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日本百名山 | ||
焼 岳 標高2444m | ||
新中ノ湯登山口〜焼岳北峰〜焼岳小屋〜中尾温泉登山口 | ||
9月17日第2日目、焼岳に登った。夜半から強く降っていた雨は少し小康状態だ。小雨の振る中バスで登山口の中ノ湯に向かう。乗鞍高原から前川渡へ下り沢渡から釜トンネルを右に見て中ノ湯へ、安房トンネル手前の旧道を登る。九十九折れのヘアーピンカーブをあえぎながら走っている感じだ。15番目ぐらいのカーブで道路わきが広くなっていて駐車場になっている。ここが新中ノ湯登山口だ。 中ノ湯バス停付近から登る中ノ湯登山口の標高は1330m、ここ新中ノ湯登山口は標高1610mと標高差280mをバスで上がったことになる。登山口にはぎっしりマイカーが停車していた。 |
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のりくらの宿 舞 |
中ノ湯登山口 |
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8時過ぎ新中ノ湯登山口を出発、尾根に取り付くために10分ほど大きく巻いて登る。尾根筋の登山道は急登で標高1800m辺りまで続く。その先は比較的緩やかな登りになり、平坦なところは泥だまりになっていて泥がズボンの上へ上がり汚れが目立ってくる。標高1990m辺りからはさらに緩やかな登りになってくる。標高2000mを過ぎると旧道との出合になり、広葉樹林でクマザサの道になる。標高2100mで尾根に出て東側の谷や、その先の尾根が見えてくる。 | ||
新中ノ湯登山口を出発(標高1610m) |
10分ほどく大きく巻く |
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尾根道を登り始める(標高1740m) |
尾根道を登る(標高1890m) |
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緩やかな泥んこ道の登り(標高2000m) |
下堀出合付近(標高2040m) |
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シラタマノキ |
アカモノ |
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ゲゼンタチバナ |
リンドウ |
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尾根に出て東側の谷が見える(標高2100m) |
クマササの登りになる |
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この辺りからガラバ道になり周囲の岩が乱立し大きな岩になってきてその間を登って行く。標高2200mを過ぎたところで一瞬ガスが薄くなり焼岳山頂と思われるピークが確認できた。雨が降ったり止んだりで雨具を着けると雨は止み、雨具を脱ぐとまた雨が降ってくるを繰返し登っていただけに頭上にかすかな光明を獲た感じでみんな元気が出てきた。 登山道脇には、お花が疲れを少しは癒してくれそうだ。ゴゼンタキバナの赤い実、シラタマノキ、アカモノ、リンドウ、ゴマナ、ヤマハハコ、アキノキリンソウ、イタドリなどあちこちに咲いていた。 標高2100m辺りの尾根に出てからしばらく急登が続き、標高2300mまで登ると周りが広くなり、火山の外輪を登っている感じになってくる。登り切ると尾根に出る。ガスで分からないが標識があり、火口縁に着いたようだ。左へは通行止めの×が岩にペイントされている。りピークがほんのり見えた、焼岳南峰だ。しっかり確認できないのが残念だ。足元に火口湖が見える筈だがまったく見えず深いガスの中だった。 |
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ゴマナ |
ヤマハハコ |
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山頂は近い(標高2130m) |
ガスの向こうに山頂が見えてきた(標高2260m) |
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アキノキリンソウ |
イタドリ |
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大岩に2300の数字が(標高2290m) |
大きな岩の間を登る(標高2310m) |
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南方分岐に到着 |
南峰分岐(標高2390m) |
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ガスの向こうに南峰が薄っすら見える |
北峰の岩稜 |
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南峰分岐から北峰へ北峰を巻くように岩壁に沿って進む。頭上に白い溶岩のような岩が見えていて、通常の山では見られないような岩だ。硫黄の臭いも風に吹かれて感じられるようになってきた。回り込んで一段登ると北峰への分岐に着く。 分岐から、空荷で山頂に向かう。岩場を少し登ると、硫黄の臭いが強くなってくる。左上の溶岩ドームの縁から噴出している。噴出孔は黄色く口を開けて噴気を出していた。さらにドームを巻くように登り切ると山頂に着く。 焼岳北峰は、標高2444mで現在登山可能な最高点だ。360度のパノラマが全く期待できないのが残念だ。 焼岳は、北アルプス唯一の活火山で大正4年に大噴火を起こし、梓川を堰き止め大正池が出来た。昭和37年の噴火を最後に沈静しているが、現在も白煙を上げている。焼岳の主峰は南峰で登山規制も少し緩やかになっているようだ。長野県警山岳情報によると、平成2年に規制緩和され「頂上から800mが危険地域」とされ、事実上の規制解除(立て札あり、ロープなし)になったそうです。 そんな情報を得ていて、ツアー会社のHPに「アルプスの活火山山頂へ登る」とのキャッチフレーズを見て参加申込みした。ところが、主峰には登らないことが分かりがっかりした。もし、天候が良ければ爆発したかもしれないが、雨天でピークハント以外の意味が少なくなったので心を収めた。 |
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北峰へ溶岩ドームの岩稜を巻く |
北峰へ溶岩ドームの岩稜を巻く |
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北峰への登り |
北峰の溶岩ドーム |
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溶岩ドーム中ほどの噴気口 |
噴気口 |
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最後の登り |
山頂の溶岩ドームのひとつ |
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焼岳山頂「亀の甲羅にのって」 溶岩ドーム側より |
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溶岩ドーム |
溶岩ドーム |
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焼岳山頂(標高2444m) | 焼岳 山頂にて |
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北峰分岐(標高2400m)に戻る |
中ノ湯・焼岳小屋へのペンキ |
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分岐に戻り、補食をとって焼岳小屋へと下った。岩場の急な下りが標高2200m地点で沢を渡り別尾根に出るまで約30分続く。ここから緩やかな高原状の山道を下る。標高2100m辺りまで下ると一瞬ガスが抜け、上高地を一望することができた。今日は何も見えない中の登山だったが一瞬の潤いを得た。 中尾峠に下り、目の前のピークに登り返す。登り返すとそのピークは焼岳展望台になっていてピークに大きな岩があった。展望台を下りきると焼岳小屋に到着した。ここで少し遅い昼食にした。 |
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焼岳小屋へ下る |
焼岳小屋へ下る |
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焼岳小屋へ下る |
途中の沢の噴気口(標高2200m) |
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ガスの向こうに焼岳展望台のピーク(標高2120m) |
ガスの向こうに上高地が見える(標高2120m) |
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上高地遠望(標高2120m) |
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ガスの向こうに焼岳展望台ピークと上高地(標高2120m) |
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焼岳展望台のピークへ 中尾峠(標高2100m) |
焼岳展望台のピークへ |
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焼岳展望台のピークへ |
焼岳展望台(標高2140m) |
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焼岳小屋に到着(標高2085m) |
焼岳の案内板 |
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昼食後中尾温泉へ下山開始した。新中尾峠で西穂高への道を右に見て、直進の下りをとる。中尾峠から越えてきたピークを巻きながら下る。ところが岩や木の根っ子の段差の大きい下りで足が届かず頭にビンビンくる下りだ。やっと中尾峠からの道に合流、ここからまた石がごろごろする道を下る。かなり疲れる道だ。 秀綱神社に下山、ここにヒカリゴケがあるそうだ。ところが残念ながら確認することができなかった。しばらく下ると苔むした穴があちらこちらにあり、中を覗いてみるとほとんどの穴にヒカリゴケがあった。下り道足が疲れていたのでいい塩梅にヒカリゴケを見ながら下った。 標高1560m辺りまで下ると離れた尾根から大きな滝が見えてきた。大雨で滝が出来たんだろうなどと言っていた。さらに10分ほど下ると、白水ノ滝の案内板があった。先ほどの滝は白水ノ滝だったのだ。ガスに邪魔されて余り迫力はなかったが大きな滝だった。 この辺りでハプニング発生、リーダーの後を歩いていた女性が転倒した。しばらくリーダーがリュックを持ったが空身でもよろけて危ない。今度はリーダーが負んぶして下った。林道出合でしばらく休憩して自力でゆっくり下った。話によると、急な下りや段差の大きい下りを重いリュックを背負って下ると膝に大きな負担がかかり支えられなくなるのだそうだ。ざっくり3倍ぐらいの負荷が膝にかかるとして、体重とリュックで70kgの人だと、210kが膝にかかることになる。もっと耐えられる人もいればそうでない人もいるのだろう。 白水ノ滝辺りから雨も次第に強くなってきた。かなりたたきつけるような雨だが最後の踏ん張りで下った。沢を渡ると林道に出てすぐゲートがあり、さらに林道を下ると中尾温泉登山口の駐車場になっていた。バスに乗り込んで新平湯音温泉・美山荘に向かった。この辺りは北アルプスに来る度よく前を通っていたところだ。 美山荘で温泉につかり疲れを癒し、夕食の御馳走をいただいて就寝した。天気が今ひとつで台風12号が沖縄付近で迷走している中での登山だった。2003年9月に焼岳から槍ヶ岳まで縦走したが、焼岳に上る途中から雨模様になり、焼岳での展望は全くだめだった。西穂高岳から槍ヶ岳までは快晴の良い天気だった。焼岳だけが付いていないようだ。今度機会があったら良い天気の中主峰、北峰、火口湖を眺めてみたいものだ。 |
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中尾温泉へ下山開始(標高2090m) |
新中尾峠(左下中尾温泉、右西穂高) |
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秀綱神社(標高1960m) |
ヒカリゴケ |
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ヒカリゴケ |
ヒカリゴケ |
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白水ノ滝 展望所より上で(標高1560m) |
白水ノ滝 展望所より(標高1470m) |
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林道出合登山口・近道を下る(標高1440m) |
沢を渡る |
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沢を渡ると林道に出て焼岳登山口(標高1265m) |
登山口駐車場に到着(標高1230m) |
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新平湯温泉 美山荘 |
新平湯温泉 美山荘 |
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1日目 美ヶ原 | ||
3日目 乗鞍岳 | ||
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コース |