前穂高岳 吊尾根より | |
前穂高岳 標高3090m 奥穂高岳 標高3190m | |
岳沢〜前穂高岳〜奥穂高岳〜穂高岳山荘 | |
10月1日から3日で上高地から岳沢、前穂高岳、奥穂高岳、涸沢そして上高地へと縦走した。第2日目10月2日は、岳沢小屋から前穂高岳に登り吊尾根を経て奥穂高岳に登り、穂高岳山荘、ダイテングラートを下り、涸沢ヒュッテまでのコースだ。長編になるので本編は、穂高岳山荘までを記し、その先は涸沢編に記した。 夜半から風雨が強くなり、今日の登山は心配だったが、夜が開けると小雨になっていた。朝食、出発準備を済ませる頃には雨具なしで行けそうな感じになってきた。 6時15分出発、テント場のガラ場を横切って登山道、重太郎新道に入る。15分ほど登ったところで雨具を脱いだ。四六時中雨は降らないようだ。 |
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岳沢小屋 出発準備 |
岳沢小屋出発(標高2170m) |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
緩やかな登りが次第に急になってジグザグ道になりやがて標高2300m辺りから岩が露出して行き先を阻むかのようになってくる。振り返ると昨日泊まった岳沢小屋が、大きな岳沢に赤い点のように見える。急な岩場の右側は切り立っっていてそこには崖に張り付いた紅葉が心を和ませ元気もくれる。 | |
前穂高岳へ |
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涸沢を振り返る |
絶壁の紅葉 |
標高2400m当たりまで登ると岩場もさらに厳しくなり、ハシゴが現れてくる。数ヶ所のハシゴを一段一段と慎重に登る。 | |
前穂高岳へ |
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前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
標高2460m辺りで登り下りの一方通行になってくる。登りは右にとり絶壁を巻いて廻り込んで登ると、標高2490m辺りで合流、登りきると、標高2500mの岩場の上に出る。ここで小休止、一回戦はここまでだろうか。 | |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
緩やかな登りしばらく続き、標高2540m辺りに長いハシゴが架かっている。ハシゴを登っている待ちに周囲を見渡すと明神岳の絶壁は黄金に輝き素晴らしい。あんなに鋭利な岩に生存する木々のたくましさと優美さを感じる。標高2570m辺りからスラブ状の一枚岩の登りになり、クサリが下がっていて慎重に登る | |
絶壁の紅葉 |
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前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
ハイマツの間に荒ららしい大きな岩が重なり合って、転んで手を突けば手が切れるような鋭い岩が折り重なっているところを登っていく。 上り詰めると標高2660m、岳沢パノラマ台でここから素晴らしい岳沢景色、紅葉が見えると期待したが残念ながら舞台にはグレーの緞帳が下がっていて期待は大きく裏切られた。 |
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前穂高岳へ |
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岳沢パノラマ台(標高2660m) |
岳沢パノラマ台で一休み |
パノラマ台から小さなアップダウンの先ほどのような岩の尾根だが左側が大きく切り立っていて落ちればイチコロだ。標高2700m辺りに急な切り立った岩の尾根を越える。まるで針山の上を歩く感じだ。標高約2850m迄登ると雷鳥広場に着く。風が強いので休憩はパスして紀美子平まで登りきることになる。 | |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
雷鳥広場(標高2850m) |
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前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
霧が掛かっていて明確ではないがそろそろ紀美子平直下の岩場に到着のようだ。メンバーから紀美子平はまだまだ先だと言われ全く信用できないがとにかくその岩場を登った。 数段岩場を登るとあの大きなスラブ状の岩になり、左が切れたった絶壁になっていた。紀美子平のスラブ状の一枚岩の登りだと確信した。慎重に登りきると霧の中に何回か訪れた紀美子平に着いていた。 |
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前穂高岳へ |
スラブ状の一枚岩を慎重に登る |
紀美子平(標高2910m) |
紀美子平 スラブ状の岩の上 |
紀美子平は、前穂高岳への取付きで、重太郎新道をつくった今田重太郎の娘の名前に由来している。ここでザックをデポして空身で前穂高岳山頂に登ることにした。 大小の岩が折り重なった急斜面を、三点支持をしながら落石させないよう注意して登っていく。途中雲が時々切れる今一つである。山頂が青空とともに一瞬見えたときは素晴らしかった。 |
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前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳へ |
前穂高岳 山頂だ |
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前穂高岳は、標高3090mで一等三角点になっている。山頂は広く北側には北尾根が、南側には明神岳の峰々が続いている。北尾根は、主峰に続いて二峰、三峰、四峰そして八峰まで延びている。展望を期待したが生憎の霧と雲で全く楽しむことができなかった。それでも、上空に時々現れる青空を見ては一喜一憂していた。 | |
前穂高岳 山頂 |
前穂高岳 山頂にて |
前穂高岳 山頂 |
前穂高岳 一等三角点(標高3090m) |
しばらく雲の切れ間を待ったが期待薄のため下山開始した。下山は登りより細心の注意が必要で降り立つまで慎重に下った。ほんの一瞬雲が切れて岳沢や明神の峰々が見える程度で奥穂高岳、西穂高岳などは見ることができなかった。 | |
紀美子平へ下る |
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紀美子平へ下る |
岳沢 |
明神岳・岳沢 |
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明神岳 |
岳沢 |
紀美子平へ下る |
紀美子平へ下る |
吊尾根 |
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明神岳 |
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前穂高岳を見上げる |
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紀美子平に下り、少し早い昼食にした。ここに座ると昨年の夏を思い出した。記録によると「朝食を食べていた時、ヘリコプターがやってきて旋廻が始まった。伝わってきた話によると吊尾根で足を骨折したそうでその救難ヘリだという。数回旋廻して吊尾根の最低コル辺りで隊員が降下し救難に向かった。見ている訳にも行かないので紀美子平をあとに急な滑り台のような岩場を注意しながら下る。ヘリがまたやってきてしばらくホバリングした後飛び去って行ったので無事救助されたのであろう。」 昼食を済ませ、奥穂高岳へと紀美子小平から前穂高岳を巻くように登っていく。ほぼ緩やかな道だが所々に切り立った岩の壁をトラバースしながら登っていく。 |
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奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
岩の風景 |
奥穂高岳へ |
最低コルに到着、ここは前穂高岳への稜線の分岐点になっている。昔は、今通ってきた紀美子平からの巻道ではなく道なき稜線を辿って登ったのであろう。 | |
前穂高岳分岐点・最低コル(標高2920m) |
前穂高岳 分岐点より |
奥穂高岳へ |
尾根に出て常念岳から前穂高岳を望む |
しばらく登ると尾根筋に出て展望がよくなり、数ヶ所でゆっくり景色を楽しむことができ。奥穂高岳方向は雲が掛かっているが東方向には大天井岳、東天井岳、常念岳、蝶ヶ岳の山並みが雲の切れ間に見える。振り向けば、先ほど登った前穂高岳と北尾根の峰々、明神岳の峰々が、眼下には大きな涸沢カールが見える。素晴らしい絶景だ。 | |
常念岳 |
前穂高岳 |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
常念岳連山 屏風の頭 涸沢 |
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前穂高岳 |
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屏風の頭 北尾根・前穂高岳 |
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前穂高岳・明神岳 |
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素晴らしい景色を楽しんで先に進む。所々に急な岩場がでてくるが慎重に登る。さらに高度差のある岩場にはクサリが下がっていてここも慎重に登る。 | |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
奥穂高岳へ |
南稜の頭 |
急な岩場を登り終えると、南稜の頭に到着する。山のベテランが岳沢から直接登ってくるルートだそうで、今回のリーダーも登ったとか。ウオルター・ウェストンが穂高岳に初登頂したクラシックルートだそうだ。ほどなく、雲の中に奥穂高岳の山頂が見えてきた。 | |
奥穂高岳 山頂が見えてきた |
奥穂高岳 山頂に到着 |
奥穂高岳は、標高3190mで山頂に大きなケルンがある。富士山、北岳についで日本第三位の高峰であるが、北岳との差は僅か3メートルである。 重太郎の大ケルン、山小屋を造り、登山道を整備してきた今田重太郎は、石を積み上げてやがて3メートルになった。新聞か何かでニュースになっていたことを思い出した。これで富士山に次ぐ二番目に山になったとか。その大ケルンの上に登山者の安全を願い祠を建てたそうだ。 山頂から穂高連峰、槍ヶ岳そして周辺の山々の展望を期待していたが残念ながら何も見えなかった。初めての方はジャンダルムを見たかったのにと、非常に残念がっておられた。 |
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奥穂高岳 山頂(標高3190m) |
奥穂高岳 山頂(ケルン(左)・方位盤) |
雲と霧の中穂高岳山荘へと下った。周囲の見えない中をひたすら下る。最後のハシゴを下ると足元が屋根で、穂高岳山荘に到着だ。しばらく休憩をとって涸沢に下山した。 (涸沢への下り、ザイテングラートからは、涸沢編に掲載) |
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穂高岳山荘へ |
穂高岳山荘へ |
穂高岳山荘へ |
穂高岳山荘に到着(標高2980m) |
上高地〜岳沢へ 涸沢へ | |
前穂高岳 基準点名:穂高岳 等級種別:一等三角点 標高:3090.4m 所在:長野県松本市 地図:穂高岳 前穂高岳 一等三角点 山頂 |
前穂高岳 3090.4m 2016.10.02 |
奥穂高岳 基準点名:−−− 等級種別:−−− 標高:3190m 所在:長野県松本市 地図:穂高岳 |
奥穂高岳 3190m 2016.10.02 |
コース |
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上高地〜岳沢へ 涸沢へ |