西穂高岳・奥穂高岳・吊尾根・前穂高岳・明神岳
 
上高地 標高1500m 涸沢岳 標高3110m
上高地〜横尾〜涸沢〜[ザイテングラート]〜穂高岳山荘〜涸沢岳〜穂高岳山荘

上高地〜横尾

 7月25日から27日で奥穂高岳、前穂高岳に登った。第1日目の7月25日は移動日で大阪を発ち上高地に入り横尾までの行程だ。

 7時20分バスで梅田を出発、多賀SAを経てひるがのSAで昼食にした。高山ICから平湯へ、上高地への交通規制のため、平湯バス停で濃飛バスに乗り換え上高地に13時20分過ぎに入った。

大日ヶ岳・・・別山・白山 ひるがのSAにて

穂高岳・大正池 バス車窓より

上高地バスターミナル(標高1500m)

穂高岳・河童橋・梓川
 上高地バスターミナルで出発準備をして横尾山荘へと歩き始めた。定番の景色を見たいということで梓川沿いに河童橋へ、天気も良く西穂高岳から奥穂高岳、吊尾根、前穂高岳、明神岳と素晴らしい景色を眺めることができた。

焼岳

河童橋の大賑わい
 河童橋は、いつもの賑わいで穂高岳を眺めたり、記念写真を撮ったりと沢山の人で賑やかだ。そんな河童橋でしばらく時間を過ごし、歩き始めた。梓川に注ぐ支流の川は清らかで水に漂う水草が涼しげだ。

 キャンプ場を過ぎ自然林の遊歩道を歩いていくと、所々で梓川や明神岳が見え素晴らしい。明神岳を巻くように梓川が流れ、明神岳は見えるたびに姿を変化させていて、まるで移動展望台だ。

横尾へ

明神岳

明神に到着(標高1530m)

明神岳
 河童橋から約40分、明神に到着、明神館の前から尖った尖峰の明神岳がそびえている。明神岳は穂高岳とも呼ばれ山裾の明神池渕に穂高神社奥宮が祀られている。明神館前の広場の案内板によると明神岳はここから眺めると、左から2263峰、最南峰(第五峰)、第四峰、主峰(標高2931m)、東稜、長七ノ頭が見えている。

明神岳(穂高岳) 2263峰・最南峰(第五峰)・第四峰・主峰(標高2931m)・東稜・長七ノ頭

横尾へ

明神岳 白沢より
 少し休憩してまた明神岳を巻くように緩やかな遊歩道を登って行く。約40分こもれびの道を歩いていくと左側が大きく開け明神岳、前穂高岳がそびえ、そして川幅が広がった梓川の流れがある。明神館で見た明神岳とはかなり違った山容になってくる一方前にかぶるように前穂高岳が見えてくる。

横尾へ

横尾へ

明神岳・前穂高岳
 明神から約50分で徳沢に到着、広々とした緑のキャンプ場で、昭和初期までは牧場だったそうだ。また、氷壁の宿徳沢園は、長編小説「氷壁」の井上靖の常宿だったとか。そして氷壁にでてくる徳沢小屋はこの徳沢園のことだそうだ。

徳沢に到着

徳沢(標高1560m)
 徳沢でしばし休息をとり、今度は梓川に沿って北へとまた歩き始める。しばらく歩くと左手に吊橋があり、この橋を渡ると、奥又白池や屏風ノ耳、涸沢に続くパノラマコースの分岐になっている。今回は直進して横尾へと進む、この辺りまで来ると観光客はいなくなり登山者ばかりになる。観光客は徳沢辺りまでだ。

横尾へ

新村橋 パノラマコース・奥白叉分岐

横尾へ

明神岳・前穂高岳

横尾が見えてきた

横尾 横尾山荘に到着(標高1620m)
 徳沢から約1時間今日の宿、横尾山荘に到着。大阪からの長旅だがかなり順調に来た。しかし山小屋時間には少し遅い感じだ。夕食は17時からで30分弱で急いでお風呂に入って夕食を頂いた。今日は、槍ヶ岳登山グループと合同で33名の大グループだった。明日の穂高組は、7名(女2人男5人)の予定だ。山荘前のベンチでビールを飲みながら夕涼みをし、明日に備えて早目に就寝した。

横尾〜涸沢〜穂高岳山荘〜涸沢岳

 第2日目7月26日は横尾から涸沢へ、そしてザイテングラートを登り、穂高岳山荘までのコースだ。もし早く到着でき問題なければ涸沢岳に登る予定だ。

 5時朝食開始、かたや日の出で前穂高の山並みは赤く燃えモルゲンロート。朝食で並んでいたが列を離れると出発時間に間に合わなくなりそうなので食事を優先、モルゲンロートの写真はお預けになった。食jを済ませ表に出て見ると太陽が燦燦と輝いていた。

前穂高岳・屏風ノ頭
 5時43分準備を済ませ横尾を出発、穂高岳山荘へと歩き始めた。順調に歩ければ12時過ぎには山荘に到着できる予定だ。

 槍ヶ岳組に分かれて、横尾大橋を渡り歩き始める。昨日は、明神岳を巻くように歩いたが、今日は屏風ノ頭を半回転するようなコースで横尾谷から涸沢へと登って行く。屏風ノ頭には太陽がまばゆく照らしていて清清しいあさだ。

涸沢ヒュッテへ 横尾大橋(標高1620m)を出発

屏風ノ頭
 歩き始めて25分ほどで、岩小屋跡を通過する。大きな岩の隙間が雨露をしのぐ空間になっていたのであろう。そしてここから10分ほど歩くと本格的な山道になってくる。左側の屏風岩の絶壁もさらに厳しくなってクライマーの気持ちになって登って見たい感覚になってくる。

 (後日ニュースから)
帰阪して2日後の29日、この屏風岩で転落して標高2500m付近で2人が宙吊りになり救助を要請しているニュースがTVであった。埼玉の2人で60歳代でクライミングを楽しんでいたそうだ。ヘリコプターが近づけず宙吊りで一夜を明かし、30日宙吊りの2人は救出されたとか。(2015.07.31)

涸沢ヒュッテへ

屏風岩
 標高1770m辺りまで登ってくると、左側の屏風ノ頭屏風岩の全容が見えてくる。そして行く先には横尾谷の屏風岩の先に北穂高岳が見えてくる。

涸沢ヒュッテへ

北穂高岳が屏風岩の先に見える(標高1770mより)

屏風の頭・屏風岩
 横尾谷に沿って快適に登って行くとやがて本谷橋に到着する。本谷橋は横尾谷にかかる吊橋だ。ここからも北穂高岳を遠望できる。ここで小休止をとる。沢の流れは水量が多く美しい。

本谷橋(標高1790m)を渡る

北穂高岳 本谷橋より
 さてこれからが本格的な山登りになる。いきなり石段状の急な登りから始まる。本谷橋から20分ほど登ると涸沢岳、北穂高岳、南岳が遠望できる。小さな石をひいたような道を登って行く。

 本谷橋から35分ほどのところまでくると、横尾谷が涸沢と横尾本谷に分かれる。右手に延びる横尾本谷の先には涸沢岳、北穂高岳、南岳が見えてくる。

涸沢ヒュッテへ

涸沢岳・北穂高岳・南岳

涸沢ヒュッテへ

涸沢ヒュッテへ

涸沢岳・北穂高岳・南岳・横尾本谷(標高1960mより)

涸沢ヒュッテへ(標高1990m)
 屏風ノ頭を半時計方向に半周した標高2000m辺りまでくると広葉樹の木々も低くなり明るくなってくる。やがて正面に涸沢の大パノラマが展開し始める。

 大小の岩が一面に広がる涸沢を登って行く、その先には前穂高岳、吊尾根、奥穂高岳、涸沢岳そして雪渓の残る涸沢の絶景が広がってくる。。

吊尾根(標高2030mより)

奥穂高岳

奥穂高岳・涸沢岳(標高21300mより)
 石を並べた階段状の道を快適の登って行く。やがて雪渓になり少しの間だが楽しく登る。景色や雪渓を楽しんでいるうちに涸沢ヒュッテに到着した。

涸沢ヒュッテへ

涸沢ヒュッテへ(標高2240m)

涸沢ヒュッテへ(標高2270m)

吊尾根・奥穂高岳(標高2290mより)
 涸沢ヒュッテから素晴らしい涸沢の景色を堪能しながら早目の昼食にした。涸沢は緑と白のコントラストが実に美しい。真っ赤に燃える紅葉の時期とは一味違った印象をうける。

前穂高岳・吊尾根・奥穂高岳 涸沢ヒュッテ(標高2300m)より

奥穂高岳・涸沢岳・涸沢槍・北穂高岳 涸沢ヒュッテ(標高2300m)より

前穂高岳・吊尾根・奥穂高岳

奥穂高岳

奥穂高岳・涸沢岳・涸沢槍・北穂高岳

常念岳
 涸沢で休息をとって穂高岳山荘へと登りはじめた。涸沢ヒュッテから雪渓を横切って涸沢小屋へ、そして小屋奥の奥穂登山道に入る。

涸沢ヒュッテからザイテングラートを経て穂高岳山荘へ

穂高岳山荘へ

涸沢小屋横の奥穂登山道に入る(標高2350m)
 涸沢小屋を過ぎると程なくヘリコプターが飛んできて涸沢ヒュッテのヘリポートに着陸し、再び飛んでいった。ヘリコプターを目の前で見るのが珍しいのでみんなで一部始終見ていた。そして今度はザイテングラートの取付きまで頑張って登った。

 ザイテングラート取付きの下は雪渓がかなり残っていて雪渓を登るのかと思って行動していたら、右に巻いて雪渓の上の斜面を通るようになっている。雪渓が多い時期は直登できるが夏道は大きく巻くコースになっている。

前穂北尾根・前穂高岳・奥穂高岳(標高2360mより)

涸沢ヒュッテにヘリがやってきた

穂高岳山荘へ(標高2420m)

穂高岳山荘へ続くザイテングラート

穂高岳山荘へ(標高2520m)
 涸沢ヒュッテから眺めていたザイテングラートの下端までかなりの高度さがあるようで大変だと思っていた、案の定ガレ場と岩の道でかなり厳しい標高差は涸沢ヒュッテからザイテングラート取付きまで約360mある。

 ザイテングラートの取付きが遠くに見えてくる頃には、かなり体力が消耗してきた。腹筋と背筋がかなり痛くなってきた。休憩は取付きでするというのでとにかく頑張って足を進める。

穂高岳山荘へ(標高2630m)

ザイテングラートの取付きまであと少し

常念岳・蝶ヶ岳 屏風ノ頭・前穂北尾根・前穂高岳 ザイテングラート取付き(標高2660m)より

前穂北尾根・前穂高岳

奥穂高岳
 やっとたどりついたがこれからが今日一番の難所、ザイテングラートが待ち受けている。登ってきた涸沢を眺めると素晴らしく疲れが吹っ飛ぶようだが今日はなかなかそうはいかないようだ。振り返れば、常念岳、蝶ヶ岳の連山、手前に屏風ノ頭そして前穂北尾根の峰々と前穂高岳が涸沢の雪渓とマッチして素晴らしい。

 少し体力が回復したところでザイテングラートへと足を踏み入れる。あちこちのお花畑がありシナノキンバイ、ハクサンイチゲ、イワギキョウ、チングルマ、ハクサンフウロ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、センジュガンピ、イワオトギリ、クガイソウなどここへ来るまでいろんな花ガ咲いていたが、今回は写真撮影をする余裕がなかった。座ったり立ったりしゃがんだりしながら撮影し、撮影時間の遅れを取り戻しみんなの隊列に戻る自信がなかった。

奥穂高岳・涸沢岳 ザイテングラート(中央)

穂高岳山荘へ ザイテングラート取付きを出発
 ザイテングラートを登り始める、私にとって得意のコースで楽しく登れそうだが今回は体力的に厳しかった。本来所々に岩場があって、岩を越えたり巻いたりしながら楽しく登れるコースだ。

ザイテングラートを登る(標高2710m)

常念岳(標高2710mより)

ザイテングラートを登る(標高2750m)

ザイテングラートを登る(標高2760m)

ザイテングラートを登る(標高2770m)

ザイテングラートを登る(標高2800m)

ザイテングラートを登る(標高2800m)

前穂北尾根・前穂高岳
 今日は我慢の登り、標高2800m辺りまで登ると景色はさらに良くなってきた。氷河期にできたとされる涸沢カールはみごとである。常念岳、蝶ヶ岳、屏風ノ頭、前穂北尾根の峰々と前穂高岳が涸沢の雪渓と何ともいえない緑と相まって見事である。遠くには八ヶ岳の連山が遠望できるのもいい。また標高2850m辺りまで登ると、頭上にはごつごつした岩峰の涸沢岳が迫っていて大迫力だ。

常念岳・蝶ヶ岳 屏風ノ頭・前穂北尾根・前穂高岳(標高2800mより)

八ヶ岳・前穂北尾根(標高2800mより)

ザイテングラートを登る 頭上は涸沢岳(標高2850mより)

ザイテングラートを登る

ザイテングラートを登る(標高2950m)
 さらに標高差100mを登ると穂高岳山荘に尾着する。山荘の直前は雪の階段で趣があってなかなか良い。穂高岳山荘にザックをデポして涸沢岳へ登ることになった。

奥穂高岳山荘に到着

奥穂高岳山荘(標高2980m)
 涸沢岳への登りはガレ場道で少し歩きにくいが約20分で山頂に到着する。涸沢岳は、標高3110mで三角点は北へ90mほど先にあるピークにある。

涸沢岳へ

涸沢岳へ

涸沢岳へ

涸沢岳山頂(標高3110m)にて
 三角点ピークには、三等三角点があり、標高は3103.3mで周囲は絶景だ。展望は、主峰も三角点峰もあまり変わらないが素晴らしい。笠ヶ岳、薬師岳、立山、槍ヶ岳、大喰岳、南岳、大キレット、北穂高岳また前穂高岳、奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳など素晴らしいパノラマだ。また三角点峰から北穂高岳の間を覗くと圧巻だ。以前に槍穂高縦走で行き来しているが上から覗くととてつもない絶壁だ。山頂から素晴らしい景色を楽しんで穂高岳山荘に下山した。

涸沢岳 三角点峰

涸沢岳 三等三角点(標高3103.3m)

涸沢岳三等三角点と槍ヶ岳

前穂高岳・奥穂高岳・・・ジャンダルム 涸沢岳(主峰)・涸沢岳(三角点峰)

前穂高岳・奥穂高岳・・・ジャンダルム・西穂高岳 涸沢岳(主峰)・涸沢岳(三角点峰)

奥穂高岳・・・ジャンダルム・・・ 涸沢岳より

立山・槍ヶ岳・大喰岳・南岳 涸沢岳より

薬師岳・立山・槍ヶ岳・大喰岳・南岳・大キレット・北穂高岳・涸沢岳(三角点峰) 涸沢岳より

槍ヶ岳・大喰岳・南岳・大キレット・北穂高岳・・・・ 涸沢岳より

笠ヶ岳・薬師岳・立山・槍ヶ岳・大喰岳・南岳・大キレット・北穂高岳・涸沢岳(三角点峰) 涸沢岳より

笠ヶ岳 涸沢岳より

常念岳・蝶ヶ岳 屏風ノ頭・前穂北尾根 穂高岳山荘より

明日登る奥穂高岳への最初の難関絶壁 穂高岳山荘より
 まだ3時間程度の時間があり奥穂高岳往復ぐらいはできるが、真っ青の空の下でゆったりした時間を過ごすのもめったにないことなので夕暮れまでゆっくりした。

 夕方、日没の風景をヘリポートあたりから楽しんだ。夕日に照らされて山々が茜色に染まっていくさまはとても素晴らしい。この場所にこれたからこそ楽しまれる夕日だ。ザイテングラートの登りはしんどかったが、今は至福の時間になった素晴らしい大自然だ。

奥穂高岳

奥穂高岳・ジャンダルム・・・

笠ヶ岳のサンセット
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涸沢岳
標高:3110m
基準点名:三等三角点
等級種別:奥穂高
標高:3103.3m
所在:岐阜県高山市
地図:穂高岳

 涸沢岳三角点峰         三角点峰と主峰(後方)

涸沢岳 三等三角点 3103.3m 2015.07.26

コース
7/25 晴れ (台風12号沖縄近海接近中)
 大阪梅田(7:20)=[バス]=多賀AS(9:00)=ひるがのSA(12:00/昼食/12:30)=高山IC=
平湯BT(12:50/13:00)=[濃飛バス]=上高地BS(13:23/13:29)〜河童橋(13:36/13:44)〜
明神(14:25/14:35)〜徳沢(15:24/15:36)〜横尾 横尾山荘(16:31)  (泊)
7/26 晴れ
 横尾山荘(5:43)〜本谷橋(6:59/7:10)〜(8:07/8:13)〜涸沢ロッジ(9:04/昼食/9:32)〜
ザイテン取付き(10:40/10:54)〜(11:33/11:42)〜穂高岳山荘(12:08/12:37)〜
涸沢岳(12:57/13:20)〜穂高岳山荘(13:43)  (泊)
7/27 晴れ
 穂高岳山荘(4:30)〜奥穂高岳(5:13/5:38)〜(6:36/6:44)〜紀美子平(7:26/7:33)〜
前穂高岳(8:07/8:16)〜紀美子平(8:59/朝食/9:15)〜岳沢パノラマ台(9:57/10:04)〜
岳沢ヒュッテ(11:53/12:05)〜風穴(13:07/13:13)〜穂高岳沢登山口(13:46)〜
上高地BS(14:04)=[タクシー]=ひらゆの森(14:27/入浴/15:00)=[バス]=
飛騨清見IC〜関SA(17:02)=草津PA(18:55)=大阪梅田(20:03)

天 候  7/5 晴れ 7/2 晴れ 7/2 晴れ  (台風12号7/26夜熱帯低気圧になり影響なし)
参加者 7名
実施日 2015.07.25.-07.27
ツアー 毎日新聞旅行 inada