) |
権兵衛街道駐車場へ |
権兵衛峠駐車場へ 送電線鉄塔 |
権兵衛街道 |
権兵衛峠トンネル |
|
権兵衛峠トンネル |
ふれあい交流センター 大芝の湯 |
今回は台風9号の接近でコース変更などもあり、天候によるトリッキーなこともあったが、ベストタイミングで切り抜け素晴らしい山旅になった。少し気になったのが年齢で、私が一番年下だった。女性は元気だが、男性は75歳、76歳そして79歳とやはりこのコースだと厳しい。途中で体調を悪くする、怪我をするなど別にして出発直後からザックをリーダーに担がせるなど少し問題だ。というのは私自身何歳ぐらいまでこのようなツアーに参加できるのか考えさせられたからである。体調を整え自分にあったコースを迷惑かけないで歩きたいものだ。 ともあれ参加者の皆さん楽しい山旅をありがとうございました。リーダーさんありがとうございました。 |
|
木曽駒に戻る | |
コース |
|
木曽駒に戻る |